「つつがなく」とは?意味から漢字表記・類語など全部まとめて総特集
大昔の人々は、旅に出る方に向かって「つつがなく、いってらっしゃい」という言葉で送り出したと聞いたことがあります。
皆さんは、この「つつがなく」というを聞いたことがありますか。
現在の社会では、この言葉自体、余り使ったり聞く機会がないのではないでしょうか。
この記事では、「つつがなく」とは何なのか、その意味と漢字表記、そして類語などを、まとめて総特集します。
ご一緒に内容を見てやってください。
「つつがなく」とは何か?その意味を解説
最初に、「つつがなく」の意味をご覧ください。
「つつがなく」とは何か?
まずは、「つつがなく」の意味から。
ひとことで言うと「無事である」ですね!
「つつがない」=「つつが」+「ない」の形容詞が「つつがなく」です。
「つつが」とは、病気などの災難を言う語なんですよ。平安時代の源氏物語にも登場しています。
それが「ない」ことから、「病気・災難などがなく日を送る。」、「いつもと変わりなく平穏無事である。」といった意味なんですよ。
その他にも、次の意でも用いられます。
- 目標に向かって物事が進行している状況
- 予定通りに事が運んでいる状態
意味の最後に出た2つの意ですが、これは最近になって出てきたものでしょうか?国語辞典を見る限り、この意味は出ておりませんな。
まあ、平穏無事ということから、進捗状況に対して当てはめた形に見えますから、時代が変わると使用する語の意味も変わってくるものだと理解すればいいのでしょう。
解説だけでは心もとないので、以下に「つつがなく」をどう使うのか、例文を挙げておきます。内容をご覧になって、納得していただければ幸いです。
「つつがなく」の使い方
現代は余り手紙などは書かないでしょうが、冒頭の挨拶として次のように書くことができます。
・寒い日が続いておりますが、皆様つつがなくお過ごしください
・暑さ厳しき折、いかがお過ごしでしすか。おかげさまで、私共、つつがなく過ごしております
・季節の変わり目ですが、つつがなくお過ごしでしょうか
スケジュールやプロジェクトがうまく言った場合に使用する例です。
・初めての海外ライブも、つつがなく終わりを迎えられそうだ
・トラブルを心配した今回のプロジェクトも、つつがなく完了することができた
・皆様方の多大なるご協力により、今回の興行もつつがなく終えることができました
未来に関しても「つつがなく」を使用できますよ。次の例をご覧くださいね。
・去年は家族ともども大変な想いをしたから、今年はつつがなく過ごしたいです
・あなたたち、ご家族が今年もつつがなく過ごせるように祈っております
・来年の創立25周年記念式典をつつがなく執り行いたいと考えています
・私たち○○一家はつつがなく暮らしているので、お袋もも安心して過ごしてください
いかがでしょうか。例文をみると、説明された内容が胸にストンと落ちてきますよね。
それでは、意味が分かったところで、漢字表記を見に行きましょうか。
「つつがなく」の漢字表記
この「つつがなく」にも漢字表記があるんです。
「つつがなく」の漢字表記
こんな言葉にまで漢字表記があるんですよ~。
漢字表記は「恙無く」です。
「恙」には「病気や心配ごと」の意があります。
この「恙(つつが)」の語源なんですが、はっきりしていません。
ただ、万葉集に「つつみなし」という語があるんですが、これが「つつがない」と同源ではと言われているんです。
即ち、「つつみなし」の「つつみ」が「さしさわる、わずらう」意の動詞「つつみ(恙・障)」の連用形「つつみ」の名詞化した語という解釈ですね。
また、「恙」には「ツツガムシ」(刺されると感染症になる)の意があます。
この感染症の原因が分からなかった時代では「つつが」を「恙虫(ツツガムシ)」と解し、この病気に罹らないで旅をして来いと送り出したという民間語源説も現れたそうです。
私は、この民間語源説をずーーーーっと信じていました。
学校で、そう習った記憶があるんだけど…・・・。
最後に、「つつがなく」の類語を確認しておきましょうか。
「つつがなく」の類語
この章では、「つつがなく」の類語を紹介します。
「つつがなく」の類語
上述したように「つつがなく」とは、「病気・災難などがなく日を送る。」、「いつもと変わりなく平穏無事である。」、「目標に向かって物事が進行している状況」、「予定通りに事が運んでいる状態」ですね。
ですから、次のような言葉が出て来ます。
- 平穏無事
- 変わりなく
- 滞りなく・差し障りなく
- 障害なく・問題なく
上記の他にも、色々な表現を当てはめることが出来ると思いますよ!
最後に
「つつがなく」という語について総特集しました。
初めに、「つつがなく」の意味を見ました。ひとことで言うと「無事である」という意味ですね。平安時代から使われた病気などの災難がないことを言う語でした。
対応する漢字表記も存在しています。「恙」は感染症を媒介する「つつがむし」という虫の名前にもなった漢字で、「やまい」という意が一番適していますね。
「つつがなく」に対応する類語は、日本語には山ほどありそうです。
ここで出した後の他にも多々ありますので、良ければ皆さんも見つけてくださいませ。
※気づけば、「言葉の意味」の記事も増えてきています
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