コスモスの漢字表記は秋桜ではない!正解は何かを追いかけてみた
今日の漢字の記事は、これも久しぶりとなる花の名前にしましょうか。
秋を代表する花です。といっても、夏の盛りから咲いている場合もあるんですけどね。
その名はコスモスです。
コスモスというと、あの表記「秋桜」が浮かぶ方が多数いらっしゃると思いますが、答えは「ブブー!」です。
違うんですよ。「秋桜」は「コスモス」とは読みません。
今回の記事では、コスモスを漢字で書くとどうなるのか、それに関する由来等のお話をしていきます。
では、ご一緒に最後までご覧ください。
コスモスを漢字で書くと
コスモスを漢字で書くとどうなるんでしょうか。「秋桜」は不正解となると…。
コスモスを漢字で書くと
コスモスの漢字表記はありません!
おお、いきなり、スゴイ(大谷翔平のホームランを見たアナウンサーの言い方で)結論が来た。
今まで、漢字表記を見てきて、こんな結果があったでしょうか?
そういえばパイナップルの漢字で「日本語による漢字表記は存在しません!」といっています。
パイナップルの記事では、代わりに辞書の中に載っていた漢名を出していました。ところが、「コスモス」の意味の中には漢名が載っていないんですよ。
そして、広辞苑及び大辞林には「秋桜」という表記が載っています。ただ、大辞泉以下の国語辞典では「あきざくら」と平仮名表記となっています。
コスモス【kosmos ギリシア・cosmos イギリス】
引用 広辞苑
①美しい秩序。転じて、それ自身のうちに秩序と調和とをもつ宇宙または世界の意。「ミクロ‐―」↔カオス。
②〔植〕キク科の一年草。メキシコ原産。高さ約1.5メートルに達する。葉は線状に細裂。秋、大形の頭状花を開く。色は白・淡紅・深紅など。秋桜。おおハルシャぎく。
広辞苑に「秋桜」が載っているんで、本当は結論で「秋桜」を出そうかとも考えましたが、次の項にあるように「秋桜」の読みが「あきざくら」でしたので断念しました!
秋桜はコスモスでは?
ここで、冒頭の「秋桜」が出て来ました!
コスモスは「秋桜」だろっていう方が、そこそこ見込まれるんですが、上述したようにこの表記は「コスモス」じゃないんですねエ。
辞書には次の通り載ってます。
あき‐ざくら【秋桜】
引用 広辞苑
(花の形が桜に似るとしていう)コスモスの異称。
そう、「秋桜」は、そのまんま「あきざくら」って読むんですよ!広辞苑だけじゃないですよ。
大辞林、大辞泉、日本国語大辞典、学研国語大辞典、明鏡国語辞典と全部の辞書でそう出てるんですから、「コスモス」という読みは存在しないことが分かります。
何で、秋桜=コスモスと思ってるんだろう?
この「秋桜」を「コスモス」と信じてる方は、山口百恵の歌った「秋桜」が「コスモス」だったからでしょう。
これ、曲を作った「さだまさし」が「しゅうおう」「あきざくら」と読む「秋桜」を「コスモス」と読ませたことが始まりです。
元々、「小春日和」という題名だったそうですが、曲を聞いたプロデューサーの提案で「秋桜」になったとか。
それで、「コスモス」と言う読み方が急速に広まったそうです。
ただ、パソコンで「コスモス」で変換すると「秋桜」が出てくるのも事実です。将来、「秋桜」を「コスモス」と読ませる日が来るかもしれませんね。
さて、次に、漢名がどうなっているか確認します。
漢名「大波斯菊」「秋樱」
漢名でどういうか見てみたんですが、「大波斯菊」「秋樱」となるようです。
大波斯菊は、wikiによると「キク科コスモス属の一年草。コスモス、アキザクラ(秋桜)とも呼ぶ。一般的にコスモスは、この種を指す。」と出ています。
コスモスは、キク科コスモス属の総称を指すんですが、種としてのオオハルシャギクを指す場合もあるんですって。
秋樱は、日本の漢字で言えば「秋桜」ですから、まんまコスモスの異名ということになりますね。
ですから、「大波斯菊」「秋樱」ともコスモスを指すことで問題ないでしょう。
秋桜をコスモスと読ませる作品
今までに、「秋桜」を「コスモス」と読ませる作品がいくつか世に出されています。
ここで、それらを見ておきましょう。
- 1977 山口百恵「秋桜(コスモス)」(さだまさし)
- 2001 秋元治「こちら葛飾区亀有公園前派出所 126」命名案として
- 2009 いきものがかり「秋桜(コスモス)」(山下穂尊)
- 2010/2/6 舞台「友情 秋桜(コスモス)のバラード」読売新聞夕刊
- WEB 誤読 水原秋桜子をコスモス子と読んだ奴がいた。
さあ、記事を終わる前に、外国では「コスモス」をどう呼ぶのかみてみますか。
外国での呼び名は?
外国語での呼び名はどうなっているか、いつものように見てみました。
外国語 | スペル | 発音 |
---|---|---|
英語 | cosmos | コスモス |
ドイツ語 | Schmuckkörbchen | スモッカービエム |
オランダ語 | kosmos | コスモス |
フランス語 | cosmos | コスモス |
イタリア語 | cosmos | コスモス |
スペイン語 | cosmos | コスモス |
ポルトガル語 | cosmos | コズモス |
スウェーデン語 | kosmos | コスモス |
ノルウェー語 | kosmos | コスモス |
中国語 | 秋樱 大波斯菊 | チオリン ダーボスジィ |
ロシア語 | космос | コースモス |
英語及びヨーロッパでのスペルは、cosmosないしkosmosで決まり、発音も、ほとんど「コスモス」です。
ただ、ドイツ語だけ際立って異なってます。
中国語はについては上述しています。
ロシア語は相変わらず尖ってますが、発音は、いつものようにヨーロッパ風ですな。
最後に
コスモスの漢字表記を見てきました。
まさか、表記がないとは思ってもみませんでした。
実は「秋桜」がそうかと思ってた!
でも違ったんですね。辞書には、読みが「コスモス」ではなく「あきざくら」でした。
なぜ、そうなったかについての理由について、少し、追及してみたら、山口百恵の歌に原因があるとは思いませんでした!
※思えば、「○○を漢字で書く」記事も増えてきましたよ
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