12月の別名もまたもや莫大な数に!由来探しの多忙を楽しんだ
月に一度のお楽しみ、月の異名を紹介した記事をシリーズ化していますが、半数を過ぎ、ついに7ヶ月目を迎えることが出来ました。
今月は「12月の別名」の紹介です。1年の最後の月ですな。
今回の調査も大変でしたが、由来探しの多忙も楽しめるようになってきましたよ~。
月の異名の記事をみると、「12月の異名」には別名に5つの名称が載っています。
この度の記事においては、今までと同様、参考記事の別名を元に莫大な別名を得ることが出来ました。12月も、由来について楽しみながら探しましたよ。
シェアしますので、よーくご覧ください。
12月の異名は
さて、12月の異名というと和風月名(旧暦の月の和風の呼び名)を思い浮かべる方がほとんどだと考えます。
ですから、別名に行く前に、まず、12月の和風月名を見ておきます。
12月の異名(和風月名)は?
師走 しわす
12月の異名は有名ですので、ご存知の方が多数いらっしゃると思います。その由来も読んで字のごとしで、「聞かなくても言えるよ」とおっしゃられますかネ。
実は、次のように2つの説があるんですよ。
- 12月は僧(師)を迎えて経を読ませるため、「師が走る」ことからが定説。
- 「歳極(としはつ)月」または「成し終わる月」が転訛した。
一つ目を知っている方が大半かなと感じます。
参考:月の異名を一覧で確認する!それらの由来・別名・覚え方などを大特集
12月の別名は?
それでは、12月の別名(師走は除きます)を見ていきましょう。
12月の別名は?
次のように、とんでもない数が出てきましたね~。何と81もの別名が出てきましたよ!
殷正、丑の月、梅初月、黄冬、乙子月・弟子月、弟月、親子月、限月、下冬、嘉平、嘉平月、寒冬、季冬、窮陰、窮紀、急景、窮月、窮冬、極月、苦寒、暮古月、月窮、月迫、厳月、建丑月、厳冬、玄律、極冬、歳晩、歳闌、鑿氷、茶月、蜡月、三冬、残冬、三冬月、三余、四極、柊月、涂、小歳、除月、除、十二月、師馳、師趨、﨟月・臘月、清祀、歳暮、送窮、霜蟾、大呂、短景、雉雛、丑月、凋年、天晧、冬索、涂月、年積月、歳極月、年満月、年世積月、果ての月、春待月、晩月、晩冬、氷月、杪冬、暮歳、暮節、暮冬、末冬、三冬月、雪月、余月・餘月、栗烈、隆冬、臨月、冷月、﨟・臘
11月は58でしたから、なんと23も多くなりましたよ。
参考:十二月師走(しわす)
びっくり、歳の末のせいなのか、12月の別名は冒頭でいったように81個という莫大な数ですよ。
さーて、それでは、これら別名の由来ないし、辞書等に載っているか、調査した結果をご報告します。
「12月の別名」の由来等が判明したモノ
まずは、12月の別名であると確認できたモノを一覧にしましました。
どうぞ、ご覧ください!
別名 | 読み | 由来等 |
---|---|---|
殷正 | いんせい・いんしょう | 陰暦12月の異名。 |
丑の月 | うしのつき | 陰暦12月の異名。丑月(ちゅうげつ)。 |
梅初月 | うめはつづき | 春への期待が込められた意味 |
黄冬 | おうとう | 旧暦12月の異称 |
乙子月・弟子月 | おとごづき | 陰暦12月の異名。「乙子」は「末子」という意味で、陰暦12月を指す。 |
弟月 | おとづき・おとうづき・おととづき | 陰暦12月の異名。乙子月の略。「乙子」は「末子」という意味で、陰暦12月を指す。 |
親子月 | おやこづき | 1年の中でも星が最も輝いて見えるのは12月ということで、親の月とともに子の星も強く光っている |
限月 | かぎりづき・かぎりのつき | 1年の最後の月の意味 |
嘉平 | かへい | 陰暦一二月に行なわれた祭の名。臘祭(ろうさい)。転じて、一二月の異名。 |
嘉平月 | かへいげつ | 陰暦一二月に行なわれた祭の名。臘祭(ろうさい)。転じて、一二月の異名。 |
季冬 | きとう | 「三冬(さんとう)」(冬の三か月)の一つ。冬の末。晩冬。陰暦12月の異名。「季」は、四季の終わりを意味する。 |
窮陰 | きゅういん | 冬の末。陰暦12月の異名。陰気(天候が晴れ晴れしない)が窮極(究極)、きわまるという意味。 |
窮月 | きゅうげつ | (「窮」は、きわまる、最後の意) 陰暦一二月の異称。 |
窮冬 | きゅうとう | 冬もおしせまった時期。冬の末。陰暦一二月をさす。 |
極月 | きょくげつ・きわまりづき・きわまるつき・ごくげつ | 1年の最後の月の意味 |
苦寒 | くかん | 寒さに苦しむという意味 |
暮古月 | くれこづき | 年が改まる直前の月という意味なのでしょうか |
月窮 | げっきゅう | (「窮」は、きわまる、最後の意) 陰暦一二月の異称。 |
月迫 | げっぱく | 月の末になろうとしていること。特に一二月の末がさし迫っていることをいう。 |
厳月 | げんげつ | 12月は1年の終わりという意味 |
建丑月 | けんちゅうげつ | 北斗七星の取っ手の部分が丑の方角をさすことから |
厳冬 | げんとう | 冬の、寒さが最もきびしいころ。また、寒さのきびしい冬。そこから12月をしめす |
極冬 | ごくとう | 寒さの厳しい冬。冬の寒さの特に厳しいころ。ここから12月の異名となったか |
歳晩 | さいばん | 年のくれ。年末。 |
茶月 | さげつ | 茶道と深い関係にある仏教の開祖であるブッダが悟りを開いた月。陰暦12月8日が該当日 |
三冬 | さんとう | 冬の3番目 |
残冬 | ざんとう | 冬の終わり。ここから12月の意となったか |
三冬月 | さんとうづき・みふゆづき | 冬の3番目の月 |
三余 | さんよ | 読書に最もよいといわれる三つの時。冬(年の余)と、夜(日の余)と、雨降り(時の余)。 |
四極 | しきょく | 四季の果てる月であるところから |
柊月 | しゅうげつ | 柊の昨季節から |
涂 | じょ・しわす | 陰暦一二月の異称。 |
小歳 | しょうさい | 臘祭。臘(猟の獲物を祖先や神々に祀る中国の行事)が行われる月(冬至の後に来る3番目の戌の日)から |
除月 | じょげつ | 古い年を除くという意味 |
除 | しわす | 同上 |
師馳 | しわす | 経をあげるために師僧が東西を馳せ走る月 |
﨟月・臘月 | しわす・ろうげつ | 臘(猟の獲物を祖先や神々に祀る中国の行事)が行われる月(冬至の後に来る3番目の戌の日)から |
清祀 | せいし | 臘祭。臘(猟の獲物を祖先や神々に祀る中国の行事)が行われる月(冬至の後に来る3番目の戌の日)から |
歳暮 | せいぼ | 一年の終わりを指して |
送窮 | そうきゅう | 大晦日や正月晦日などに家の中の貧乏神を送り出し,福禄の神を迎えて一年の幸福と安寧を祈る行事 |
大呂 | たいりょ・たいろ | 陰暦12月の異名。 |
短景 | たんけい | 日が短いこと。短日。ここから12月の意になった? |
丑月 | ちゅうげつ | 陰暦12月の異名。丑の月(うしのつき)。 |
凋年 | ちょうねん | 暮れゆく年。 |
天晧 | てんこう | 空が明るく清らかであること。「晧」の字は「白」の意味も持つため、雪のイメージも感じさせる。 |
冬索 | とうさく | 冬枯れのあるつき |
涂月 | とげつ | 陰暦一二月の異称。 |
年積月 | としつみづき・としつもづき | 年が終わるのではなく、積み重なるという考えから生まれた12月の異称 |
歳極月 | としはすづき | 一年の最期、歳の終わりを指して |
年満月 | としみつづき | 年の終わり。 |
年世積月 | としよつむつき | 年が終わるのではなく、積み重なるという考えから生まれた12月の異称 |
果ての月 | はてのつき | 12月。 |
春待月 | はるまちづき | 春への期待が込められた意味 |
晩冬 | ばんとう | 冬の最後の月になるため |
氷月 | ひょうげつ | 雪や氷が見られる月 |
杪冬 | びょうとう | 陰暦12月の異称。 |
暮歳 | ぼさい | 一年の終わりを指して |
暮節 | ぼせつ | 重陽の節句の異称。陰暦十二月。 |
暮冬 | ぼとう | 晩冬のこと |
末冬 | まっとう | 末の冬。陰暦十二月のこと |
三冬月 | みふゆづき | 陰暦10月から続く、3番目の冬の月ということから |
雪月 | ゆきづき | 陰暦12月の異名。雪や氷が見られる月。 |
栗烈 | りつれつ | 寒さがきびしい。陰暦12月の異名。二の日(十二月)は栗烈 |
隆冬 | りゅうとう | 冬のさかり。まふゆ。厳冬。十二月の詞 |
﨟・臘 | ろう | 臘(猟の獲物を祖先や神々に祀る中国の行事)が行われる月(冬至の後に来る3番目の戌の日)から |
12月の別名は65個の内容を確認できましたぜ!11月に比べて25個も多いです。
こんなにあると覚えられませんよねエ。
由来も不明、辞書にもない別名
残念ながら、由来も辞書にも載っていない別名が16ありました。
下冬(かとう)、寒冬(かんとう)、窮紀(きゅうき)、急景(きゅうけい)、玄律(げんりつ)、歳闌(さいらん・せいらん)、鑿氷(さくひょう)、蜡月(さげつ)、十二月(しわす)、師趨(しわす)、霜蟾(そうせん)、雉雛(ちこう)、晩月(ばんげつ)、余月・餘月(よげつ)、臨月(りんげつ)、冷月(れいげつ[七月とする文献も]
それでも、11月の18に比べて2減少しました。
月の異名について
12月師走の別名を見て来ました。
上述したように81もの別名があり莫大な数でしたねエ。良く、こんなに別名を付けられるものです。
ここでは、和風月名と言われる名称を1年分見ていただきます。月の異名の一覧です。
月 | 異名 | 読み方 | 由来 |
---|---|---|---|
1月 | 睦月 | むつき | ■正月に一家がなごやかに「むつみあう」日を送るところから。 ■「生む月」の説もある。 |
2月 | 如月 | きさらぎ | ■寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので、「衣更着(きさらぎ)」。 ■「草木張月(くさきはりづき)」が転じたなども。 |
3月 | 弥生 | やよい | ■春の暖かい陽気に恵まれて、全ての草木が「彌生(いやお)い」茂る月の意で、これが詰まって「やよい」になったとされる。 |
4月 | 卯月 | うづき | ■旧暦四月頃に卯の花が盛りになることから。 ■稲種を植える月から、「植月(うづき)」 ■十二支の4番目の卯の説 |
5月 | 皐月 | さつき | ■早苗を植える月であることから。「早苗月」と称したのを略して「さつき」になったとされる |
6月 | 水無月 | みなづき | ■酷暑で日照りが続き、深山の水まで枯れ尽くすことから。 ■水を田に注ぐ月の意から「水張り月」「水月(みなづき)」が転じた。 |
7月 | 文月 | ふみづき | ■七夕の織姫に書文(ふみ)を供えることから。 ■稲穂のふくらむ月ということで、「ふくみ月」が転訛したという説 |
8月 | 葉月 | はづき | ■葉の落ちる月、「葉落月」から。 ■初めて雁が飛来するので、「初来月(はつきづき)」から ■稲の穂の張る月で「稲張月(ほはりづき)」を略した説。 |
9月 | 長月 | ながつき | ■「夜長月」の略が一般的。 ■「稲刈り月」の転訛。 ■九月は長雨の季節なので「長雨月」を略した。 |
10月 | 神無月 | かんなづき | ■諸神が出雲大社に集まり、諸国の神々が留守になることから「神なき月」が転訛したもの。 ■「神嘗月」や「神の月」が転訛した。 |
11月 | 霜月 | しもつき | ■『奥義抄』にある「霜しきりにふるゆえに、霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」が定説となっている。 |
12月 | 師走 | しわす | ■12月は僧(師)を迎えて経を読ませるため、「師が走る」ことからが定説。 ■「歳極(としはつ)月」または「成し終わる月」が転訛した。 |
これらの各月の月の異名の別名、その雑学や、60爺の考案した「月の異名の覚え方」などを解説した記事が以下のモノです。ポチッとしてください。
月の異名を覚えたい方には、こちらです。月の異名の覚え方を多数まとめています。あなたに合った覚え方がきっと見つかります!
最後に
12月の別名をたくさん見てきました。
今月は81と莫大な別名がありましたが、調べるのに、そんなに手間は取らなかった気がします。
そして、65もの由来等を見つけられました。8割に届きましたね。
だいぶ慣れてきました。残りは、1~5月です。頑張ってコンプリートを目指します。
次は、1月睦月の別名です。お楽しみに!
■思えば月の別名も増えたものです。
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