3月の別名は71とそれなりの数に!由来も含めてガッツリとご紹介
さて、今日は2023年12月3日となり、あれだけ猛威を振るった暑さも雲散霧消し、かなりの寒さがやってきてますね。
こうなってくると、今度は暖かさを求めるんですから、いやはや困ったもんです。
そこで、記事くらいは暖かさを求めてもいいだろうということで、シリーズものの別名の記事として「3月の別名」を書いてみます。
「異名の別名」(月の異名の記事の中の章)として各月の別名を紹介していますが、3月には7つの別名が載っています。
今回の記事でも、6月から順に7月、8月…1月、2月と各月の別名をみてきたように、参考記事から拾った様々な別名(3月は71でした)に対して由来等を探してご紹介していきます。
どうか、今回も最後までご覧になってくださるよう、お願いします。
3月の異名は
いつものように、別名を見る前に「3月の異名」と呼ばれる和風月名と呼ばれる「旧暦の月の和風の呼び名」を確認しましょう。
和風月名をご存知の方は、「3月の別名・異名」というと、こちらの名称を思い浮かべる方が多いと考えます。
3月の異名(和風月名)は?
弥生 やよい
この「3月の異名」をご存知の方はどの位いらっしゃるんでしょうか?この名称も、それほど有名ではないですから。
それでは、この「やよい」の由来を見てください。冒頭で紹介した記事から抜粋します。
- 春の暖かい陽気に恵まれて、全ての草木が「彌生(いやお)い」茂る月の意で、これが詰まって「やよい」になったとされる。
「いやおい」⇒「やよい」と変化したんですなあ。
弥生の「弥」は「いよいよ・ますます」という意、「生」は「草木が芽吹く」意を意味しているんです。
この異名の特徴は、12月の「師走」と共に、異名に「月」を含まない月なんですね。ちょっとした雑学として覚えておくといいですね。
参考:月の異名を一覧で確認する!それらの由来・別名・覚え方などを大特集
3月は、日本では、主に会計年度や学年の年度替りの時期に当たります。月を通して、卒業式や送別会が行われ、出会いと別れの時期なんですね。
3月の別名は?
それでは、3月の別名(弥生は除きます)を見ていきましょう。
冒頭でいったように、別名の数は71でした!
いやおいの月、雩雲、鶯乱啼、嘉月・佳月、花月、華節、花飛、花老、喜月、季春、帰春、晩春、禊月、恵風、建辰月、穀雨、姑洗・沽洗、五陽、載陽、桜月、早花咲月、早花月、残景、蠶月・蚕月、蠶春、残春、三陽、染色月、終春、宿月、主陽、春帰、春末、春杪、称月、杪春、辰月、寝月、清明、餞春、辰の月、竹秋、中姑、重三、殿春、桃月、桐春、桃浪、莫春、発陳、花月・花津月、花見月、禊月・祓月、春惜月雛月、病月、寎、寎月、芳春、暮春、暮陽、暮律、末春、三月、蚕月、愈老、弥生月、夢見月、餘春・余春、緑秀、老鶯
引用 三月如月(やよい)
1月87、2月64ときて、3月71とやや盛り返した感があります。でも、71の別名って、考えるとものすごく多いですよね~!
それでは、これらの別名の由来、ないし、辞書等に載っているか調査した結果をご紹介します。
「3月の別名」の由来等が判明したモノ
3月の別名で、何らかの確認が取れた内容を一覧にしました。ご覧ください。
3月の別名 | 読み | 意味等 |
---|---|---|
いやおいの月 | いやおいのつき | 三月の異称。 |
雩雲 | ううん | 3月の古い呼び名。 |
鶯乱啼 | おうらんてい | 三月の別名が鶯乱啼(おうらんてい)といいます. 言葉の通りなら. 鶯が啼く時期. |
嘉月・佳月 | かげつ[一月とする文献も] | 陰暦三月の異称。 |
花飛 | かひ | 花(桜か)が散っていく、春の終わりの月。 |
花老 | かろう | 花(桜か)が散っていく、春の終わりの月。 |
季春 | きしゅん | 陰暦3月の称。 |
晩春 | くれのはる・ばんしゅん | 陰暦3月の異称。春の末。 |
禊月 | けいげつ・けつげつ | 陰暦3月の異称。3月3日の上巳の節句に、上巳の禊を行うことに由来する。 |
恵風 | けいふう | 陰暦2月の称。めぐみの風。春風。 |
建辰月 | けんしんげつ | 陰暦3月の異名。辰の月(たつのつき)。 |
穀雨 | こくう | (春雨が降って百穀を潤す意)二十四節気の一つ。太陽の黄経が30度の時。春の季節中の最後。太陽暦4月20日頃。 |
姑洗・沽洗 | こせん | 陰暦三月の異名。 |
桜月 | さくらづき | 陰暦3月の異称。 |
早花咲月 | さはなさづき・さはなさきづき | 陰暦3月の異称。 |
早花月 | さはなづき | 陰暦三月の異名。 |
蠶月・蚕月 | さんげつ[四月とする文献も。「運歩色葉集」などでは三月] | 三月の別称。蚕が卵から孵り、養蚕が始まることから。 |
残春 | ざんしゅん | 春のなごり。春の末。 |
染色月 | しめいろづき | 陰暦8月の異称。 |
春末 | しゅんまつ | 晩春という,春の深まった時期 |
春杪 | しゅんびょう | 陰暦3月の異称。春の終わり。晩春。暮春。 |
杪春 | しょうしゅん・びょうしゅん | 春の末。 暮れの春。 陰暦三月ころ。 |
辰月 | しんげつ | 陰暦3月の異名。辰の月(たつのつき)。 |
清明 | せいめい | (清く明るい気が満ちる意)二十四節気の一つ。太陽の黄経が15度の時。春分後15日目、すなわち3月の節せつ。太陽暦の4月4日頃に当たる。 |
辰の月 | たつのつき | 陰暦3月の異名。辰月(しんげつ)。 |
竹秋 | ちくしゅう | 竹の落葉期である陰暦3月の称。 |
重三 | ちょうさん | 陰暦3月3日の節句。桃の節句。 |
殿春 | でんしゅん | 陰暦3月の称。 |
桃浪 | とうろう | 旧暦の3月は、桃の花の盛りの時期です。そこで、「桃浪(とうろう)」という異称もつきました。 |
莫春 | ばくしゅん | 春の暮れ。晩春。 |
発陳 | はっちん | 春の3か月の期間。「発陳」とは「陳(ふる)きを押し出し、新しいものを発生させる」という意味。 |
花月・花津月 | はなつづき[「津」は、「の」の意味の当て字] | 陰暦三月の別称. |
花見月 | はなみづき | 旧暦の3月。花が次々に咲く月。「津」は当て字。花の月、の意味。 |
禊月・祓月 | はらいづき・はらえづき | 陰暦三月の異称。 |
春惜月 | はるおしみづき | 陰暦3月の異称。陰暦では春の終わる季節のため、このように呼ばれる。 |
雛月 | ひいなづき | 三月の別称。3月3日に雛祭りが行われることから。 |
寎 | へい・やよい | 陰暦三月のこと。 |
寎月 | へいげつ | 陰暦三月の別称. |
芳春 | ほうしゅん | 花のさかりの春。春をたたえていう語。 |
暮春 | ぼしゅん | 陰暦3月の異称。春の末。晩春。暮の春。 |
暮律 | ぼりつ | 陰暦三月の異称。 |
三月 | やよい | 日本では旧暦3月を 『弥生 (やよい) 』 と呼び、 現在でも3月の別称として用いますが、 弥生の 由来は草木がいよいよ生い茂る月 「木草弥や生ひ月 (きくさいやおひづき) 」 が詰まって 「やよい」 となったようです。 |
蚕月 | やよい・やよいのつき | 陰暦3月の異称。 |
愈老 | やよい | 三月の別称。弥を重ねて「愈(いよいよ)」に通じ、生いが老い(元々はポジティブな成長の意味)に通じることから。 |
弥生月 | やよいづき | 日本では旧暦3月を 『弥生 (やよい) 』 と呼び、 現在でも3月の別称として用いますが、 弥生の 由来は草木がいよいよ生い茂る月 「木草弥や生ひ月 (きくさいやおひづき) 」 が詰まって 「やよい」 となったようです。 |
夢見月 | ゆめみづき | 陰暦3月の異称。 |
餘春・余春 | よしゅん | 春の末。晩春。 |
老鶯 | ろうおう | 春が過ぎても鳴くウグイス。老いうぐいす。夏の季語 |
3月の別名は48の内容を確認できました!2月の43に比べて5増えたものの1月の73と比べると、ちょっと悔しい結果となりました。
餘春・余春(よしゅん)、老鶯(ろうおう)、他、陰暦3月の異称と関わらない言葉も含んでいます。
由来も不明、辞書にもない別名
残念ながら、由来も何らかの情報も取れなかった別名が23もありました。
花月、華節、喜月、帰春、五陽、載陽、残景、蠶春、三陽、終春、宿月、主陽、春帰、称月、寝月、餞春、中姑、桃月、桐春、病月、暮陽、末春、緑秀
この数は、1月16、2月21と比べても多い数となってしまいましたね。
月の異名について
3月弥生(やよい)の別名をご紹介しました。
71という、それなりに膨大な数でした。1月の87まではいきませんが、そこそこの数だと思います。
毎回言ってますが、昔の人はどうやって名づけを行うのでしょうか?
この章では、「和風月名(月の異名)」を1年分を一覧でご紹介してます。
月 | 異名 | 読み方 | 由来 |
---|---|---|---|
1月 | 睦月 | むつき | ■正月に一家がなごやかに「むつみあう」日を送るところから。 ■「生む月」の説もある。 |
2月 | 如月 | きさらぎ | ■寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので、「衣更着(きさらぎ)」。 ■「草木張月(くさきはりづき)」が転じたなども。 |
3月 | 弥生 | やよい | ■春の暖かい陽気に恵まれて、全ての草木が「彌生(いやお)い」茂る月の意で、これが詰まって「やよい」になったとされる。 |
4月 | 卯月 | うづき | ■旧暦四月頃に卯の花が盛りになることから。 ■稲種を植える月から、「植月(うづき)」 ■十二支の4番目の卯の説 |
5月 | 皐月 | さつき | ■早苗を植える月であることから。「早苗月」と称したのを略して「さつき」になったとされる |
6月 | 水無月 | みなづき | ■酷暑で日照りが続き、深山の水まで枯れ尽くすことから。 ■水を田に注ぐ月の意から「水張り月」「水月(みなづき)」が転じた。 |
7月 | 文月 | ふみづき | ■七夕の織姫に書文(ふみ)を供えることから。 ■稲穂のふくらむ月ということで、「ふくみ月」が転訛したという説 |
8月 | 葉月 | はづき | ■葉の落ちる月、「葉落月」から。 ■初めて雁が飛来するので、「初来月(はつきづき)」から ■稲の穂の張る月で「稲張月(ほはりづき)」を略した説。 |
9月 | 長月 | ながつき | ■「夜長月」の略が一般的。 ■「稲刈り月」の転訛。 ■九月は長雨の季節なので「長雨月」を略した。 |
10月 | 神無月 | かんなづき | ■諸神が出雲大社に集まり、諸国の神々が留守になることから「神なき月」が転訛したもの。 ■「神嘗月」や「神の月」が転訛した。 |
11月 | 霜月 | しもつき | ■『奥義抄』にある「霜しきりにふるゆえに、霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」が定説となっている。 |
12月 | 師走 | しわす | ■12月は僧(師)を迎えて経を読ませるため、「師が走る」ことからが定説。 ■「歳極(としはつ)月」または「成し終わる月」が転訛した。 |
上記の一覧だけでなく、「異名の別名」や、私が考案した「月の異名の覚え方」などを紹介している記事が次のモノです。
さて、上記の記事では、60爺考案の「月の異名」を覚えるための方法にも触れています。
しかし、世の中には「月の異名の覚え方」を考えた先人が多数いらっしゃいます。それらの方法も紹介した記事も書きました。
あなたに合った覚え方がきっと見つかります!是非、覗いてください。
最後に
今回は、3月の別名をたくさん見てきました。
3月は2月から少し増えて71の別名がありました。
うり、48の別名の由来及び説明等を見つけることができました。残念ながら、説明の見つからない別名も23あり、2月の数字を少し超えてしまいました。
キレイな別名を見ていると心が和みます。
あとは、4,5月の2ヶ月でコンプリートです。気合を入れてやっていきます。
■思えば月の別名も増えたものです。
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