2月の別名はそこそこな数に!由来探しも手馴れてササッとご紹介
さて、既に11月は1月の別名を紹介しておりますが、今までの慣例を破って今月は2月の別名も公開してしまいましょう。
2月は1年の中で一番寒い月ではないでしょうか?北の地方では大雪や吹雪で大荒れになる所も多いですよね。
暑いのも嫌ですが寒いのもこりごりですな。
月の異名の記事の中で紹介している「異名の別名」をみると、2月には6つの別名が載っています。
今回の記事でも、ずっとやってきたように、参考記事から拾った様々な別名に対して由来等を探してご紹介していきます。
どうか、今回も最後までご覧になっていって下さい。
2月の異名は
さてさて、別名をみにいく前に、2月の異名という和風月名と呼ばれる「旧暦の月の和風の呼び名」をご覧ください。
ご存知の方は、2月の別名・異名というと、恐らく、こちらの名称を思い浮かべると思います。
2月の和風月名は次の通りです。
2月の異名(和風月名)は?
如月 きさらぎ
この2月の異名を知る方はどの位いますかね?まあ、それほど有名ではないでしょう。
それでは、この「きさらぎ」の由来を見てください。2つあります。
- 寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので、「衣更着(きさらぎ)」。
- 「草木張月(くさきはりづき)」が転じたなども。
最初の、「衣更着(きさらぎ)」からとういう説が有力と言われてますね。
二番目の説は、草木張月は、草木の芽が張りだす月の意味で、他にも「草木更新」(日本古語大辞典)⇒「草木の更生することをいう」があります。
参考:月の異名を一覧で確認する!それらの由来・別名・覚え方などを大特集
2月の異名「如月」という漢字は、「二月を如となす」(中国最古の辞書『爾雅(じが)』)に由来する当て字ですね。「如月」は「にょげつ」と読み、「寒い冬が終わり、春に向かって万物が動き始める時期」という意なんです。
2月の別名は?
それでは、2月の別名(如月は除きます)を見ていきましょう。
2月の別名は?
冒頭でいったように、別名の数は64でした!
為如、殷春、卯の月、梅早月・梅津早月、梅五月・梅津五月、梅月・梅津月、梅花見月、梅見月、小草生月、開氷、花景、花月、花春、華朝、花朝、雁帰月、酣春、二月、如、衣更着、更衣、著更着、絹更月、春分、宜春、橘如、夾鐘、啓月、恵風、晅春、建卯月、降入、降婁、木芽月、春朝、春濃、春半、春和、四陽、星鳥、大壮月、仲春・中春、仲序、仲鐘、仲半、仲分、中和、仲陽、桃華、踏青、仲の春・中の春、初花月、半春、繁節、美景、分月、卯月、芳春、雪消月、陽中、雷啓蟄、麗月、令月、令節
多いとは思いますが、1月は87でしたから、なんと23の減少ですよ。
参考:二月如月(きさらぎ)
今月のタイトルには、そこそこの数と記したんですが、1月の別名の数(87)に比べ、かなりの減少のためだったからです。
それでは、これらのそこそこの別名の由来、ないし、辞書等に載っているか調査した結果をご紹介します。
「2月の別名」の由来等が判明したモノ
2月の別名で、それなりの確認が取れた内容を一覧にしましたので、ご紹介しましょう。
別名 | 読み | 意味 |
---|---|---|
為如 | いじょ | 旧暦の2月の異称 |
殷春 | いんしゅん | 旧暦の2月の異称 |
卯の月 | うのつき | 陰暦2月の異名。卯月(ぼうげつ)。 |
梅早月・梅津早月 | うめつさつき[「津」は、「の」の意味の当て字] | 2月の異名。梅は2月を象徴する花。 |
梅五月・梅津五月 | うめつさつき[「津」は、「の」の意味の当て字] | 陰暦二月の異称。 |
梅月・梅津月 | うめつづき[「津」は、「の」の意味の当て字] | 陰暦二月の異称。 |
梅見月 | うめみづき | 旧暦二月の異名で、西暦でいうと3月頃。 |
小草生月 | おぐさおいづき・こぐさおうつき | (小草が生え始める月の意) 陰暦二月の異名。 |
開氷 | かいひょう | 春になって、湖・池・海などの氷が解けること。 また、解けた氷。 |
花月 | かげつ[三月とする文献も] | ①花と月。②風流な遊び。 |
花朝 | かちょう | 陰暦2月の異称。また、特に2月15日(または1日、12日)を指す。 |
雁帰月 | かりかえりづき | 2月の異名。秋にやってきた渡り鳥の雁(がん)が春が近づきシベリアへ帰っていく頃ということから、「雁帰月(かりかえりづき)」という呼び方もあるようです。 |
酣春 | かんしゅん | 春まっさかり。春たけなわ。春の盛り。 |
二月 | きさらぎ | 二月の別名は如月(きさらぎ)。 中国最古の辞書といわれる爾雅(じが)の中の「二月を如となす」という記述に由来しているそうです。 |
如 | きさらぎ・じょ | 「如月」で「にょげつ」と読み、「寒い冬が終わり、春に向かって万物が動き始める時期」の意がある。 |
衣更着 | きさらぎ・きぬさらぎ | 陰暦2月の異称。 |
更衣 | きさらぎ | 陰暦2月の異称。 |
絹更月 | きさらぎ | 衣更着をこの漢字に当てたモノ |
春分 | きさらぎ・しゅんぶん | しゅんぶん:二十四節気の一つ。太陽の中心が春分点上に来た時の称。春分を含む日を春分の日といい、太陽暦では3月20日頃。春の彼岸の中日に当たる。昼夜の長さがほぼ等しい。 |
夾鐘 | きょうしょう・こうしょう | 陰暦2月の異称。 |
恵風 | けいふう | 陰暦2月の称。 |
建卯月 | けんぼうげつ | 陰暦2月の異名。卯の月(うのつき)。 |
木芽月 | このめづき | (木の芽の出る月)陰暦2月の異称。 |
春朝 | しゅんちょう | 春の日の朝のこと。冬から解放された気持ちの良さがこめられる. |
春半 | しゅんはん | 春の半ば |
春和 | しゅんわ | 春の穏やかで、明るい陽気のこと。 |
仲春・中春 | ちゅうしゅん・なかのはる | (春の三か月の真中の意) 陰暦二月の異称。 |
仲序 | ちゅうじょ | 陰暦二月の異称。 |
中和 | ちゅうわ | 異なる性質を持った物質同士が交わって互いの性質を消し合うこと、相殺。 酸と塩基が交わって塩と水を生成すること。 |
仲陽 | ちゅうよう | 陰暦2月の称。仲春。 |
踏青 | とうせい | 春に新しく芽生えた青草を踏みながら野山に遊ぶこと。旧三月三 日に行われていた中国の風習に由来する。 |
仲の春・中の春 | なかのはる | 陰暦2月の異称。 |
初花月 | はつはなづき | 正月の異名。 |
半春 | はんしゅん | 春なかば。 |
繁節 | はんせつ | 物事を、ある基準で区分けしたときの一つ一つ。 |
美景 | びけい | 陰暦二月の異称。 |
卯月 | ぼうげつ | 陰暦2月の異名。 |
芳春 | ほうしゅん | 花の盛りの春。春の美称。 |
雪消月 | ゆきぎえづき・ゆきげづき・ゆきげしづき | 陰暦2月の異称。 |
雷啓蟄 | らいけいちつ | 二十四気の一つ。陰暦二月の節気。太陽暦の三月五日頃にあたる。 |
麗月 | れいげつ | 陰暦二月の異称。 |
令月 | れいげつ | 陰暦2月の異称。 |
令節 | れいせつ | ① よい時節。 よい節日。 佳節。 ② 年中行事の定まっている節日。 |
2月の別名は43の内容を確認できました!1月の74個に比べて31も減りましたが…。
但し、開氷(かいひょう)、花月(かげつ)、酣春(かんしゅん)他、陰暦2月の異称と明確に出ていない言葉もあります。
由来も不明、辞書にもない別名
残念ながら、由来も何らかの情報も取れなかった別名が21もありました。
梅花見月(うめのはなみづき)、花景(かけい)、花春(かしゅん)、華朝(かちょう)、著更着(きさらぎ)、宜春(ぎしゅん)、橘如(きつじょ)、啓月(けいげつ)、晅春(けんしゅん)、降入(こうにゅう)、降婁(こうろ・こうろう)、春濃(しゅんのう)、四陽(しよう)、星鳥(せいちょう)、大壮月 たいそうづき)、仲鐘(ちゅうしょう)、仲半(ちゅうばん)、仲分(ちゅうふん)、桃華(とうか)、分月(ふんげつ)、陽中(ようちゅう)
この数は、1月の16に比べて5の増加でした。
月の異名について
2月如月(きさらぎ)の別名をご紹介しました。
64という、それなりに膨大な数でした。1月の87は別格として、そこそこの数だと思います。誰が名付けたのでしょうか?
この章では、毎回やっているように「和風月名(月の異名)」を1年分見てください。
月 | 異名 | 読み方 | 由来 |
---|---|---|---|
1月 | 睦月 | むつき | ■正月に一家がなごやかに「むつみあう」日を送るところから。 ■「生む月」の説もある。 |
2月 | 如月 | きさらぎ | ■寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので、「衣更着(きさらぎ)」。 ■「草木張月(くさきはりづき)」が転じたなども。 |
3月 | 弥生 | やよい | ■春の暖かい陽気に恵まれて、全ての草木が「彌生(いやお)い」茂る月の意で、これが詰まって「やよい」になったとされる。 |
4月 | 卯月 | うづき | ■旧暦四月頃に卯の花が盛りになることから。 ■稲種を植える月から、「植月(うづき)」 ■十二支の4番目の卯の説 |
5月 | 皐月 | さつき | ■早苗を植える月であることから。「早苗月」と称したのを略して「さつき」になったとされる |
6月 | 水無月 | みなづき | ■酷暑で日照りが続き、深山の水まで枯れ尽くすことから。 ■水を田に注ぐ月の意から「水張り月」「水月(みなづき)」が転じた。 |
7月 | 文月 | ふみづき | ■七夕の織姫に書文(ふみ)を供えることから。 ■稲穂のふくらむ月ということで、「ふくみ月」が転訛したという説 |
8月 | 葉月 | はづき | ■葉の落ちる月、「葉落月」から。 ■初めて雁が飛来するので、「初来月(はつきづき)」から ■稲の穂の張る月で「稲張月(ほはりづき)」を略した説。 |
9月 | 長月 | ながつき | ■「夜長月」の略が一般的。 ■「稲刈り月」の転訛。 ■九月は長雨の季節なので「長雨月」を略した。 |
10月 | 神無月 | かんなづき | ■諸神が出雲大社に集まり、諸国の神々が留守になることから「神なき月」が転訛したもの。 ■「神嘗月」や「神の月」が転訛した。 |
11月 | 霜月 | しもつき | ■『奥義抄』にある「霜しきりにふるゆえに、霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」が定説となっている。 |
12月 | 師走 | しわす | ■12月は僧(師)を迎えて経を読ませるため、「師が走る」ことからが定説。 ■「歳極(としはつ)月」または「成し終わる月」が転訛した。 |
上記の一覧は次の記事から抜粋しました。
一覧の他にも、「異名の別名」や、私が考案した「月の異名の覚え方」などを紹介しています。
さて、一覧にある「月の異名」を覚えるために記事を書いてます。
「月の異名の覚え方」を多数紹介していますよ。あなたに合った覚え方がきっと見つかります!是非、覗いてください。
最後に
今回は、2月の別名をたくさん見てきました。
2月は1月から減少したものの64の別名がありました。
その中から43の別名の由来及び説明等を見つけることができました。説明のつかない見つからない別名は21でした。
それにしても、昔の人は、よくこれだけの別名をつけたものですね。素晴らしいことです。
さあ、2月の別名も終わり、残るは3~5月の3ヶ月です。コンプリートまで、あとわずかです!頑張るぞ。
それでは、3月弥生の別名で、お会いできることを楽しみにしています。
■思えば月の別名も増えたものです。
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