「拘って」の読み方と意味を総特集!日本語ではない様な意外性がある
さてさて、今回は漢字の読みについてです。
先日、「拘って 独乙 ドイツワインは神の酒」という本の表題に出会いました。
引っ掛かったのは、タイトルにもある「拘って」です。これ、何と読むのか?
「拘」は、以前、「てへんに句で拘」で記事にしております。その際、拘の主だった読み方から、意味、書き順等は明らかにしておりますが、今、見直すと、「よ、読めない…」状況に陥っております。
今回の記事では、この「拘って」の読みは何なのか?2種類あるんですが一つの読みは日本語じゃないような読みだということで追いかけてみました。
どうぞ、最後までご一緒下さるよう、お願いします。
「拘って」の読みは?
それでは、「拘って」の読みは何なのか、まずは見てください。
「拘って」の読みは?
- こだわって
- かかずらって
一つ目「こだわる」は聞いたことがありますな。意味は次の3つです。
- つまらないことに心がとらわれて、そのことに必要以上に気をつかう。拘泥(こうでい)する。
- 〔新しい言い方で〕細かなことにまで気をつかって味覚などの価値を追求する。
- 〔古い言い方で〕物事が素直に運ばないで、途中でつかえたりひっかかったりする。
二つ目「かかずらう」が問題です。こんな日本語聞いたことがありますか?
でも、国語辞典には、ちゃんと載っているんですよ。をの意味を以下に示します。
- かかわりをもつ。
- こだわる。拘泥(こうでい)する。
参考:それぞれの意味は、明鏡国語辞典
「拘泥する」という意味が両者に含まれますね。それ以外の意味は、それぞれの読み独自の意味となります。
ですから、個別の意味で用いたいときには、漢字表記をするより、ひらがなで書いた方がいいですね。
冒頭で言った通り、拘については、既に、記事にしています。二つの読みを記事で確認したんですが、ちゃんと日本語のみの訓読みの中に存在していました。
ちょっと時間が経つと、内容について思い出せなくなっているのは記憶力の低下ですかねエ^^;
ちなみに、パソコンで「こだわって」と入力し変換を押下すると「拘って」に変換できますが、「かかずらって」は変換できませんね。
また、スマホでも同様で、「こだわって」に対して「拘って」が変換候補に出ますが、「かかずらって」は変換候補が出てきませんね。
「拘って」の使い方
この章では、「拘って」の使い方、使用例を見ていきましょう。
こだわって 例文
はじめに、「こだわって」と読む場合の例文からです。意味が三つあるので、その意味ごとに例文を挙げていきます。
拘泥(こうでい)する。
彼女は、小事に拘って、大切な側面を忘れてしまう悪い癖があるね
つまらないことに拘ってしまい、先にすべき大切な事柄を忘れちゃう癖があるんですなあ。
仕事なんかで、エアポケットに入ってしまう方を見かけますよね。
価値を追求する。
あの料理人は、徹底的に鮮度に拘って味を吟味するので、いい仕事ができるのさ
これは、先程の場合と違って良い意味で用いられます。
ネットで出会った次のようなタイトルは、この意味を持ったものですね。
- けっこう拘ってます!栗きんとん 1kg丸パック おせち料理 業務用 仕入れ
- 若手社員に拘って欲しいこと。
- 本州最南端のようかん屋、創業1900年の紅葉屋本舗が拘って作ったマンゴープリン
- 基本はシンプルに拘る所は拘って、私達の理想の家を建てることが出来ました。
- 焼肉屋さんが美味しさに拘って作った 丸福ハンバーグ10個
途中でつかえたりひっかかったりする。
東海道中膝栗毛6「脇指の鍔が、横腹へ拘って痛へのだ」
この内容は、古い言い方になります。
かかずらって 例文
次は、「かかずらって」と読む場合の例文です。
この言葉を使っている人にあったことがありません。
かかわりをもつ
そのことが原因で、私は妙な事件に拘っていくことになった
ある出来事により、その事件と関わりあいが出来たことを言っていますね。この文面ですと、「こだわって」にはなりませんね。
ただ、どうなんでしょう。実際、こういう時は、「関わって」とかを使用するんじゃないですかね。
まあ、60爺の場合、余り、語彙力がないこともありますけど…。
こだわる。拘泥(こうでい)する。
あの人は、つまらぬ体裁に拘って意味のない見栄を張るんですよ。
こういう文面では、「かかずらって」ではなく「こだわって」と読まれても仕方ないですね。意味も同じですし。
いくつか例文を見てきましたが、「拘って」の部分は、漢字表記だとわかりづらいので、仮名書きにした方が、その意味を捕らえやすいですね。
読み方の難しい言葉
今まで記事にした中で難しい読み方のある言葉を一覧にしてみました。
- 相殺
- 8日
- ゐ
- 句読点
- 一悶着
- 眩光
- 十割そば
意外と手ごわくないですか?簡単すぎて笑っちゃう人もいるかもしれませんね。
これらは、全て記事にしてますのでご紹介します。合わせて、読みも入れておきますね。
言葉 | 読み | 記事 |
---|---|---|
相殺 | そうさい、そうさつ | 相殺を総特集「そうさい」以外の読み方から意味・使い方まで |
8日 | ようか | 8日の読み方は「ようか」だが何でそういうのか語源から探ってみた |
ゐ | い | 「ゐ」の読み方から意味・打ち方と「ゐる・いる」の違いまでをご紹介 |
句読点 | くとうてん | 句読点とは何か?その読み方・起源・使い方・覚え方など総特集 |
一悶着 | ひともんちゃく | 一悶着とは何か?その読み方と意味・使い方・類語を詳細に紹介するよ |
眩光 | げんこう | 眩光の読み方を大特集!何と辞書にはない面白みたっぷりな言葉だよ |
十割そば | じゅうわりそば、とわりそば、とかちそば | 十割そばの読み方は?じゅうわり・とわり・とかち…どれが正しいのか |
それぞれの内容に興味を持たれた方は、是非、ご覧ください。
最後に
「拘って」という、普段あまり見たことのない言葉に導かれて記事を書きました。
二つの読みがありましたが、一方は、まあ、割と馴染みのある「こだわって」でしたが、もうひとつは、初耳となる「かかずらって」でした。
この「かかずらって」ですが、当然、辞書では「かかずらう」だろうと思い引いてみたら、ちゃんと載っていたのには少なからずの驚きでした。イヤーッ、こんな日本語あったんですね。
この言葉知ってた人って、どの位いるんですかね。
これからも、レーダーを張って、新しい?言葉に出会いたいですね。
※気づけば言い方・呼び方の漢字の記事も増えてきました
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