4月の別名は65と3月からやや減少!由来も含めてガッツリとご紹介
〇月の別名シリーズも残りが2つ(4月と5月)になっています。2023年も残す所、20日を切りました。
年内に作成して楽になった方がいいかなと考えています。
さて、今回は、暖かさが本番となる「4月の別名」を対象にします。別名の中には、皆さんもご存知の「和風月名」と呼ばれる異名が別格として存在します。
さて、今回の記事でも、今までやってきたように様々な別名(4月は異名の他に65ありますが、思ってた以上に関連性が強くないものも含まれています)の由来等を探してご紹介します。
どうか、ご一緒にご覧になってください。
4月の異名は
別名を見る前に、「4月の異名」即ち、和風月名と呼ばれる「旧暦の月の和風の呼び名」を確認していきましょうか。
和風月名をご存知の方は、「4月の別名・異名」というと、こちらの名称を思い浮かべる方が多いと考えます。
4月の異名(和風月名)は?
卯月 うづき
この「4月の異名」も、それほど馴染みはないかな。もし、ご存知であれば、多少ドヤ顔してもいいんじゃないでしょうか。
それでは、この「うづき」の由来を見てみます。
- 旧暦四月頃に卯の花が盛りになることから。
- 稲種を植える月から、「植月(うづき)」
- 十二支の4番目の卯の説
冒頭で紹介した記事から抜粋したんですが、3つの説があるんですな。
トップは、卯の花の盛りになる季節だからという説ですね。これ、12世紀中頃の歌学書「奥義抄」に載ってます。卯の花を「波流花(うのはな)」と書いてます。
2番目は、月名は稲作に関するという立場の「大言海」からの出典で「植ゑ月」の義です。即ち、「稲種を植える月」ですな。
最後は単純!十二支の4番目は「うさぎ」です。漢字表記が「卯」ということから、4月⇒卯月としたものです。
参考:月の異名を一覧で確認する!それらの由来・別名・覚え方などを大特集
4月は、新年度または新学期の時期ですよね。学校・官公庁・会社などでは入学式・入社式が行われ、3月と同様に気ぜわしいですな。
ウサギは特別な数え方が成されます。皆様、ご存知ですか?匹でもいいんですが雑学として覚えちゃいましょう。
4月の別名は?
4月の異名が「卯月」と分かったところで、それ以外の4月の別名を見ていきましょう。
4月の別名は?
冒頭でいったように、異名の「卯月」を除いた別名の数は65でした!
畏月、畏日、維夏、陰月、卯花月、卯月、夏初月・夏端月、夏半、花卯月、花残月、乾月、乾梅、建巳月、献梅、庚伏、祭月、四月、始夏、朱夏、朱明、首夏、修景、純乾、純陽、初夏、小満、新夏、正月、正陽、正陽月、清玉、清至、清和、清和月、跡踵、早夏、送春、仲呂・中呂、朝陽、鳥待月、鳥来月、鎮月、得鳥羽月、梅雨、梅月、梅溽、肇夏、伏暑、乏月、巳の月、巳月、孟夏、木葉採月、余、余月、蘭地、立夏、六気、六陽、和清、槐夏、蠶月・蚕月、圉余、麦月、麦秋、麦風
3月は71でしたから6の減少ですよ。
参考:四月 卯月(うづき)
1月87、2月64、3月71、4月66と凸凹感がありますな。2月とほとんど同じですが、65も別名があると考えると、やっぱり数としては多いです!
じゃ、いつもやってるように、これら別名について、由来や辞書等に載っているかの調査結果をご紹介します。
「4月の別名」の由来等が判明したモノ
4月の別名で、何らかの確認が取れた内容を一覧にしました。ご覧ください。
4月の別名 | 読み | 意味 |
---|---|---|
維夏 | いか | 夏の最初の月。旧暦では4,5,6月が夏なので。 |
畏日 | いじつ | 夏の日。夏の炎天の日。旧暦では4,5,6月が夏なので、4月に当てたのではないでしょうか |
陰月 | いんげつ | 陰暦四月の異称。陽がきわまって陰を生じる月という。 |
四月 | うづき | 一年の4番目の月。卯月。十二支の4番目「うさぎ(卯)」 |
余月 | うづき・よげつ | 陰暦4月の異称。 |
卯花月 | うのはなづき | 陰暦4月の異称。 |
梅月 | うめづき・ばいげつ | うめづき【梅月】:① 陰暦五月の異称。② 陰暦四月の異称。 |
得鳥羽月 | えとりはづき・えとりはのつき・とことばのつき | 陰暦4月の異称。 |
夏半 | かはん | 陰暦4月の異称。 |
乾月 | けんげつ | 陰暦四月の異名 |
建巳月 | けんしげつ | 陰暦4月の異名。 |
庚伏 | こうふく | 夏のうちで、いちばん暑い時期。旧暦では4,5,6月が夏なので、4月に当てたのではないでしょうか |
木葉採月 | このはとりづき | 陰暦4月の異称。 |
蠶月・蚕月 | さんげつ | 陰暦3月の異称といっているモノが多いですが、蚕が活発に動く月として陰暦4月にも充てたのでしょうか? |
巳月 | しげつ | 旧暦4月のこと。 |
首夏 | しゅか | ①夏のはじめ。初夏。②陰暦4月の異称。 |
朱夏 | しゅか | 夏の異称。旧暦では4,5,6月が夏なので4月の別名に当てたのでは |
朱明 | しゅめい | 夏の異称。旧暦では4,5,6月が夏なので4月の別名に当てたのでは |
純陽 | じゅんよう | 陰陽道で、四月の己巳の日をあてることから |
小満 | しょうまん | 二十四節気の一つ。太陽の黄経が60度の時で、4月の中ちゅうから |
初夏 | しょか・はじめのなつ | 陰暦4月の異称。 |
新夏 | しんか | 陰暦四月の異称。 |
正月 | せいげつ[正陽の月」のこと] | 陰暦四月の異称。 |
正陽 | せいよう | 陰暦4月の異称。 |
正陽月 | せいようづき・せいようのつき | 陰暦4月の異称。 |
清和 | せいわ | 陰暦4月朔日の異称。【朔日(さくじつ)】:陰暦で、月の第一日。ついたち。 |
清和月 | せいわづき | 旧暦4月頃の天候だったようで、4月の異称 |
早夏 | そうか | 4月の異称 |
送春 | そうしゅん | 過ぎ去って行く春を送ること。そこから夏の始まりである4月の別名になったのでは |
仲呂・中呂 | ちゅうりょ・ちゅうろ | 陰暦四月の異称。 |
朝陽 | ちょうよう | あさひ。日の出。1日を12分割すると、6:00-8:00がこれに当たり、朝日が差す時刻ということ |
鎮月 | ちんげつ | 4月の異名 |
鳥来月 | とりくづき | 4月の異名 |
鳥待月 | とりまちづき | 陰暦4月の異称。 |
夏初月・夏端月 | なつはづき | 陰暦四月の異称。 |
梅雨 | ばいう | 初夏に、雨がふり続くころ。旧暦では4,5,6月が夏なので4月の別名に当てたのでは |
麦秋 | ばくしゅう・むぎあき | 陰暦4月の異称。 |
麦風 | ばくふう | 麦秋の頃に吹き渡る風のこと。同上 |
花残月 | はなのこりづき・はなのこしづき | 陰暦4月の異称。 |
伏暑 | ふくしょ | 盛夏の暑さ。旧暦では4,5,6月が夏なので4月の別名に当てたのでは |
乏月 | ぼうげつ | 陰暦4月の異称。 |
祭月 | まつりづき[京都・賀茂神社の祭礼「葵祭」が陰暦四月にあたるので] | 陰暦4月の異称。 |
巳の月 | みのつき | 旧暦4月のこと。 |
孟夏 | もうか | 陰暦4月の異称。 |
立夏 | りっか | 夏の始め。旧暦では4,5,6月が夏なので4月の別名に当てたのでは |
4月の別名は45の内容を確認できました!3月の48とほとんど変わりませんね!
いくつかの別名については60爺が仮説を挙げていますよ~!
由来も不明、辞書にもない別名
残念ながら、由来も何らかの情報も取れなかった別名が20もありました。
畏月(いげつ)、余(うづき・よ)、槐夏(かいか)、乾梅(けんばい)、献梅(けんばい)、圉余(ごよ)、始夏(しか)、修景(しゅけい・しゅうけい)、純乾(じゅんけん)、清玉(せいぎょく)、清至(せいし)、跡踵(せきしょう)、肇夏(ちょうか)、梅溽(ばいじょく)、麦月(ばくげつ)、花卯月(はなうづき)、蘭地(らんち)、六気(りくき)、六陽(りくよう)、和清(わせい)
この数は、1月16、2月21、3月23でしたので、2月、3月に近い数字ですね。
月の異名について
4月卯月(うづき)の別名をご紹介しました。
65という、まあまあ大きな数字でした。2月とほぼ同じでしたよ。
これだけの別名はどうやって生まれてきたんですかね?
この章では、いつもの通り、「和風月名(月の異名)」1年分を紹介します。
月 | 異名 | 読み方 | 由来 |
---|---|---|---|
1月 | 睦月 | むつき | ■正月に一家がなごやかに「むつみあう」日を送るところから。 ■「生む月」の説もある。 |
2月 | 如月 | きさらぎ | ■寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので、「衣更着(きさらぎ)」。 ■「草木張月(くさきはりづき)」が転じたなども。 |
3月 | 弥生 | やよい | ■春の暖かい陽気に恵まれて、全ての草木が「彌生(いやお)い」茂る月の意で、これが詰まって「やよい」になったとされる。 |
4月 | 卯月 | うづき | ■旧暦四月頃に卯の花が盛りになることから。 ■稲種を植える月から、「植月(うづき)」 ■十二支の4番目の卯の説 |
5月 | 皐月 | さつき | ■早苗を植える月であることから。「早苗月」と称したのを略して「さつき」になったとされる |
6月 | 水無月 | みなづき | ■酷暑で日照りが続き、深山の水まで枯れ尽くすことから。 ■水を田に注ぐ月の意から「水張り月」「水月(みなづき)」が転じた。 |
7月 | 文月 | ふみづき | ■七夕の織姫に書文(ふみ)を供えることから。 ■稲穂のふくらむ月ということで、「ふくみ月」が転訛したという説 |
8月 | 葉月 | はづき | ■葉の落ちる月、「葉落月」から。 ■初めて雁が飛来するので、「初来月(はつきづき)」から ■稲の穂の張る月で「稲張月(ほはりづき)」を略した説。 |
9月 | 長月 | ながつき | ■「夜長月」の略が一般的。 ■「稲刈り月」の転訛。 ■九月は長雨の季節なので「長雨月」を略した。 |
10月 | 神無月 | かんなづき | ■諸神が出雲大社に集まり、諸国の神々が留守になることから「神なき月」が転訛したもの。 ■「神嘗月」や「神の月」が転訛した。 |
11月 | 霜月 | しもつき | ■『奥義抄』にある「霜しきりにふるゆえに、霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」が定説となっている。 |
12月 | 師走 | しわす | ■12月は僧(師)を迎えて経を読ませるため、「師が走る」ことからが定説。 ■「歳極(としはつ)月」または「成し終わる月」が転訛した。 |
上記の一覧の他、冒頭でも述べた「異名の別名」、それと恥ずかしながら60爺が考案した「月の異名の覚え方」などを次の記事で紹介しています。
「月の異名」を覚え方なんですが、他にもたくさんあるんですね。で、こちらの記事では、それらに特化していますよ。
是非、覗いてください。皆さまに合った「月の異名の覚え方」がきっと見つかります!
最後に
歳が変わる前に、本シリーズを終えようという気がむくむくと出て来ましたので、まずは4月の別名をアップしました。
4月は2月とほぼ同数の65の別名がありました。
うち、3月に近い46の別名の由来及び説明等を見つけることができました。さしひき、説明の見つからない別名は19となり、1月以来の10台の数字となりました。
先人の残した数々の別名を見ていると、「よく、これだけの数を作ったな」と感心します。
さあ、残すは5月の別名のみ。年内に片をつけましょう。
■思えば月の別名も増えたものです。
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