ベトナムの漢字表記は?当て字に見えるがしっかりした理由があった

今回の記事は、再び、国名の漢字シリーズです。前回アジアの大国であるインドを取り上げましたが、今回も引き続きアジアの国家です。

昔はアメリカとも戦争をし、なおかつ、アメリカに勝利した国ですね。

60爺

日本には余り馴染みがないように思えますが、観光に行かれる方も多いんですかね。

それでは、いつもやっているように、ベトナムの漢字表記と、その由来、そして、漢字一文字はどうなるかを確認していきましょう。

ご一緒に内容をご覧になってください。

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ベトナムの漢字表記は?

ベトナムの漢字表記は、どうなっているのか見てみましょう。

ベトナムの漢字表記は?

越南

ベトナムの漢字表記は「越南」です。

一見、当て字に見えるんですが、何をどうやっての表記なんでしょうか?

ベトナム社会主義共和国、通称ベトナムは、東南アジアのインドシナ半島東部に位置する社会主義国家で、首都はハノイです。2021年の人口は約9936万人でした。通貨はドンです。

インドシナ半島の東海岸をしめるベトナムの国土は、上図のように南北に長くなっており、北は中華人民共和国、西はラオス、南西はカンボジアと国境を接しています。

漢字表記と読み方

それぞれの漢字を見ていきます。

独逸を構成する漢字

 音)エツ 訓)こ・す
(日本語だけの意味・用法)「越南(ベトナム)」の略。

 音)ナン 訓)みなみ
日が当たり、暖気を取り込む方角。

この漢字の音読みを順につなげてみても、「ベトナム」には絶対なりませんなあ!

「エツ」+「ナン」⇒「エツナン」

何か聞いたことがあるような響きです。

「越」は、日本語だけの意味・用法ですが、『「越南(ベトナム)」の略。』だといっています。「中越紛争(ちゅうえつふんそう):中国とベトナムの紛争」なんて言葉が載ってます。


漢字の由来は?

ベトナムと表記が折り合わないんですが、当て字じゃないでしょうか。その由来を見ていくと、しっかりした歴史があったんですよ。

漢字の由来は?

「越南」はベトナム人自身が選択した字と語なんです!

阮朝の皇帝が、1804年に清の嘉慶帝から越南国王に封じられ、越南(ベトナム)国を正式の国号としたのが始まりです。

当初、阮朝は「南越」(南に越の国がある。この国は大きくて、南の天下を支配している)という国名にしようと考えたようです。

しかし、阮朝の領土的野心を警戒したのか、清朝から許された国号は「越南」(中国のはるか南方の僻地に越がある。さらにその南方にある国である)とされてしまいました。

元々、この「越」という漢字は、古代中国に国名として存在していたようです。

周の春秋時代まで遡ると、現在の中国は浙江省周辺に「越」という国がありました。都は「会稽」、今でいう浙江省紹興市ですが、当時は漢族とはことばも通じなかったそうです。

「臥薪嘗胆」で名を残した越王の勾践や、「呉越同舟(ごえつどうしゅう)」という四文字熟語を生んだ「越」を建国した諸越などの民族は、南下しつつ勢力を強め、越族とか京(キン)族と名乗るようになるんです。

「呉越同舟」:仲の悪い者同士でも同じ災難や利害が一致すれば、協力したり助け合ったりするたとえ
「呉越」:中国春秋時代の「呉」「越」という国があり、共に父祖以来の因縁の宿敵同士で、その攻防戦は三十八年に及んだといわれています。

漢字一文字で表わすと

この章では、ベトナムを1文字の漢字表記にすると、どんな表記かを見ていきます。

ベトナムの漢字一文字は?

ベトナムは漢字一文字で「」となります。

いつものように、上述した「越南」の一文字目の漢字ですね。

新聞などでは、ベトナム訪問は「訪越」、中国とベトナムは「中越」などと省略されます。

上記「漢字表記と読み方」では「中越紛争」なる言葉が出ていました。

次の章では、世界の国々ではドイツを何と呼んでいるのか見てみます。

世界での表記

ベトナムを世界の国々ではどう表記して、どう発音するのか見てみましょう。

言語スペル発音
英語Vietnamベトナム
ドイツ語Vietnamヴィエットナム
オランダ語Vietnamヴィエットナム
フランス語Viêt Namジェットナム
イタリア語Vietnamヴィエットナム
スペイン語Vietnamヴィエットナム
ポルトガル語Vietnãヴィエチョナン
スウェーデン語Vietnamベトナム
ノルウェー語Vietnamヴィエットナム
中国語(繁体)越南イエナン
中国語(簡体)越南イエナン
ロシア語Вьетнамヴィエットナム

ヨーロッパ各国のスペルを見ると、英語を含めて皆、似たスペルですな!合わせて、発音も似ていました。フランス語、ポルトガル語が特異でした。

スウェーデン語は英語と似た発音だったと思います。

中国語は繁体、簡体で同じ漢字「越南」でした。発音も、「イエナン」と聞こえました。でも、この漢字表記、日本と同じなんですが、由来からすると当然のようにも思えます。

ロシア語のスペルは、いつも言うように全然他言語と異なっています。でも発音は、やっぱりヨーロッパ各国に似ている音なんですよ。

最後に

ベトナムの漢字表記を確認してきました。

60爺

ベトナムに行きたいとは思いませんが……。

漢字表記ですが「越南」で当て字かとも見えますが、きちんとした歴史ある表記だったんですなあ。越の南にある国だったんですよ~!

ただ、この印度って、西遊記に登場する三蔵法師が最初に言い始めたと聞くと、「ほんとに当て字ですか?」という疑問もわいてきますよね。

西遊記では天竺まで旅をするという前提でしたが、昔の日本も印度ではなく天竺と読んでいたのを聞くと、何故変えたんだろという想いも出て来ました。

※思えば、国名の漢字も増えてきましたよ

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺