山冠に鳥で「嶌」!読み方から意味・苗字での使われ方まで総特集
随分前になりますが、草冠に鳥で蔦という漢字の記事をアップしました。そして、最近、路に鳥で鷺という漢字の記事をアップしています。
○○に鳥という漢字は、他にもいっぱいあることに気づき、今回も、同様の漢字で記事を書きます。
さて、○○に鳥の○○には何が入るでしょうか?
今回は、山冠に鳥の嶌と書く漢字です。
それでは、山冠の漢字(山冠も、先日の竹冠に続き初登場です!)、山冠に鳥と書く「嶌」について、読み方から意味・書き順、そして、苗字での使い方まで総特集しようと思います。
それでは、ご一緒に内容を見ていきましょう。
山冠に鳥で「嶌」!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、山冠に鳥で「嶌」の意味と読み方を明確にしましょう。
山冠に鳥で「嶌」の読み方と意味
嶌
画数 :14画
音訓:トウ しま
意味
①{名詞}しま。海や湖の中のしま。「島嶼(トウショ)」②姓の一つ。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
この漢字「嶌」ですが、実は「島」の異体字※なんです。余り、「嶌」を見た記憶がないのは、そのせいなんですな。
異体字※
引用 コトバンク 異体字
漢字の字体のうち標準字体以外のもの。異体文字、別体字、変体字ともいう。広義の・・・通常は漢字のみをさす。異体字の分類は諸家によりかならずしも一定しないが、(1)略字(字画を省略したもの。暦・歴→厂、幅→巾など)、(2)合字(2字を合成したもの。麻+呂→麿、菩+薩→など)、(3)分字(1字を2字に分割したもの。米→八木など)、(4)古字(古文ともいう。篆(てん)書以前の古体字。礼のように常用漢字に採用されているものもある)、(5)俗字(世間に通用している正式でない字体。曜→など)、(6)譌(か)字(誤字と認められるもの)などが考えられる。
「嶌」の音読みは「トウ」で、訓読みは「しま」です。
意味は2つあります。
ひとつは「姓の一つ」があるので、「嶌」さんがいるんですよ!
一つは、海や湖の中にある「しま」ですね。類義語に「嶼(ショ):小島」があります。
この意で「島嶼(トウショ):島。また、大小の島々。▽「嶼」は、小さい島。」という言葉あります。
この漢字の書き順を見てみましょうか。
この漢字の書き順は、山に鳥と書きます。鳥の書き順に不安はないですよね。もし、あるようでしたら、ここで、ご確認をしておきましょう。
合わせて、標準字体の「島」の書き順も載せておきます。こちらは、嶌から「山」を省き、鳥の点4つの代りに山を書く漢字です。
次に、嶌の由来・成り立ちを見ておきます。
もっと詳しく知ろう!嶌の漢字としての由来や成り立ち
嶌=「鳥(チョウ とり)+山(やま)」(形声)です。
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
鳥が止まる海上の山を示した図形を表します。
周囲が水に囲まれた陸地のことですね。即ち、「しま」のことです。
嶌のつく言葉
嶌のつく言葉にはどんなモノがあるでしょうか。嶌は異体字であるため、代わりに標準字体である「島」がつく言葉を一覧にします。
島のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
島田篁村 | シマタ゛コウソン | 《人名》《日本語での特別な意味》1838〜98 江戸時代末期から明治時代の漢学者。名は重礼、字(アサ゛ナ)は敬甫(ケイホ)、篁村は号。江戸にうまれた。東京帝国大学教授。清(シン)朝考証学、漢文をよくした。『篁村遺稿』がある。 |
島夷 | トウイ | ①島に住む未開人。②中国の南北朝時代、北朝の人が南朝の人を卑しんでいったことば。 |
島影 | トウエイ | 島のすがた。 |
島嶼 | トウショ | 島。また、大小の島々。▽「嶼」は、小さい島。 |
参考 上級漢和辞典 漢字源 学研
4つの言葉が出て来ましたが最初は人名です。この方は存じません。
島影のみ、聞いたことがあるような・・・。
次の章では、「嶌」を使った苗字についてを簡単に述べておきます。
嶌を使った苗字について
山冠に鳥と書く嶌は人名漢字ではありません!このため、名前に使うことは出来ないんです。
そういう時は苗字ということで、「嶌」のつく苗字を見てみます。
最初に、「嶌」一文字の苗字があるのか見てみました。すると、この苗字が存在していることが判明しました。
【名字】嶌
【読み】しま
【全国順位】 13,241位
【全国人数】 およそ460人
参考資料 名字由来net
全国人数、およそ460人。順位は13,241位です。ここで、取り上げている名字では数が多い方です。
珍しく、解説が載っていて、関連姓に「島」や「嶋」や「志」摩等があることが記されていました。
都道府県別に、どの位の人数がいるか見てみます。
都道府県 | 人数 |
---|---|
滋賀県 | およそ90人 |
大阪府 | およそ80人 |
東京都 | およそ50人 |
静岡県 | およそ40人 |
京都府 | およそ30人 |
参考資料 名字由来net
4都府県で、およそ290人ですから、全国人数の63%ですね。他の道府県に170名が散らばっていることになります。
嶌に他の漢字を付けた苗字はかなりたくさんありますので、その一部を紹介します。
青嶌(あおしま)、池嶌(いけじま,いけしま)、一嶌(いちしま,いちじま)、上嶌(うえしま,うえじま,かみしま,かみじま)、柿嶌(かきしま)、鹿嶌(かしま,かじま)、椛嶌(かばしま)、鬼嶌(きじま)、草嶌(くさじま)、桑嶌(くわしま,くわじま)、嶌浦(しまうら)、嶌越(しまこし)、嶌田(しまだ)、嶌本(しまもと)、菅嶌(すがじま,すがしま)、丹嶌(たんじま)、外嶌(としま)、仲嶌(なかじま,なかしま)、鍋嶌(なべしま)、濱嶌(はまじま)、藤嶌(ふじしま)、間嶌(ましま)、宮嶌(みやじま)、谷嶌(やじま)
かなりの苗字が出て来ました。読みは「しま」ないし「じま」です。変わった読み方はないですね。
つくりに鳥のある漢字
さて、漢字は種類が山のようにありますが、つくりに「鳥」が入っているモノを眺めてみましょう。
漢字 | 部首 | 音読み | 訓読み | 主な意味 |
---|---|---|---|---|
蔦 | くさかんむり | チョウ | つた | つた。ブドウ科の植物。 |
嶋 | やまへん | トウ | しま | しま。四方が海や湖で囲まれた陸地。 |
嶌 | やまかんむり | トウ | しま | しま。四方が海や湖で囲まれた陸地。 |
㨶 | てへん | トウ | う・つ | うつ。たたく。砧(きぬた)の上に布をのせてたたく。 |
参考:「鳥」を構成に含む漢字
他に「鷺」や「鴨」などなど、鳥のつく漢字はありますが、つくりに鳥のある漢字は存外少ないですね。
草冠に鳥の蔦については、既にアップしていますよ。
また、鳥へんの漢字でしたが、路に鳥の鷺もアップ済です。
最後に
山冠に鳥で嶌の読み方と意味等について述べてきました。
山冠の漢字は初登場でしたね。
意味は「姓」の他に、「しま」の意のみでした。
この漢字は、嶌の異体字だったんですね。
この嶌を使った言葉、異体字なので、標準字体の「島」のモノを載せています。
※鳥が「部首」ないし「つくり」に入る漢字も増えてきました
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