九字を切ってはいけません!素人が手を出してはならない領域がある
昔、「孔雀王」という、若き阿闍利(あじゃり)・孔雀が、この世の理から外れた怪異と闘うコミックがありました。
この中で、孔雀が怪異に対して「臨・兵・闘・者・・・」の掛け声と共に九字を切るポーズが若者の間で流行っていました。
「九字を切る」って、いったい何?
ネットをみると、この「九字を切る」行為が危険だなんて書いてある記事なんぞを散見します。
この記事では、「九字を切る」とは何か、なぜ「九字を切ってはいけません」というのか、その根拠について追いかけてみました。
それでは、ご一緒に内容をご覧ください。
九字切りとは何か
メインテーマは『なぜ「九字を切ってはいけません」というのか』です。
しかし、「九字切り」が何か分からないと、何故、それがいけないことなのか、あやふやになる気もするので、そちらから解説します。
まずは、次の動画で「九字切り」の結び方・手の組み方を見ておきましょう。
九字切りとは何か
九字を切る(くじをきる)とは、九字切り(くじきり/くじぎり)とも表現される作法のことです。
正式には、九字護身法(くじごしんぼう)と呼ばれ、主に修験道において「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」の九字の呪文と九種類の印によって除災戦勝等を祈ります。
この作法は日本独自のモノであり、修験道に道教の六甲秘呪(九字の作法)や、その他の様々なものが混在しています。
辞書にも、「九字」「九字護身法」として、次のように出ています。
「臨兵闘者皆陣列在前」の九字の呪(じゅ)を唱え、指で空中に縦に4線、横に5線を書く時は、どんな強敵も恐れるに足りないという護身の法。
もと道家に行われ、のち陰陽道おんようどうに用い、また、密教家・修験者(しゅげんじゃ)・忍者などが用いた。
なぜ「九字を切ってはいけません」と言われるのか
なぜ、「九字を切ってはいけません」と言われるのでしょうか?その理由を見ていきます。
なぜ「九字を切ってはいけません」と言われるのか
「九字を切ってはいけません」と言われる理由は、次の通りです。
- きちんとした作法に則らないと悪いことが起きる
- 相手を傷つけると反作用でそれ以上の傷を負ってしまう
神仏に関する作法に対しては、決められた作法があり、それに従わないと予期せぬことが起きますので、注意することが肝要です。
実際にプロが九字を切るときは白装束になって実施しています。
きちんとした作法に則らないと悪いことが起きる
九字切りは、例えば、密教で、修行が一定の階梯に達し、伝法灌頂(かんじょう)により秘法を伝授された僧が行うモノなんです。
そのため、素人が、それを真似ても、まず、何の効果もありません。
そして、一番怖いのは、こういう修験道や陰陽道に関連した作法は、素人が下手に行った場合、後始末が出来ないことです。
まあ、まず、起こらないことですが、何かが起こった場合に、それを治める術を持たない素人は、「九字を切ってはいけません」ということですね。
しかし、これも、素人がやった場合、例に取り憑かれたり、予想もつかない結果になってしまうので止めましょうね。
相手を傷つけると反作用でそれ以上の傷を負ってしまう
めったにないことですが、素人が九字切りを使って誰かを傷つけると、その反動で自らも傷つくことになるので要注意です。
己の利己的な目的で相手を傷つけることは、必ず、その反作用があり、自分に帰って来ることを忘れてはいけません。
また、下手な九字切りは災いが自分に返ってくるとも言われているんです。
ですから、素人は無闇に「九字を切ってはいけません」と言われているのです。
最後に
九字を切るという語を見つけて、その内容を追いかけてみました。
日本での「九字を切る」は、仏教や、陰陽道などを巻き込んだ日本独自の発展を遂げたモノでした。
コミックなどで人気が出たせいで、「九字を切る」ポーズが、仮面ライダーの変身ポーズのように流行った時期もありました。
実際、この「九字を切る」のは除霊などでも行われるようですが、実際に行えるのは、やはり徳を積んだ人でないと難しいようです。
「九字を切ってはいけません」と言われる理由を調べて、その感が、ますます強くなりました。
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