ホトトギスを漢字で書くと?たくさんの表記を持つ托卵する鳥です
戦国の三大英傑の性格を表すのに、「鳴かぬなら殺してしまえ時鳥」が織田信長、「鳴かぬなら鳴かせてみしょう時鳥」が豊臣秀吉、「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」が徳川家康の句が出されますね。
ここで、出てくる「時鳥」って「ホトトギス」の漢字表記の一つなんですよ。
今回は、久しぶりに、カテゴリ「動物の漢字」で「ホトトギスの漢字」を見ていこうと考えます。
気軽に考えていたところ、ホトトギスって、その漢字表記が驚くほどたくさんあることが分かりました。合わせて、別名も同様にたくさん出てきたんですよ。
それでは、内容をご覧ください。
ホトトギスを漢字で書くと
ホトトギスは、たくさんの漢字表記を持っているんです。まずは、それを見てもらいましょうか。
ホトトギスを漢字で書くと
次のように、13もの漢字表記が出て来ました。
- 杜鵑
- 霍公鳥
- 郭公
- 時鳥
- 子規
- 杜宇
- 不如帰
- 沓手鳥
- 蜀魂
- 田鵑
- 沓乞
- 催帰
- 帝魂
ウヘェ!ホトトギスって、本当にたくさんの漢字表記を持っているんですね。
13もの漢字表記が集まりましたよ!
これらは、全部、ホトトギスって読むんだ!
なお、これらの漢字表記は、広辞苑、大辞林、大辞泉、日本国語大辞典、学研国語大辞典、明鏡国語辞典の6つの国語辞典に載っているモノをまとめています。
漢字表記の由来をいくつか
ホトトギスの漢字表記のうち、由来の判明したものを下記に記載します。
- 1.杜鵑、6.杜宇、7.不如帰、9.蜀魂、13.帝魂:中国の(蜀の望帝の魂がホトトギスになったという)伝説にもとづく
- 2.霍公鳥、3.郭公:ホトトギスとカッコウがよく似ていることからくる誤り
- 4.時鳥:「ほととぎす」の声が田植えを始める時期を告げるということで、「時鳥」(時を告げる鳥)と命名
- 5.子規:正岡子規が喀血した(血を吐いた)ことから、「鳴いて血を吐く」と言われているホトトギスと自分を重ね合わたことから?
- 8.沓手鳥:鳴き声からつけられている
- 10.田鵑:田植えに関連したホトトギスの名前
- 11.沓乞:鳴き声からつけられている
ホトトギスの別名
ホトトギスには、別名も漢字表記と同じ数が集まりました。
これらを漢字表記として数える方も、いらっしゃるのではないかと思います。凄いですなあ。
文目鳥(あやめどり)、妹背鳥(いもせどり)、卯月鳥(うづきどり)、勧農鳥(かんのうちよう)、早苗鳥(さなえどり)、死出田長(しでのたおさ)、黄昏鳥(たそがれどり)、橘鳥(たちばなどり)、偶鳥(たまさかどり)、魂迎鳥(たまむかえどり)、時つ鳥(ときつどり)、夕影鳥(ゆうかげどり)、夜直鳥(よただどり)
なお、上記の別名も、広辞苑、大辞林、大辞泉、日本国語大辞典、学研国語大辞典、明鏡国語辞典の6つの国語辞典に載っているモノをまとめたものです。
ネットなどをみると、もっと見つけられるかもしれませんよ。
ホトトギスの語源
ホトトギスの鳴き声は、現在では、「トッキョキョカキョク(特許許可局)」や「テッペンカケタカ」と表わされることが多いですね。
しかし、古くは「ホトトギ」に近い音とされ、その鳴き声に基づいて「ホトトギス」と名付けられたんです。
語尾の「す」は、「ウグイス」「カラス」など鳥の名に多く見られる接尾語です!
万葉集には、ホトトギスは、「ホトトギ」と自分の名を名乗って鳴いたという歌が載っているそうです。
海外ではどんな名前
世界の言葉では、「ホトトギス」を何と言うか調べてみました。
「ホトトギス」で英訳しようとしても出てこないので、ごめんなさい、「カッコー」で翻訳させてもらいました。
外国語 | スペル | 発音 |
---|---|---|
英語 | cuckoo | カッコー |
ドイツ語 | Kuckuck | コウクロック |
オランダ語 | koekoek | クウクルック |
フランス語 | coucou | ココー |
イタリア語 | cuculo | クウコロ |
スペイン語 | cuco | クウコ |
ポルトガル語 | cuco | コウコ |
スウェーデン語 | gök | ノッ |
ノルウェー語 | gjøk | イエス |
中国語(繁体) | 布穀鳥 | ボーゴーニャ |
中国語(簡体) | 布谷鸟 | ボーグーニャウ |
ロシア語 | кукушка | コクオスタ |
英語、ヨーロッパ系言語は、「c」で始まるスペルが一番多いです。ドイツ語、オランダ語は「k」でした。こちらの発音は何とか聞こえました。
しかし、スウェーデン語及びノルウェー語は「g」で始まるスペルで、発音がうまく聞き取れませんでした。
中国語は、繁体と簡体で一文字目だけが同じ表記でした。発音はよく似ていますが最後が違いますね。
ロシア語は、「k」で始まるスペルですが、発音は独自のようです。
最後に
ホトトギスの漢字表記について解説しました。
なんと13もの表記が出てきてぶっ飛びましたよ。しかも、あれで「ホトトギス」と読ませるんですから凄いですよね。
由来を挙げましたが、中国の伝説から来たものが一番多かったですね。この由来で出てきた国の名前「蜀」と言ってますが、三国志とは別物ですので念のため。
また、別名も漢字表記と同じ数が出てきて驚きましたねエ!
※気づけば動物の漢字の記事も増えてきました
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