オランダの漢字表記は複数存在!由来は当て字や漢名の取り込みなど
さて、前回はオーストラリアの漢字表記について記事にしました。引き続き、国名の漢字について記事を書きたいと思います。
今回は、スペインに次ぐヨーロッパでの2番目の国名の漢字です。風車とチューリップを思い出す国です。鎖国していた日本とも関係のあった「オランダ」にします。
オランダは、今言った風車とチューリップを思い出しますが、外には・・・。
さて、この国の国名はどんな漢字表記でしょうか?
オランダの漢字表記はどうなるかを調べ、今までやったように、その漢字の由来を読み解いてみます。そして、漢字一文字ではどう表すかも見ていきたいと思います。
それでは、最後までご一緒にご覧になってくださいますように。
オランダを漢字で書くと?
オランダの漢字表記を見てもらいましょう!
オランダの漢字表記は
和蘭陀、和蘭、阿蘭陀、荷蘭陀、荷蘭、尼徳蘭
6つの表記が出てきました。うーむ、眺めていると、オランダと読めないことはない漢字が並んでいますね。ただ、最後の奴は何だろうか。
この尼徳蘭、ネーデルラントの音訳だそうです。
なお、国名および通称はオランダ語でNederland(ネーデルラント)です。
オランダは日本での呼称なんですね。
オランダは、西ヨーロッパに位置する立憲君主制国家です。東はドイツ、南はベルギーと国境を接し、北と西は北海に面する国家ですね。
首都は、アムステルダム(政治機能所在地はハーグ)です。
国土の約45%が農用地という農業大国で、何と、農作物の輸出額ではアメリカに次いで世界で2番目です。
国土面積は、41,864平方キロメートルで九州とほぼ同じ広さです。
漢字の由来を読み解く!
上述の通り、オランダは、自国ではオランダ語で「Nederland」と表記します。
しかし、日本では、戦国時代にポルトガル人宣教師によって伝わったポルトガル語の「Holanda」から、「オランダ」と呼ぶようになったんですよ。
冒頭でも言ったんですが、江戸時代の鎖国下でも、オランダは交易関係にあった国であり、その友好の証としてオランダの漢字表記を「和蘭」としたんですね。
後に、オランダの漢字表記を、他国と同様の音訳による当て字で「阿蘭陀」とします。しかし、既に「和蘭」が広く普及しており、一般に浸透させることができませんでした。
ですから、オランダの漢字表記は「和蘭陀」となり、この表記が現在においても「和蘭陀」の正式な漢字表記として広く用いられているそうです。
パソコンで、「おらんだ」と入れて変換してみると「和蘭」「阿蘭陀」が出てきますよ。
スマホでも同様に、「おらんだ」と入れて変換すると、候補に「阿蘭陀」「和蘭」「和蘭陀」「阿蘭」が出てきますネ。
漢字表記と読み方の「荷」の項で挙げていますが、「荷蘭」は、福沢諭吉の「気品の泉源、智徳の模範」に出て来るようですね。この言葉は、その他の文献にも散見されます。
どうやら、「荷蘭」は中国語をそのまま取り入れた表記のようです。であれば、上記の漢字一文字を眺めても、その理由が分からなかったのも納得ですね!
漢字表記と読み方
この漢字表記の漢字に意味はあるのでしょうか?漢字源でざっと見てみます。
和
音)オ
外国語の「オ」の音に当てた字。「和蘭陀(オランダ)」
おお、まさに探していた意味が出て来ました!
阿
音)ア
日本語の意味では、①梵語の「ア」②阿波(アワ)の略③「阿弗利加(アフリカ)」の略しか載っていないんで焦りました。
難読漢字の一つに「阿蘭陀(オランダ)」が載ってました!読みは「ア」ですが、オランダの時は「オ」と読ませてます!
荷
音)ニ
辞書を見る限り、この文字を使ってオランダと読ませる説明を見つけることは出来ませんでした。
「荷蘭」は、福沢諭吉の「気品の泉源、智徳の模範」に出て来るようですね。この言葉は、その他の文献にも、散見されます。
蘭
音)ラン
「和蘭陀(オランダ)」(国の名)の略。「蘭学(ランガク)」
こちらも、そのものの意味が出てます!
陀
音)ダ 訓)いかん
①斜めにのびた地形。坂。斜めに傾いたさま。②「陂陀(ハタ゛)」とは、土地が斜めに長くのびているさま。③梵語(ホ゛ンコ゛)ダを音訳するとき当てた字。
ウーム、カナダもそうでしたが、外国語の「ダ」は、この文字を当てているようだ!
漢字一文字で表わすと
国を現わすとき、1文字の漢字で表記するケースがありますよね。アメリカは「米」、イギリスは「英」というような。
オランダの漢字一文字は?
オランダの漢字一文字の表記は既に出てきましたが「蘭」となります。
オランダには漢字表記が複数ありましたね。
- 和蘭陀
- 和蘭
- 阿蘭陀
- 荷蘭陀
- 荷蘭
- 尼徳蘭
この中で唯一共通しているのが「蘭」なんですね。
加奈陀(カナダ)、埃及(エジプト)、西班牙(スペイン)の漢字一文字は、それぞれの頭一文字でした。
オーストラリアだけは、濠太剌利の「濠」の字が常用漢字にないため、一文字の漢字を「豪」の字に置きかえているんですよ。
世界での表記
オランダを世界の国々ではどう表記して、どう発音するのか見てみましょう。
言語 | スペル | 発音 |
---|---|---|
英語 | Netherlands | ネザラン |
ドイツ語 | Niederlande | ニデランド |
オランダ語 | Nederland | ニーデラン |
フランス語 | Pays-Bas | ペイバ |
イタリア語 | Olanda | オランダ |
スペイン語 | Países Bajos | ペイゼザコス |
ポルトガル語 | Holanda | オーランダ |
スウェーデン語 | Nederländerna | ニエデランドラン |
ノルウェー語 | Nederland | ネーデラン |
中国語(繁体) | 荷蘭 | フワラン |
中国語(簡体) | 荷兰 | フワラン |
ロシア語 | Нидерланды | ニーデランド |
ヨーロッパのスペルは大きく違いますね!フランス語とスペイン語は似ていますが他国と全く異なります。イタリア語とポルトガル語も仲間で他国と異なっています。
発音も、フランス、スペインが「ペイ~」、イタリアとポルトガルが「オ~」、他国が「ニ~」「ネ~」になっています。
中国語は繁体で、日本と同じ「荷蘭」でした。日本での漢字は漢名をそのまま当てはめたんでしょうか。
ロシア語はスペルは相変わらず我が道を行きますが、発音はヨーロッパの「ニ~」でしたね。
最後に
オランダの漢字表記を見てきました。
オランダは江戸時代から有効があったので、そこから「和蘭」という表記を付けたんですね。で、この表記が広まり、「阿蘭」への変更も退けて生き抜いているわけですな。
ただ、漢字表記自体は当て字に近い漢字ですネ。漢字一文字はたくさんある漢字表記のうち、共通した一文字「蘭」でした。
世界の表記と発音ですが、ヨーロッパ各国は3つのグループに分かれましたね!
※国名の漢字です
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