土へんに真と書いて填!読み方から意味・苗字での使われ方まで総特集
いきなりですが、個人賠償責任保険は、契約者またはその家族が、日常生活で誤って他人にケガをさせたり他人の物を壊したりした場合の損害を補填する保険です。
私は入っていませんが、小さなお子さんがいる方は入っていると無難かと思います。
のっけから保険の話をしましたが、この部分「補填」に着目したいのです。
この2文字目、填ですが、土へんに真と書く漢字です。土へんの漢字は、「つちへんに花」、何故か、「つちへん」とひらがなになってますが記事にするのは2つ目です!
では、いつもやっているように、土へんに真で填の読み方や意味及びその書き順、さらには名前・名字をつける場合のポイントまで幅広く総特集しちゃいます。
どうか最後までご覧になってください。
土へんに真といえば填!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、填の読みと意味を明確にしましょう。
填の読み方と意味
填 実は、この漢字は漢字源をみると「異体字」です。
標準字体は 塡ですね。
画数 :13画
音訓:㊀テン㊁チン うず・める み・ちる み・たす しず・める(日本語だけ)あす う・める てん・す は・ます はま・り は・める
意味
㊀①{動詞}うず・める(うづむ)。すきまや穴を詰めて満たす。②{動詞}うず・める(うづむ)。空欄に書き入れて空白をなくす。③{動詞}み・ちる(みつ)。み・たす。すきまなく、びっしりと詰まる。びっしりと詰める。④{動詞}器の彫刻のくぼみに、漆や金銀を詰めこむ。⑤「填然(テンセ゛ン)」とは、でんでんと太鼓をうつ音の形容。㊁①しず・める。重みをかけて、ずっしりとおさえる。②{名詞}土星。
日本語だけの意味
(訓読み)あす う・める てん・す は・ます はま・り は・める
(名付)さだ。ます・みつ・やす
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
この漢字の音読みは「テン」「チン」の二つです。訓読みは「うず・める」「み・ちる」「み・たす」「しず・める」の4つです!
日本語の訓読みは「あす」「う・める」「てん・す」「は・ます」「はま・り」「は・める」とたくさんあります。
意味は、音読み「テン」で5つ、「チン」で2つあります。
この漢字には「姓の一つ」の意味がないので、「塡」さんはいないことになります。
「テン」㊀①の意味で「充填(シ゛ュウテン):あいている所にいっぱいに詰める」「補填(ホテン):{補充(ホシ゛ュウ)}足りない分をおぎなってじゅうぶんなものにする」という言葉があります。
また、「テン」㊀②の意味で「填写(テンシャ):書き込む」という言葉があります。
さらに、「テン」㊀④の意味で「填漆(テンシツ):漆を充填する」「填金(テンキン):金を充填する」という言葉があります。
なお、㊁の意味ですが、こちらは「鎮(チン):しずめる」に当てた用法となります。
次は、書き順ですね。
土と真の書き順そのままです!土も真も書き順は皆さん問題ないですよね~。
では、標準字体の書き順も挙げておきます。
環境依存文字のため、漢字一文字での書き順が出せませんので、「へん」と「つくり」を別々に見ていただきます。眞は4から始まるモノとして書き順を覚えてください。
塡と填
ですが、60爺のパソコンでは、標準字体「塡」が環境依存文字(=機種依存文字)になっています。
機種依存文字とは、電子的に扱う文字データのうち、利用するパソコンやスマートフォン等の環境によって文字化けや全く表示できなくなるものをいいます。
引用 機種依存文字について
この点が気になって調べてみました。すると・・・・・・。
「塡」か「填」か( )文字コードとの関係
常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について|文化庁
電子辞書で 補塡 という言葉を調べようとしたら 常用漢字表の 塡 とは違う 填 という形が出てきました。どうしてこういうことが起きるのでしょうか。また,手で書くときにはどちらを書けばいいのでしょうか
こちらの回答ですが、「文字コードの制約によるもの」と出ています。
そして、印刷文字としては「塡」が通用字体ですが、古い機種A等では使えない場合があるんですって。
ですから、手で書く場合は、どちらで書いてもかまいません
国語審議会が表外漢字の字体について留保している間、国語施策の方針が示されないまま昭和58年(1983年)にJISコードが改定され、一部の表外漢字の字体は康熙字典体とは異なった字体に変更されてしまったそうです。
「塡」もそのうちの一つで、このときに「填」という字体に変更されていたんです!
これが原因で、書籍には「補塡」、コンピューター等では「補填」しか出てこないという状況が続き、JISコードも拡張で、第3水準に「塡」という字体が追加されます。
そんなこんなで、現在は「表外漢字字体表」の印刷標準字体が情報機器においても使用されるようになっているそうです。
もっと詳しく知ろう!塡の漢字としての由来や成り立ち
ここでは、標準文字である「塡」の由来や成り立ちを見ていきます。
塡=「眞(シン 中身がいっぱい詰まる)」+「土(つち)」
眞(シン)(=真)は、「匕(さじ)+鼎(かなえ)」の会意文字です。さじで、器に物をいっぱい詰めるさまを示します。
会意※
二つ以上の漢字を組み合わせて、もとの漢字とは別の意味を表した漢字。
ここから、塡は、土を穴にいっぱい詰め込む情景を表わすことになります。
塡のつく言葉
超語句や日本の古典から、「塡」のつく言葉を挙げてみました。
塡の言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
塡撫 | チンブ | ⇒鎮撫。民衆の心を静め平穏にすること。 |
塡咽 | テンエツ | 多くの人が集まりひしめいていて道がふさがる。 |
塡詞 | テンシ | 文学形式の一種。「詩余」とも「詞」ともいう。唐の中ごろ民間におこった新しい型の歌曲。宋(ソウ)代に最も盛んとなった。のち、一定の譜面にあわせて文字を埋めてつくるようになったので、「塡詞」と呼ぶようになった。 |
塡字 | テンジ・ジヲウズム | 文章の空白の所に文字を入れて文章を完成すること。 |
塡充 | テンシ゛ュウ | {塡補(テンホ゜)}うずめていっぱいにする。《類義語》充塡。 |
塡湊 | テンソウ | いっぱい集まってこみあう。 |
塡塞 | テンソク | いっぱいになってふさがる。 |
塡塡 | テンテン・チンチン | ①態度などが重々しくて、誠意のあるさま。▽鎮(チン)に当てた用法。②雷の音の形容。③たくさんの車馬が走る音の形容。④満ち足りたさま。⑤規律正しくりっぱなさま。 |
参考 上級漢和辞典 漢字源
塡撫・塡充及び塡充の類義語の充塡などは、今も使われますね。
ただ、塡撫は意味の中にある「鎮撫」が、塡充・充塡は異体字の「填」が使われるようです。
日本語の中にある言葉は、「塡詞」「塡充」「塡塞」の3つだけです。但し、「塡」は、異体字の「填」が使われます。
填の名前・苗字での使われ方
填を名前ないし名字でどう使われるかを見ていきましょう。
この「填」なんですが、なんと、この漢字は人名漢字に入っておりませんので、名前に使うことは出来ません!
アレレ!上述の漢字の解析では、(名付)に複数の候補が挙がっていましたよね。実は、あの解析の内容は標準字体の「塡」のモノなんですね。
読みや意味などは、異体字である「填」も同様なんですが、(名付)に関しては該当しないんです。
ですので名前は諦めて苗字を見に行きましょう。始めに、「填」一文字の苗字があるかを見ていきます。ところが、これは苗字に存在しません。
そこで、「填」に別の漢字を付けた名字を探してみたところ、「填山」という名字があることが分かりました。
【名字】填山
【読み】まきやま
【全国順位】 91,579位
【全国人数】 およそ10人
参考資料 名字由来net
この名字は、物凄く少ないものです。
読みは「まき」で、漢字の解析で見た読みには入っていないですね!
都道府県別にみると、広島県に存在している名字であることが分かりました。
その他にも、「填」に別の漢字を付けた名字を探しましたが、どうやら存在しないようです。
最後に
つちへんに真で填ですが、この漢字について、それぞれ調べてみました。
填は塡の異体字でした。
でも、私のパソコンでは、標準字体の「塡」が環境依存文字でした!
これ、どういうこと?。充填や補填など普通に使われる言葉をパソコンで入力しても、異体字である「填」で変換されますね。
名前を見に行きましたが、異体字の「填」は人名漢字ではなかったため、急遽、名字に切り替えましたが、「填山」しかありませんでした!
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