国をおさめるを漢字で書くと?表記の候補が複数あって迷っちゃう!
時代小説や、戦国時代をテーマにしたドラマを見ていると、「国をおさめる」「天下をおさめる」というセリフをよく聞きます。
さて、この後半の部分にある「おさめる」という言葉が気になりました。
どんな漢字だっけ?
日本語は、このブログでもさんざんやってきましたように、同じ発音でも表記がいっぱいあるんですよね。厄介です。
この記事では、「国をおさめる」を漢字で書くとどうなるかを明らかにして、他にいくつかある「おさめる」について言及してみます。
最後まで、お付き合いください。
国をおさめるを漢字で書くと?
それでは、結論から見て参りましょう。
国をおさめるを漢字で書くと?
国を治める
そうです。「治」が正解です。政治の「治」ですね!これを覚えておくといいですよ。
「組織の中に秩序を行き渡らせる。統治する。統べる。」という意味で使用する場合に使う「おさめる」は「治める」と書くんですよ。
「治める」は、他にも次の意味があります。
- 乱れを鎮めて、安定した状態にする
- 痛みや症状がなくなるようにする。治療する。治す。
今、見ていただいた「治める」ですが、他にどんなシーンで使われるのか、ご覧に入れましょう。
「治める」の例文
さて、それでは、上述したいくつかの意味で「治める」を使用した例文を見ていきましょう。
- 水を治める(=治水する)
- 荒ぶる心を治める
- 関東一円を治める
- 人民を治める
- 痛み[発熱]を治める
ご覧のように、「治める」は、色々なシーンで使うことが出来るのがわかりますね。
「治める」と同じ意味の他の「おさめる」
実は、上記の「乱れを鎮めて、安定した状態にする」については、別の漢字表記で「おさめる」と書くことが出来ます。
- 収める
- 納める
辞書別に、これらの表記が「治める」と代替できるのかを一覧にしました。
辞書 | 納める | 収める |
---|---|---|
広辞苑 | ||
大辞林 | ○ | |
大辞泉 | ○ | ○ |
日本国語大辞典 | ○ | |
学研国語大辞典 | ○ | |
明鏡国語辞典 | ○ | ○ |
広辞苑では、この点に触れていないのは少し驚きでした。
大辞泉と明鏡国語辞典では、両方の表記と代替できるとしています。
それに対して、大辞林、日本国語大辞典、学研国語大辞典では、「収める」が代替するとしています。
国語辞典の中でも統一されていないんですね。
他の「おさめる」について
「おさめる」には、今回の「治める」の他に、上に挙げた「収める」「納める」があります。
さらに「修める」という表記もあります。
これらの漢字表記は、次の意味を持ちます。
漢字表記 | 意味 |
---|---|
収める | 中に入る。収束する。手に入れる。良い結果を得る。 |
納める | あるべきところに落ち着く。とどめる。引き渡す。終わりにする。 |
治める | 問題のない状態になる。統治する。 |
修める | 人格や行いを立派にする。身につける。 |
ここに書いた意によって「おさめる」を使い分ける訳ですね。
「おさめる」の使い分けについては、次の記事に詳しいので、是非、ご覧ください。
最後に
「国をおさめる」を漢字で書くとどうなるのか見てきました。
「国を治める」が正解でした。
「治める」には、「組織の中に秩序を行き渡らせる。統治する。統べる。」という意味があり、この意から「国を治める」というのが正しい表記であることが分かりました。
「治める」には、他にも意味がありましたが、その中には「収める」「納める」で書きかえ可能な意もありましたね。
いやいや、日本語って難しいですな。どんな漢字だっけ?
■思えば、「ある言葉を漢字で書くと」の記事も増えてきました
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