竹冠に前で「箭」!読み方から意味・苗字での使われ方まで総特集
吉川英治の「三国志」ですが、昔は良く読んだものです。この中には、当然、戦のシーンが多く、いろいろな武器が登場します。
「・・弓、石火箭などの技術は、彼らのよくするところで・・」という文章があるんですが、太字にした部分が気になりました。
何と読むのでしょうか?
この後ろの文字である「箭」、竹冠に前と書く漢字です。60爺の続けている漢字記事にピッタリですね。
そこで、今回は、竹冠の漢字(竹冠は初登場です!)、竹冠に前と書く「箭」について、読み方から意味・書き順、そして、苗字での使い方まで総特集しようと思います。
それでは、ご一緒に内容を見に行きましょう~。
竹冠に前で「箭」!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、竹冠に前で「箭」の意味と読み方を明確にしましょう。
竹冠に前で「箭」の読み方と意味
箭
画数 :15画
音訓:セン や(日本語だけ)やだけ
意味
①{名詞}や。長さや太さをそろえてつくったや。▽もと、中国の函谷関から西の方言。②{名詞}や。水どけいの目盛りを指すや。また、転じて、時刻のこと。③竹の名。イネ科タケ亜科センチク(箭竹)属の多年生常緑竹。四川・湖北などに分布。パンダが好んで食う。たけのこは食用になる。センチク(箭竹)。④姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(訓読み)やだけ
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「箭」の音読みは「セン」で、訓読みは「や」です。日本語だけの訓読みに「やだけ」があります。
意味は4つあります。
最後に「姓の一つ」があるので、「箭」さんがいるんですよ!
「や」という意味が①、②とあり、武器である「や」と、水どけいの目盛りの「や」です。後者は、自国のことも指します。
①には「弓箭(キュウセン):{弓矢(キュウシ)}弓と矢。」という言葉あります。
③は竹の名称ですね。センチク(箭竹)のことです。
この漢字の書き順を見てみましょうか。
この漢字の書き順は、竹に前と書きます。普通に書けば、間違える箇所はないと思います。
もっと詳しく知ろう!箭の漢字としての由来や成り立ち
箭=「前(セン 揃える)+竹(たけ)」(形声)です。
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
箭と矢の違いを見ておきましょう。
「箭」は「矢」の古い呼び方で、竹製の弓の矢を意味しています。一方、「矢」は、木材や金属などを使って作られるものも含んでいるんですよ。
- 箭:長さをそろえて切った、や
- 矢:形がまっすぐである、や
箭のつく言葉
この章では、箭のつく言葉をみていきたいと思います。
箭のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
箭幹 | センカン | {箭竿・箭簳}矢の柄。 |
箭眼 | センガン | {箭窓(センソウ)}矢を射るために城のものみやぐらなどに設けた小さな窓。 |
箭書 | センショ | 矢に結びつけて射て送る文書。矢ぶみ。 |
箭鏃 | センゾク | 矢じり。 |
箭箙 | センプク | 矢をそろえて入れておく筒。えびら。 |
参考 上級漢和辞典 漢字源 学研、広辞苑
5つの言葉が出て来ましたが、現代では縁のない言葉だと思います。
皆さんも、これらの言葉を聞いたことはないでしょう。
次の章では、「箭」を使った苗字についてを簡単に述べておきます。
箭を使った苗字について
竹冠に前と書く箭は人名漢字ではありません!このため、名前に使うことが出来ないんですよ~。
名前が付けられないときは苗字ということで、「箭」のつく苗字を見てみます。
最初に、「箭」一文字の苗字があるのか見てみました。しかし、どうやら、この苗字は存在しないようですな。
そこで、「箭」に別の漢字をつけた苗字を探すと、かなりの苗字が見つかりました。その中から、「箭中」さんを紹介します。
【名字】箭中
【読み】やなか
【全国順位】 71,928位
【全国人数】 およそ10人
参考資料 名字由来net
全国人数、およそ10人。順位は71,928位で、かなり下位の方ですな。
主に神奈川県戸塚区、南区に在住されているようです。
その他の苗字をザっと挙げておきます。
板箭(いたや)、一箭(いちや)、勝箭(かつや)、島箭(しまや)、溜箭(たまるや)、俵箭(たわらや)、根箭(ねや)、花箭(はなや)、古箭(ふるや)、箭柏(やがしわ)、箭柄(やがら)、箭川(やがわ)、箭子(やこ)、箭崎(やざき)、箭島(やじま)、箭竹(やたけ)、箭田(やだ,やた)、箭頭(やとう)、箭内(やない)、箭中(やなか)、箭波(やなみ)、箭野(やの)、箭代(やのしろ)、箭筈(やはず)、箭引(やびき)、箭吹(やぶき)、箭本(やもと)
かなりの苗字が出て来ました。読みは「や」ですね。
なお、箭内ですが、「やない」の他にも次の読み方があるんですね。
やうち,やんない,やのうち,やなうち,せんない,せんうち,せんなか,ぜんない,せない
参考資料 名字由来net
最後に
竹冠に前で箭の読み方と意味等について述べてきました。竹冠の漢字は初登場です。
意味は「姓」の他に3つ。武器の「や」、水時計の「や」、それから、パンダも食べるセンチクでした。
普通は、この箭より矢を使いますね。
この箭を使った言葉、5つほど紹介しましたが、現代にはなじみのないモノでした。
■竹冠の漢字として「竹冠に馬」で記事を書いています
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