「おみおつけ」の漢字は?なんと「御」の連なる不思議な表記だよ

2023年10月16日

「おみおつけ」という言葉を知っていますか?

60爺

60爺が小さい頃は、よく使っていた言葉です。最近は、余り聞かれないですね。

「おみおつけ」とは、味噌汁を丁寧にいった言葉です。

「おみおつけ」を漢字で書くとどうなるのか、このシリーズならではの疑問ですな。

この漢字表記、雑学をかじっている方はご存知でも、そうでない方は一体どんな字になるのか疑問かと思います。

今回の記事では、この「おみおつけ」の漢字はどう書くのかをお見せします。その表記は、なんと「御」の連なる不思議な言葉なんですよ。

じっくりと見ていってくださいね。

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「おみおつけ」の漢字は?

それでは、早々に、「おみおつけ」の漢字はどう書くのかを見ていただきましょう。

なんと「おみおつけ」の漢字は、次のように6つの表記があるんですね。

  • 御御御付
  • 御御御付け
  • 御御御汁
  • 御味御付
  • 御味御付け
  • 御味御汁

ちょっとビックリです。

なお、出典ですが、「御御御汁」以外は、次のように辞書に載っていますよ。

国語辞典御御御付御御御付け御味御汁御味御付御味御付け
広辞苑
大辞林
大辞泉
日本国語大辞典
学研国語大辞典
明鏡国語辞典
三省堂国語辞典

「御御御汁」だけは、ネットから拾ってきました。

上記の「おみおつけ」の漢字表記なんですが、よく見ると、最初の2文字と、その後の2ないし3文字に規則性があります。

即ち、これらの漢字の構成をみると、最初の2文字は「御御」、後の2ないし3文字は「御付」「御付け」「御汁」なんですね。

御御御付の漢字表記の構成の画像

ここでは、それぞれの漢字表記を読んでみましょう。6つもあるので、「御御」と「御味」で始まる表記を分けて読んでみます!

「御御」で始まる漢字表記

「御御」で始まる漢字表記は3つです。

  • 御御御付
  • 御御御付け
  • 御御御汁

上記の漢字表記の初めの2つの漢字表記は「御御御付」「御御御付け」で「御」が三つも連なる「付」「付け」ですよ。

「御」は「ゴ」「ギョ」「オ」と読みますので、ひとつずつみていきます。

  • 「ゴ」:「ゴゴゴツケ」
  • 「ギョ」:「ギョギョギョツケ」
  • 「オ」:「オオオツケ」

皆とんでもない読み(笑)になってしまいましたね。ただし、「オ」と読んだときのみ、正解に一文字違いと惜しいところまでいきました。

3つ目の漢字表記「御御御汁」も同様で、「ゴゴゴシル」、「ギョギョギョシル」、「オオオシル」ではないんです^^;

「御味」で始まる漢字表記

  • 御味御付
  • 御味御付け
  • 御味御汁

こちらの表記、まず頭の二つですが、「御味御付」「御味御付け」で「御」が二つ入った汁ですね。

  • 「ゴ」:「ゴミゴツケ」
  • 「ギョ」:「ギョミギョツケ」
  • 「オ」:「オミオツケ」

「ゴ」「ギョ」はNGです^^;

「御」を「オ」と読むと「オミオツケ」になってピンポン初めて正解となりましたね!

最後の表記「御味御汁」は「ゴミゴシル」、「ギョミギョシル」、「オミオシル」でNGでした。

「御御」で始まる漢字表記、「御味」で始まる漢字表記を見てきましたが、どちらも、もの凄い表記ですよね。

この漢字表記は読めないでしょう。

60爺

この表記を出されて、「なんて読む」と聞かれても、知らないと答えられないですよね。

難読の部類に入る漢字だと言っても良いでしょう。

なぜ、この漢字を使うようになったのかを解き明かしていきます。


漢字表記の由来

この章では、「おみおつけ」の由来から、漢字表記を読み解いていきたいと思います。

さて、「おみおつけ」とは、冒頭で述べたように、味噌汁を丁寧にいった言葉です。即ち、次のような構成ですね。

「おみおつけ」=「おみ」+「おつけ」

それでは、これらの「おみ」と「おつけ」について、それぞれ、由来を見ていきましょう。

順番を逆にして「おつけ」の由来から始めます。

「おつけ」の由来

「おつけ」の「お」は丁寧語の意の接頭語、「つけ」は動詞「付ける」の連用形の名詞化した語です。

昔の辞書には、「飯に付けて用いることから、おつけになった」ことが載っており、また、「飯にそえて食べる汁」との表現もありました。

即ち、「おつけ」は副食物の汁類の総称で中世は女性語だったようです。

ただ、江戸時代になると「おつけ」を特に「味噌汁」に限定するようになったようですね。

この「おつけ」の漢字表記が「御付け」「御付け」「御汁」なんですよ。

なお、出典は辞書からですが、「おみおつけ」と同様に辞書によってまちまちですね。

国語辞典御付御付け御汁
広辞苑
大辞林
大辞泉
日本国語大辞典
学研国語大辞典
明鏡国語辞典
三省堂国語辞典

「おみ」の由来

次に「おみ」の由来を見ていきます。

「おみ」には、次の2つの説があります。

  1. 敬意の接頭語
  2. 味噌の意

これらの説を順に確認していきましょう。

敬意の接頭語

「おみ」の由来のひとつ目は、「おみ」が敬意の接頭語を表すとするもので、近世になって意識されたようです。

そして、この場合の漢字表記が「御御」なんです。

この「おみ」が「おつけ」に付いて、「おみおつけ」になったとするのは上述の通りです。

この漢字を使う例として「御御足(おみあし)」「御御籤(おみくじ)」などがあります。

味噌の意

「おみ」には「お味噌」という意味があるので、「おみおつけ」は「お味噌のおつけ」と解すべきという説です。

そして、この漢字表記が「御味」なんですよ。

ただ、この説の場合、「おつけ」に味噌汁の意味が生じてから、さらに「味噌」の意味の語を加えたという問題が残るようです。

最後に

「おみおつけ」という、近年、聞きなれない言葉の漢字表記を追いかけてみました。

なんと6つもの漢字表記がありましたが、国語辞典を見ると、その表記はまちまちで統一されておらず、混乱しているさまが見てとれました。

60爺

私は「おみおつけ」や「おつけ」は小さい時の記憶がありますよ。

この漢字表記の由来を確認しましたが、構成はひらがなと同じで、「おみ」と「おつけ」でそれぞれ由来がありましたね。

なかなか、昔の言葉は風情があったと思うのですが、今の若い方はどうなんでしょうか。

※思えば、「ある言葉を漢字で書くと」記事も増えてきましたよ

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら