王将戦の日程を見どころも含めて大特集!2024年の観戦計画を立てよう
王将戦は、将棋の8大タイトルの中で年明けに始まる将棋のタイトル戦です。序列は7位のタイトルですが、2日制のタイトル戦です。2023年は羽生善治九段の挑戦で盛り上がりました。
2023年10月11日に藤井聡太竜王・名人が八冠制覇を成し遂げたあと、竜王戦を4連勝で防衛し、2回目の八冠防衛を賭けたタイトル戦です。
さらに、2024年2月8日4連勝で藤井王将がこのタイトルを防衛、タイトル戦20連勝という、またしても、とんでもない新記録を成し遂げました。
今回の挑戦者は、2022年の第8期叡王戦挑戦者の菅井八段です。タイトル戦では、2回目の振り飛車使いとの対戦になる訳です。今回は、叡王戦と違い2日制ですので、どんな戦いが見られるでしょうか。
この記事では、第73期王将戦に向け、日程や、2024年最初のタイトル戦見どころ等を総特集しちゃいます!
是非、ご覧になってくださいませ。
第73期王将戦七番勝負日程と会場
第73期王将戦七番勝負の日程と会場は既に決定しています。
- 【第1局】1月7、8日(日、月祝)「ホテル花月」栃木県大田原市黒羽向町2
- 【第2局】1月20、21日(土、日)「大幸園」佐賀県三養基郡上峰町堤1651-109
- 【第3局】1月27、28日(土、日)「国民宿舎さんべ荘」島根県大田市三瓶町2072-1
- 【第4局】2月7、8日(水、木)「オーベルジュ ときと」東京都立川市錦町1-24
- 【第5局】2月17、18日(土、日)「摂津峡花の里温泉 山水館」大阪府高槻市原3-2-2
- 【第6局】3月9、10日(土、日)「掛川城 二の丸茶室」静岡県掛川市掛川1138-24
- 【第7局】3月30、31日(土、日)「白瀧呉服店」東京都練馬区北町8-37-11
藤井王将は強すぎて、第5局以降の会場はやきもきしているんでしょうね。そんなこともあり、菅井八段には頑張っていただき、一局でも多く対局して欲しいです。
それでは、それぞれの会場について簡単に見ていきましょう。
第1局会場「ホテル花月」
「ホテル花月」は、王将戦ではおなじみの宿ですね。
第70期王将戦第3局、第71期王将戦第3局、そして、第72期王将戦でも第7局の会場としてエントリーされていました。
それもそのはず、2022年の時点で16期連続王将戦が開催されているんですよ。「ホテル花月」の入口付近には王将戦のギャラリーが設置されています。過去の対戦の歴史を振り返ることができます。
第2局会場「大幸園」
「大幸園」は1972年創業で、2017年にかっぽう料理店から創作料理店へリニューアルオープンしました。
鎮西山(標高202メートル)の南麓にあり、筑紫平野を見下ろしながら料理が楽しめます。
王将戦の対局場に選ばれるのは2023年で7年連続となります。
2022年は第5局が予定されていましたが、4連勝で決着が付いたため対局は行われませんでした。
ただ、この対局で予定していた「王将御膳」(1万1000円・税込み・予約制)をメニュー化したところ、高価にもかかわらず、全国から将棋ファンが食べにくるそうです。
第3局会場「国民宿舎さんべ荘」
大田市・三瓶山の麓にある温泉旅館「国民宿舎さんべ荘」は、タイトル戦の会場としては異例の国民宿舎です。
ここで王将戦が行われるようになったのは、旅館を運営する会社の社長が、王将戦を主催する企業に自ら掛け合って招致したことです。
対局場として使われる離れ4棟は2億円以上投じて建設したそうです。さらに、将棋盤と掛け軸については、地元で会社を営む建設会社社長が、500万円以上かけて用意してくれました。
平成16年が最初の開催で、2023年で7回目の開催となります。
館内には、羽生九段をはじめ、棋士の直筆の書や記念品が飾られています。
第4局会場「オーベルジュ ときと」
「Auberge TOKITO(以下:オーベルジュ ときと)」は、2023年4月6日(木)南武線「西国立駅」から徒歩1分の所にオープンしました。
この、料理を中心とした宿泊施設は、株式会社立飛ホールディングスと株式会社立飛ホスピタリティマネジメント(ホテルの経営、運営を担当)が、立川市の「SORANO HOTEL」に続いて手掛けるモノです。
かつて「無門庵」という地元の老舗料亭があった場所で、歴史的な建物と一部の庭園を残しています。
「SORANO HOTEL」は、第70期から第72期まで王将戦の行われていた場所ですが、新たに建設された施設に移る訳ですね。
第5局会場「摂津峡花の里温泉 山水館」
詳細は、第5局が実施されることが決まった時点で掲載
第6局会場「掛川城 二の丸茶室」
詳細は、第6局が実施されることが決まった時点で掲載
第7局会場「白瀧呉服店」
詳細は、第7局が実施されることが決まった時点で掲載
第73期王将戦七番勝負
いよいよ、第73期王将戦七番勝負が開幕します。こちらでは、その勝敗をお知らせします。
どちらが初戦を制するでしょうか!
対局者/局数 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 | 第6局 | 第7局 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
藤井聡太竜王 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 防衛 | ||
菅井竜也八段 | ● | ● | ● | ● |
第1局は、2024年1月7,8日栃木県大田原市「ホテル花月」で開幕し、120手で後手の藤井王将が先勝しました。藤井王将は、タイトル戦20連勝に向け、幸先の良いスタートとなりました。
第2局は1月20、21日佐賀県三養基郡上峰町「大幸園」で行われ、113手で先手の藤井王将が連勝しました。藤井王将、防衛まで、あと2勝に迫りました。
第3局は1月20、21日大田市・三瓶山の麓にある温泉旅館「国民宿舎さんべ荘」で行われ、94手で後手の藤井王将が勝利し、3連勝です!藤井王将は、現在タイトル戦19連覇中で、歴代最多記録の20連覇はもう目前です。
第4局は2月7、8日(水、木)「オーベルジュ ときと」で行われ、121手で先手の藤井王将が勝ち、4勝0敗で王将位を防衛しました。
藤井竜王・名人(八冠)は、タイトル戦20連勝の新記録を達成するとともに、八冠を堅持しました。強い!
藤井聡太竜王と藤井達也八段の対戦成績
挑戦者となった藤井達也八段との対戦成績を見てみましょう。
年 | 月日 | 藤井肩書 | 手番 | 勝敗 | 菅井肩書 | 期・回 | 棋戦名 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024 | 2月8日 | 竜王・名人(八冠) | 先 | ○ | 八段 | 第73期 | 王将戦 | 第4局 |
2024 | 1月28日 | 竜王・名人(八冠) | 後 | ○ | 八段 | 第73期 | 王将戦 | 第3局 |
2024 | 1月21日 | 竜王・名人(八冠) | 先 | ○ | 八段 | 第73期 | 王将戦 | 第2局 |
2024 | 1月8日 | 竜王・名人(八冠) | 後 | ○ | 八段 | 第73期 | 王将戦 | 第1局 |
2023 | 5月28日 | 竜王 | 後 | ○ | 八段 | 第44回 | 日本シリーズ | 本戦2回戦 |
2023 | 5月25日 | 竜王 | 後 | ○ | 八段 | 第8期 | 叡王戦 | 第4局 |
2023 | 5月6日 | 竜王 | 先 | ○ | 八段 | 第8期 | 叡王戦 | 第3局 |
2023 | 4月23日 | 竜王 | 後 | ● | 八段 | 第8期 | 叡王戦 | 第2局 |
2023 | 4月11日 | 竜王 | 先 | ○ | 八段 | 第8期 | 叡王戦 | 第1局 |
2022 | 8月10日 | 竜王 | 後 | ● | 八段 | 第81期 | 順位戦 | A級2回戦 |
2020 | 7月18日 | 棋聖 | 先 | ○ | 八段 | 第41回 | 日本シリーズ | 本戦1回戦 |
2020 | 4月10日 | 七段 | 後 | ○ | 八段 | 第61期 | 王位戦 | 白組3回戦 |
2019 | 3月31日 | 七段 | 後 | ○ | 八段 | 第91期 | 棋聖戦 | 本戦2回戦 |
2019 | 1月19日 | 七段 | 後 | ○ | 七段 | 第13回 | 朝日杯 | 本戦1回戦 |
2019 | 5月31日 | 七段 | 後 | ○ | 七段 | 第32期 | 竜王戦 | 4組ランキング戦 |
2018 | 9月3日 | 七段 | 後 | ● | 王位 | 第44期 | 棋王戦 | 本戦2回戦 |
2017 | 8月4日 | 四段 | 後 | ● | 七段 | 第67期 | 王将戦 | 一次予選決勝 |
第73期王将戦第4局終了後の時点で藤井王将から見て対戦成績は13勝4敗で、藤井王将の7連勝中となりました。
菅井八段が振り飛車で藤井王将を苦しめるかと思いきや、圧倒の4連勝で王将位を防衛しました!
王将戦について
王将戦は次のような棋戦です。
1950年に一般棋戦として創設され、翌1951年(1期)にタイトル戦に格上げされました。既に、70年以上の歴史があります。
七番勝負の勝者は王将のタイトル称号を得ます。タイトルの序列は、八大タイトルの第7位です。
タイトルの序列についての記事です。
序列に特化した記事もあります。
王将戦は、挑戦者決定までに一次予選、二次予選をトーナメントで行い、この勝ち上がり者3名とシード棋士4名の七名で総当りの挑戦者決定リーグを行います。
挑戦者決定リーグの優勝者が挑戦者となって前期の王将と七番勝負を行います。
詳細は次の記事をご覧ください。
ここ4年間の王将戦七番勝負(☆:勝、★:負、持:持将棋、左側の棋士から見た勝ち負け)を見てみましょう。
- 第70期(2020年)渡辺明王将☆☆☆★★☆永瀬拓矢王座 防衛
- 第71期(2021年)渡辺明王将★★★★藤井聡太竜王 奪取
- 第72期(2022年)藤井聡太竜王☆★☆★☆☆羽生善治九段 防衛
- 第73期(2024年)藤井聡太竜王☆☆☆-菅井竜也八段
藤井聡太竜王は王将2連覇中です。第73期までの王将戦での成績は、11勝2敗(.846)ととても高い勝率を挙げています。
王将位は通算10期を獲得しないと永世位を獲得することが出来ません。今季を含めて8期獲得すれば良いわけですが最短でも2031年ですね。
藤井王将は異例のスピードでタイトルを獲得しまくっています。永世八冠も、今のままだと2031年には達成してしまいますね。
対局視聴方法
王将戦の無料放送、第1局はyoutubeで見られました。
解説付きの映像は、メンバーシップがないとダメですが、こちらでも十分楽しめると思います。
王将戦が始まったら、毎日新聞「特集 第73期王将戦」で王将戦七番勝負の進捗を確認できそうです。
棋譜チェックの方法
毎日新聞「特集 第73期王将戦」で王将戦七番勝負の棋譜中継を確認できるようです。
公開から30日間無料と書いてあります。
王将戦が始まれば、さらに詳細をお伝えします。
見どころ
第73期王将戦の見どころは、菅井竜也八段の振り飛車を、藤井聡太王将がどう迎え撃つかでしょう。
昨年(2022年)叡王戦は3勝1敗で防衛した藤井王将ですが、この時は千日手が1局で2回出るなど簡単にはいかなかった印象があります。
菅井八段としても善戦はしても勝ちきれなかったことも事実ですので、さらなる進化をして藤井王将の牙城を崩していきたいですね。
1日制の叡王戦と違い2日制となりますので、時間が豊富にあり、更なる熱戦が期待できそうです。
最後に
王将戦の日程2024をお届けしました。
第73期王将戦は、19期連続タイトル戦勝利の藤井聡太王将が、新記録であるタイトル戦20連覇をかけて戦うタイトル戦です。
絶対王者の王将に挑戦する棋士は、菅井竜也八段が再び挑戦権を勝ち取って挑みます。藤井王将にとっては、2日制のタイトル戦で振り飛車党の挑戦者を迎え撃つ戦いです。
楽しみです。
■思えば、将棋の記事も増えてきましたね!
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