エイを漢字で書くと?魚へんの漢字の他にも3文字の表記が見つかった
先日、クラゲの漢字表記について記事をアップしています。
海にはクラゲの他にも様々な生き物が存在していますが、今回はエイを素材にしてみようと思います。
平べったい身体で水族館の人気者のエイです。
当然、このエイにも漢字表記はあるんでしょうね。
この記事では、エイを漢字で書くとどうなるのか見ていきます。その漢字表記の由来なんかも探れたらと考えています。
どうか、最後まで内容をご覧ください。
エイを漢字で書くと?
それでは、エイを漢字で書くとどうなるか見ていただきます。
エイを漢字で書くと?
エイを漢字で書くとどうなるのでしょうか?
鱏 鱝 鰩 海鷂魚
おおお、4つの表記が見つかりましたね。
1文字の漢字:「鱏」「鱝」「鰩」と全て魚へん
3文字:海鷂魚
海鷂魚:エイ目の軟骨魚の総称。体は平たく、鰓孔は腹面に開く。
それでは、各々の漢字表記について細かく見ていきましょうか。
鱏
トップバッターは「鱏」です。
鱏=「覃(タン 奥深い)」+「魚(さかな)」
エイ目の海水魚の総称。エイの中でも飛び跳ねる習性のあるトビエイ科のエイに当てられます。この意は日本語だけのモノです。
この漢字、中国ではシナヘラチョウザメの意なんです。長江などに生息し体長は2mにも達します。この魚、吻が長いので象鼻魚の異名があります。
「鱏鰉(シンコウ)」と書くとチョウザメを指します。
鱝
次の漢字は「鱝」です。
鱝=「賁(フン 勢いよく出る)」+「魚(さかな)」
賁は、勢いよく出るという意を持ちますので、鱝は水上に飛び出す習性をもつ魚ということになります。
えい。トビエイ科トビエイ属の海水魚の総称。また、その中の一種を指します。体は平たい菱形。尾は細長く毒をもつものもあります。
解字にあるように、水上を飛び跳ねる習性があるんですね。
マダラトビエイの分布は、主にインド洋、太平洋中部・西部と考えられています。準絶滅危惧種です。
水上を飛び跳ねるパターンが2つあるそうです。
- 水面から垂直に飛び出し、そのまま着水する
- 45°の角度で飛び出し複数回ジャンプする
トビエイの仲間にはマンタも含まれますが、このマンタについて次に示す記事を書いています。よろしければ、ご覧になってください。
鰩
次の漢字は「鰩」です。
鰩=「■(ヨウ ゆらゆらと動く)」+「魚(さかな)」
つくりにある漢字は、ゆらゆらと動くいう意を持ちますので、鰩はゆらゆらと動く魚ということで、エイの泳ぎをよく表していると思います。
えい。ガンギエイカ科ガンギエイ属の海水魚の総称。体は菱形。細長い尾の先端に背びれと尾びれがあるそうです。
この漢字、もう一つ意味があってホントビウオの意なんです。胸びれを広げて海面から飛び上がります。
海鷂魚
次に「海鷂魚」ですが、これは漢名より来ています。
真ん中にある「鷂」はハシタカと読みますが、エイが「海鷂魚」と書かれる由来は以下の2つです。
- エイが鷂のような形をしていること
- エイが海を泳ぐ様が、鷂が空をゆったり飛ぶ様に似ていること
ハシタカ(鷂):タカの一種。雄は雌より小形で「このり」と呼ぶことがある。色彩などオオタカに似るが、小さい。主に小鳥を餌とし、鷹狩に用いた。日本・ヨーロッパなどに広く分布。
引用 広辞苑
見てわかるように、「海鷂魚」の場合は漢字3字に対して、「エイ」という2字の読み方が当てられていますね。この海鷂魚を「エイ」と読むのは「熟字訓(じゅくじくん)」と言われる読み方です。
熟字訓とは、日本語で漢字からなる単語に、単字単位ではなく熟字単位で訓読み(訓)を当てたものです。それ故に、単字に分解してもそれぞれに熟字訓の要素は現れません。
漢字の表記が4つと言えばコオロギもそうでした。虫へんの漢字が3つと2文字の表記がひとつですね。
最後は、世界でエイをどう呼んでいるかみてから記事を終わります。
世界でのエイのスペルと発音
「エイ」を世界の国々ではどう表記して、どう発音するのか見てみましょう。
言語 | スペル | 発音 |
---|---|---|
英語 | ray | レイ |
ドイツ語 | Rochen | ロッフン |
オランダ語 | roggen | ロッヘン |
フランス語 | Raie | ウヘイ |
イタリア語 | razza | ツァラツァ |
スペイン語 | raya | プラヤ |
ポルトガル語 | raia | ラーヤ |
スウェーデン語 | rocka | ロッカ |
ノルウェー語 | rokke | ウロッケ |
中国語(繁体) | 黃貂魚 | ホンジョーギ |
中国語(簡体) | 黄貂鱼 | ホンジョーギ |
ロシア語 | Луч | ルーチ |
ヨーロッパ各国では、スペル・撥音がそれぞれ分かれました。どの言葉も「r」で始まっています。
フランス語、イタリア語、スペイン語は発音が、ラ行の音が聞き取れませんでした。
私の耳が悪いのだろうか。ちょっと遠くなってきた感はありますが…。
中国語は繁体、簡体ともほとんど同じで3文字目がちょっと違いました。発音は同じでした。
ロシア語は、やはり特異なスペルでしたが、発音はラ行でしたね。
最後に
エイの漢字表記に何があるかを見てきました。
4つの表記が見つかりましたね。1文字の漢字として、「鱏」「鱝」「鰩」と全て魚へんの漢字が3つと、3文字の「海鷂魚」という表記が1つでした。
それぞれの漢字について、その意味する内容や由来などを見てきました。魚へんの一文字の漢字では、それぞれ、しめす対象が少しずつ違いました。
また、「海鷂魚」ですが、2文字目の「鷂」が鷹の一種を指すとは思いませんでした。形や泳ぐ姿が、鷹に似ているとは驚きでしたね。
※思えば、「動物の漢字」に関する記事も増えてきましたよ
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