さんずいに斬ると書いて漸!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集

2023年9月7日

「漸く」という言葉があります。読めますか?

60爺

「しばらく」かと思いましたが、「ブー!」外れです。

正解は、記事の中で見ていただければと思うのですが、この「漸く」の「漸」ですが、さんずいに斬ると書く漢字じゃないですか。シリーズでやっているモノの一つですよ!

この流れから行けば、さんずいに斬の「漸」について、いつもやっているように、読み方から意味・苗字での使い方まで総特集していかねばなりますまい!

どうか、ご一緒にその結果をご覧下さいませ。

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さんずいに斬といえば漸!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

最初に、漸の意味と読み方を明確にしましょう。

漸の読み方と意味

画数 :14画
音訓:ゼン ひた・す し・みる すす・む ようやく(日本語だけ)やや ようよ・う
意味

「ゼン」には二つの旧字があるようで、意味が2種類に分かれます。

㊀①ひたす。しみる(しむ)。じわじわとしみこむ。②川が流れ流れて、ついに海にはいりこむ。
㊁①すす・む。じわじわと進む。少しずつ進む。②ようやく(やうやく)。少しずつ。次第に。じわじわと。③川の名。今の浙江(セッコウ)のこと。漸水(セ゛ンスイ)。④周易の六十四卦(カ)の一つ。⑤姓の一つ。
日本語だけの味・用法
(訓読み)やや ようよ・う
(名付)つぐ すすむ

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

「漸」の音読みは「ゼン」です。訓読みに「ひた・す」「し・みる」「すす・む」「ようやく」の四つがあり、日本語の訓読みに「やや」「ようよ・う」の二つがあります。

意味は合わせて7つです。

60爺

ひとつは、この漢字の姓があります。漸さんがいらっしゃるということですね。

㊀①この意味を持つ言葉に「漸漬(セ゛ンシ):ゆっくりしみこむ」があります。類義語は、「滲(シン)」・「浸」です。

㊁①の意を持つ「東漸(トウゼン):しだいに東へ進む。」という言葉があるようですね。

㊁②には対語は「急」「激」、類義語は「稍(ヤヤ)」・「寖(ヨウヤク)」です。「漸進(セ゛ンシン):少しずつ進む」という言葉が存在します。

それでは、漸の書き順をみましょう。

画数は14画ですが、さんずいと車と斤を順に書けば出来上がり!そんなに難しい書き順ではありません。


もっと詳しく知ろう!漸の漢字としての由来や成り立ち

漸の解字です。

漸=「斬(ザン 狭い隙間に割り込む)」+「水(みず)」(形声)。水が狭い隙間に徐々に(段々と)割り込んでいく状況を示す。

引用 上級漢和辞典 漢字源 学研

斬(サ゛ン)は「車+斤(おの)」で、車に「おの」の刃をくいこませて切ることを表し、割れめにくいこむ⇒狭い隙間に割り込むとなったわけです。

漸は、そこから、水が狭い隙間に徐々に(段々と)割り込んでいく状況を示しているわけですね。

上記の意味にあった、「㊀①ひたす。しみる(しむ)。じわじわとしみこむ。」や「㊁①すす・む。じわじわと進む。少しずつ進む。」につながるんですな。

次の章では、「澗」のつく言葉を見てみましょう。

漸のつく言葉

漸のつく言葉にはどんなモノがあるでしょうか。

漸のつく言葉読み意味
漸漬セ゛ンシ①次第に水がしみこむ。②だんだんにそうなっていく。「民、漸漬悪俗=民、悪俗に漸漬す」〔漢書・礼楽志〕
漸次セ゛ンシ゛だんだん。次第に。
漸進セ゛ンシンだんだんに進む。《対語》急進。
漸染セ゛ンセン①だんだんそまる。②次第に感化される。
漸漸セ゛ンセ゛ン①次第に。おもむろに。②麦がじわじわとのびるさま。麦の穂の出そろったさま。③山の岩石の高くけわしいさま。▽嶄(サ゛ン)に当てた用法。
漸騰セ゛ントウ《日本語での特別な意味》物価が少しずつ上がる。《対語》漸落。
漸摩セ゛ンマ水にひたしたり、砥石(トイシ)でみがいたりするように、次第に善良になっていくこと。
漸落セ゛ンラク《日本語での特別な意味》物価が少しずつ下がる。《対語》漸騰。
漸入佳境ヨウヤクカキョウニイル《故事》①次第によい所にはいっていく。▽晋(シン)の顧之(コカ゛イシ)が甘蔗(カンショ)(さとうきび)を食うとき、末の方から、あまい根元の方へ食い進むので、人がそのわけをたずねたときに答えたことば。②転じて、物事が次第におもしろくなること。

そこそこの数の言葉が見つかりました。

60爺

見たことがない言葉ばかりですなあ!

次は、名前での使われ方を見ていきます。

名前での使われ方

60爺の思惑に反して、「漸」は人名漢字なんですよ!そういえば、「漸の読み方と意味」の中で「名付」に「つぐ」と「すすむ」がありました。

そうは言っても、この文字は女の子には向きませんよね!

とはいえ、男の子の名前としても候補はそう多くありません。

漸次郎(ぜんじろう)、漸三(ぜんぞう)、漸之介(ぜんのすけ)等、一昔前の名前の候補が多く、お勧めできるのは、漸(すすむ)、吉漸(よしつぐ)位ですかねエ。

名前の候補が思いのほか少ないので、「漸」のつく苗字も見てみましょう。最初にやるのは、「漸」一文字の苗字ですが、残念、存在しないようです。

そこで、漸に他の漢字をつけた苗字を探したところ、次の名字がありましたよ。

【名字】漸田
【読み】ようだ、よりた
【全国順位】 74,127位
【全国人数】 およそ10人

参考資料 名字由来net

おおー!漸田と書いて「ようだ」「よりた」と読ませるんですね。人数は「およそ10人」と少数民族です。順位は74,000番台です。

群馬県に全て住んでらっしゃるようです。

他にも、漸に別の漢字をつけた苗字はあるか見てみましょう。

  • 漸井(ささい):【全国順位】 37,878位【全国人数】 およそ70人
  • 東漸(とうぜん):【全国順位】 76,759位【全国人数】 およそ10人

うむむ、2つしか見つかりませんでした!漸を「ささ」、「ぜん」と読んでいます。

漸井さんは70人、東漸さんは10人と漸田さんと同じく、あまり見ない苗字のようですね~!

最後に

さんずいに斬るといえば漸ですが、この漢字について述べてきました。

主な意味は、「ひたす。しみる(しむ)。じわじわとしみこむ。」と「すす・む。じわじわと進む。少しずつ進む。」でしたね。

見たことはありますが、あまり日常的には見ない漢字かなと思います。この漢字のつく言葉は、たくさんありましたが、どうも、知らないモノばかりでしたね。

名前には使えるものの、うーん、あんまり人気のある漢字でもなさそうですし、女の子には向かない漢字でした。

※気づけばさんずいの記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら