11月の別名も他の月に劣らず膨大な名称!内容調査も大忙し
さてさて、毎月のように、月の異名を紹介した記事をシリーズ化していますが、6ヶ月目に到達です。
今月は「11月の別名」をご紹介します。これで、半年分が出来上がるということですな。
今回の調査も大変でしたが、慣れが出てきた感じです。
月の異名の記事では、「11月の異名」の別名として6つの名称を挙げています。
今回の記事では、「6月~10月の別名」の記事と同様、さらに一歩踏み込んで別名を捜しています。そうしたら、この月のも膨大な数を探し出すことができました。
さあ、今月も、11月の異名にどんなものがあるのか見ていってください。
11月の異名は
11月の別名というと、その異名である和風月名(旧暦の月の和風の呼び名)を思い浮かべる方が大多数でしょう。
ですから、別名に行く前に、まず、11月の和風月名を見ておきます。
11月の異名(和風月名)は?
霜月 しもつき
その由来は次の通りです。
- 『奥義抄』にある「霜しきりにふるゆえに、霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」が定説となっている。
参考:月の異名を一覧で確認する!それらの由来・別名・覚え方などを大特集
11月の別名は?
それでは、11月の別名(霜月は除きます)を見ていきましょう。
11月の別名は?
次のように、とんでもない数が出てきましたね~。何と58もの別名が出てきましたよ!
一陽、芸生、雲半、鴨月、黄鐘、会星、革月、神楽月、葭月、神帰月、神来月、建子月、辜、広寒、広寒月、辜月、朔易、三至、子月、十一月、霜降月、霜見月、周正、章月、正冬、新陽、星紀、盛冬、千月、霜辰・霜晨、霜天、相天、霜朝、大雪、達月、短至、仲冬・中冬、暢月、露隠月、露隠葉月・露隠端月、天正月、天泉、冬半、日凍、子、子の月、半冬、畢辜、肥冬、氷壮、風寒、復月、雪待月、雪見月、陽月、陽復、六呂、竜潜月
10月よりは1つ少ないですね。
参考:十一月霜月(しもつき)
やはりというか、11月の別名も、かなりの数が見つかりましたよ。
それでは、これらの別名について、由来を見つけられるか、辞書等に載っているか、調査した結果をご報告します。
「11月の別名」の由来等が判明したモノ
辞書及びネットで由来や11月の別名であると確認できた別名を一覧にしました。
かなりの数がありますよ!
別名 | 読み | 意味 |
---|---|---|
黄鐘 | おうしき・おうしょう・こうしょう | 冬至がある始まりの月がこう呼ばれた。本来は中国音楽で音律の基本となる音。 |
神楽月 | かぐらづき | 11月は神楽が行われる月であることから |
葭月 | かげつ | 陰暦11月の異称。「辜=罪」で罪を祓う月の意か? |
神帰月 | かみかえりづき・しんきづき | 10月に出雲大社に集まった神様は11月になると全国各地に帰っていきます。そのため、11月を神が帰る月と称します。 |
神来月 | かみきづき | 10月に出雲大社に集まった神様は11月になると全国各地に帰っていきます。そのため、11月を神が帰る月と称します。 |
建子月 | けんしげつ | 北斗七星の取っ手にあたる部分が北を向いています。十二支の最初は「子」の位置は方角でいえば北であることから |
広寒月 | こうかんげつ | 陰暦11月の異称 |
辜月 | こげつ | 陰暦11月の異称 |
朔易 | さくい・さくえき | 「朔」は、ついたち=始まり、「易」は変化を表わす |
三至 | さんし | 冬至のこと。ここから陰暦11月の異称になったと思われる |
子月 | しげつ | 北斗七星の取っ手にあたる部分が北を向いています。十二支の最初は「子」の位置は方角でいえば北であることから |
霜降月 | しもふりづき | 昔の11月は霜の降りる頃の時期。また、地域によってはすでに霜が降りてきて、それを眺める月 |
霜見月 | しもみづき | 昔の11月は霜の降りる頃の時期。また、地域によってはすでに霜が降りてきて、それを眺める月 |
周正 | しゅうしょう・しゅうせい | 古代中国(夏・殷・周)の暦で用いられた三正(夏正・殷正・周正)の一つで冬至を含む月 |
星紀 | せいき | 陰暦一一月の異称。古代中国で天の赤道を一二次に区分した一つ。 |
盛冬 | せいとう | 冬のさなか。冬の寒いさかり。真冬。ここから陰暦11月の呼称になったのでしょうか |
霜辰・霜晨 | そうしん | 霜の降りた朝を指すことから陰暦11月の呼び名となったのでしょうか |
霜天 | そうてん | 霜の降りそうな空から陰暦11月の呼び名となったのでしょうか |
霜朝 | そうちょう | 霜のおりた朝から陰暦11月の呼び名となったのでしょうか |
大雪 | たいせつ | 二十四節気の第21。十一月節(旧暦10月後半から11月前半) |
短至 | たんし | 冬至を指すことから陰暦11月の異称になったと思われる |
仲冬・中冬 | ちゅうとう・なかのふゆ | 陰暦では、10月から12月が「冬」になります。このため、11月である「霜月」が、冬の真ん中の月になるため「仲冬」とも呼ばれます |
暢月 | ちょうげつ | のんびりと過ごせる月? |
露隠月 | つゆごもりづき | 露は凍って霜になり姿を消すため、露隠の葉月から来た言葉かもしれません |
露隠葉月・露隠端月 | つゆごもりのはづき | 同上 |
天正月 | てんしょうがつ | 旧暦11月の異称。 |
冬半 | とうはん | 陰暦では、10月から12月が「冬」になります。このため、11月が、冬の半分に当たるため「冬半」とも呼ばれたのでしょうか |
子 | ね | 下記参照 |
子の月 | ねのつき | 古代中国では冬至を含む月に、北斗七星の取っ手の先が真下(北の方角)を指すため、「子の月(ねのつき)」とした |
半冬 | はんとう | 冬半と同じ理由と思われる |
畢辜 | ひっこ | 「畢=終わる」、「辜=罪」から穢れを祓い新年を迎えるの意か? |
氷壮 | ひょうそう | 「壮」は活力に溢れたの意なので、氷が盛んになる月の意か? |
風寒 | ふうかん | 陰暦一一月の異称 |
復月 | ふくげつ | 冬至は「一陽来復」(陰が極まって再び陽が増していくという考え)と呼ばれる。 この言葉の「復」をとって、旧暦11月のことを「復月」ともいう |
雪待月 | ゆきまちづき | 本格的な冬が来る前の、間もなく来るであろう雪を待つ月 |
雪見月 | ゆきみづき | すでに降る雪を眺めて過ごす月 |
陽月 | ようげつ | 陰暦一〇月の異称。陰がきわまって陽を生じる月という。 |
陽復 | ようふく | 冬至は「一陽来復」(陰が極まって再び陽が増していくという考え)と呼ばれる。 ここから「陽」と「復」をとって、旧暦11月のことを「陽復」ともいう |
六呂 | りくりょ・りくろ | 陰暦一一月の異称 |
竜潜月 | りゅうせんづき | 竜の冬眠する月と考えている方もおるようです |
11月の別名では、10月に比べ10多い40の別名の確認を取ることが出来ました。
色々な説明があるものですね。
由来も不明、辞書にもない別名
残念ながら、由来も辞書にも載っていない別名が18ありました。
一陽(いちよう)、芸生(うんせい)、雲半(うんはん)、鴨月(おうげつ)、会星(かいせい)、革月(かくげつ)、辜(こ・しもつき)、広寒(こうかん)、十一月(しもつき)、章月(しょうげつ)、正冬(しょうとう)、新陽(しんよう)、千月(せんげつ)、相天(そうてん)、達月(たつげつ)、天泉(てんせん)、日凍(にっとう)、肥冬(ひとう)
それでも、10月の33に比べて15も減少しました。
月の異名について
11月霜月の別名を見て来ました。
こちらの名称も、自然とつながったモノが多く、昔の人は自然と寄り添って大切にしてきたことが伺えます。
さて、11月の霜月以外の月にも、当然、和風月名と言われる名称が付いていますよ。
そんな、月の異名の一覧です。
月 | 異名 | 読み方 | 由来 |
---|---|---|---|
1月 | 睦月 | むつき | ■正月に一家がなごやかに「むつみあう」日を送るところから。 ■「生む月」の説もある。 |
2月 | 如月 | きさらぎ | ■寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので、「衣更着(きさらぎ)」。 ■「草木張月(くさきはりづき)」が転じたなども。 |
3月 | 弥生 | やよい | ■春の暖かい陽気に恵まれて、全ての草木が「彌生(いやお)い」茂る月の意で、これが詰まって「やよい」になったとされる。 |
4月 | 卯月 | うづき | ■旧暦四月頃に卯の花が盛りになることから。 ■稲種を植える月から、「植月(うづき)」 ■十二支の4番目の卯の説 |
5月 | 皐月 | さつき | ■早苗を植える月であることから。「早苗月」と称したのを略して「さつき」になったとされる |
6月 | 水無月 | みなづき | ■酷暑で日照りが続き、深山の水まで枯れ尽くすことから。 ■水を田に注ぐ月の意から「水張り月」「水月(みなづき)」が転じた。 |
7月 | 文月 | ふみづき | ■七夕の織姫に書文(ふみ)を供えることから。 ■稲穂のふくらむ月ということで、「ふくみ月」が転訛したという説 |
8月 | 葉月 | はづき | ■葉の落ちる月、「葉落月」から。 ■初めて雁が飛来するので、「初来月(はつきづき)」から ■稲の穂の張る月で「稲張月(ほはりづき)」を略した説。 |
9月 | 長月 | ながつき | ■「夜長月」の略が一般的。 ■「稲刈り月」の転訛。 ■九月は長雨の季節なので「長雨月」を略した。 |
10月 | 神無月 | かんなづき | ■諸神が出雲大社に集まり、諸国の神々が留守になることから「神なき月」が転訛したもの。 ■「神嘗月」や「神の月」が転訛した。 |
11月 | 霜月 | しもつき | ■『奥義抄』にある「霜しきりにふるゆえに、霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」が定説となっている。 |
12月 | 師走 | しわす | ■12月は僧(師)を迎えて経を読ませるため、「師が走る」ことからが定説。 ■「歳極(としはつ)月」または「成し終わる月」が転訛した。 |
次の記事で、これらの各月の月の異名と別名、そして、60爺の考案した「月の異名の覚え方」などを解説しています。
先人たちがいろいろ考えてくれた、月の異名の覚え方をまとめた記事です。あなたに合った覚え方がきっと見つかります。
最後に
11月の別名をたくさん見てきました。
毎月毎月、多くの別名があって大変ですが、だいぶ慣れましたよ。
今回は10月に比べ、由来等が見つからない別名はかなり減少しましたね。
次回は、12月師走の別名について調べます。半年やってきたので残るは6ヶ月なので頑張るぞ!
■思えば月の別名も増えたものです。
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