さんずいに斬ると書いて漸!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
「漸く」という言葉があります。読めますか?
「しばらく」かと思いましたが、「ブー!」外れです。
正解は、記事の中で見ていただければと思うのですが、この「漸く」の「漸」ですが、さんずいに斬ると書く漢字じゃないですか。シリーズでやっているモノの一つですよ!
この流れから行けば、さんずいに斬の「漸」について、いつもやっているように、読み方から意味・苗字での使い方まで総特集していかねばなりますまい!
どうか、ご一緒にその結果をご覧下さいませ。
さんずいに斬といえば漸!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、漸の意味と読み方を明確にしましょう。
漸の読み方と意味
漸
画数 :14画
音訓:ゼン ひた・す し・みる すす・む ようやく(日本語だけ)やや ようよ・う
意味
「ゼン」には二つの旧字があるようで、意味が2種類に分かれます。
㊀①ひたす。しみる(しむ)。じわじわとしみこむ。②川が流れ流れて、ついに海にはいりこむ。
㊁①すす・む。じわじわと進む。少しずつ進む。②ようやく(やうやく)。少しずつ。次第に。じわじわと。③川の名。今の浙江(セッコウ)のこと。漸水(セ゛ンスイ)。④周易の六十四卦(カ)の一つ。⑤姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(訓読み)やや ようよ・う
(名付)つぐ すすむ
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「漸」の音読みは「ゼン」です。訓読みに「ひた・す」「し・みる」「すす・む」「ようやく」の四つがあり、日本語の訓読みに「やや」「ようよ・う」の二つがあります。
意味は合わせて7つです。
ひとつは、この漢字の姓があります。漸さんがいらっしゃるということですね。
㊀①この意味を持つ言葉に「漸漬(セ゛ンシ):ゆっくりしみこむ」があります。類義語は、「滲(シン)」・「浸」です。
㊁①の意を持つ「東漸(トウゼン):しだいに東へ進む。」という言葉があるようですね。
㊁②には対語は「急」「激」、類義語は「稍(ヤヤ)」・「寖(ヨウヤク)」です。「漸進(セ゛ンシン):少しずつ進む」という言葉が存在します。
それでは、漸の書き順をみましょう。
画数は14画ですが、さんずいと車と斤を順に書けば出来上がり!そんなに難しい書き順ではありません。
もっと詳しく知ろう!漸の漢字としての由来や成り立ち
漸の解字です。
漸=「斬(ザン 狭い隙間に割り込む)」+「水(みず)」(形声)。水が狭い隙間に徐々に(段々と)割り込んでいく状況を示す。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
斬(サ゛ン)は「車+斤(おの)」で、車に「おの」の刃をくいこませて切ることを表し、割れめにくいこむ⇒狭い隙間に割り込むとなったわけです。
漸は、そこから、水が狭い隙間に徐々に(段々と)割り込んでいく状況を示しているわけですね。
上記の意味にあった、「㊀①ひたす。しみる(しむ)。じわじわとしみこむ。」や「㊁①すす・む。じわじわと進む。少しずつ進む。」につながるんですな。
次の章では、「澗」のつく言葉を見てみましょう。
漸のつく言葉
漸のつく言葉にはどんなモノがあるでしょうか。
漸のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
漸漬 | セ゛ンシ | ①次第に水がしみこむ。②だんだんにそうなっていく。「民、漸漬悪俗=民、悪俗に漸漬す」〔漢書・礼楽志〕 |
漸次 | セ゛ンシ゛ | だんだん。次第に。 |
漸進 | セ゛ンシン | だんだんに進む。《対語》急進。 |
漸染 | セ゛ンセン | ①だんだんそまる。②次第に感化される。 |
漸漸 | セ゛ンセ゛ン | ①次第に。おもむろに。②麦がじわじわとのびるさま。麦の穂の出そろったさま。③山の岩石の高くけわしいさま。▽嶄(サ゛ン)に当てた用法。 |
漸騰 | セ゛ントウ | 《日本語での特別な意味》物価が少しずつ上がる。《対語》漸落。 |
漸摩 | セ゛ンマ | 水にひたしたり、砥石(トイシ)でみがいたりするように、次第に善良になっていくこと。 |
漸落 | セ゛ンラク | 《日本語での特別な意味》物価が少しずつ下がる。《対語》漸騰。 |
漸入佳境 | ヨウヤクカキョウニイル | 《故事》①次第によい所にはいっていく。▽晋(シン)の顧之(コカ゛イシ)が甘蔗(カンショ)(さとうきび)を食うとき、末の方から、あまい根元の方へ食い進むので、人がそのわけをたずねたときに答えたことば。②転じて、物事が次第におもしろくなること。 |
そこそこの数の言葉が見つかりました。
見たことがない言葉ばかりですなあ!
次は、名前での使われ方を見ていきます。
名前での使われ方
60爺の思惑に反して、「漸」は人名漢字なんですよ!そういえば、「漸の読み方と意味」の中で「名付」に「つぐ」と「すすむ」がありました。
そうは言っても、この文字は女の子には向きませんよね!
とはいえ、男の子の名前としても候補はそう多くありません。
漸次郎(ぜんじろう)、漸三(ぜんぞう)、漸之介(ぜんのすけ)等、一昔前の名前の候補が多く、お勧めできるのは、漸(すすむ)、吉漸(よしつぐ)位ですかねエ。
名前の候補が思いのほか少ないので、「漸」のつく苗字も見てみましょう。最初にやるのは、「漸」一文字の苗字ですが、残念、存在しないようです。
そこで、漸に他の漢字をつけた苗字を探したところ、次の名字がありましたよ。
【名字】漸田
【読み】ようだ、よりた
【全国順位】 74,127位
【全国人数】 およそ10人
参考資料 名字由来net
おおー!漸田と書いて「ようだ」「よりた」と読ませるんですね。人数は「およそ10人」と少数民族です。順位は74,000番台です。
群馬県に全て住んでらっしゃるようです。
他にも、漸に別の漢字をつけた苗字はあるか見てみましょう。
- 漸井(ささい):【全国順位】 37,878位【全国人数】 およそ70人
- 東漸(とうぜん):【全国順位】 76,759位【全国人数】 およそ10人
うむむ、2つしか見つかりませんでした!漸を「ささ」、「ぜん」と読んでいます。
漸井さんは70人、東漸さんは10人と漸田さんと同じく、あまり見ない苗字のようですね~!
最後に
さんずいに斬るといえば漸ですが、この漢字について述べてきました。
主な意味は、「ひたす。しみる(しむ)。じわじわとしみこむ。」と「すす・む。じわじわと進む。少しずつ進む。」でしたね。
見たことはありますが、あまり日常的には見ない漢字かなと思います。この漢字のつく言葉は、たくさんありましたが、どうも、知らないモノばかりでしたね。
名前には使えるものの、うーん、あんまり人気のある漢字でもなさそうですし、女の子には向かない漢字でした。
※気づけばさんずいの記事も増えてきました
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