藤井聡太の棋聖戦!タイトル取得までの軌跡と現在の状況を確認
2023年の将棋界は藤井聡太竜王・名人の一強時代に突入して久しいですね。
棋聖奪取から始まったタイトル獲得は、2023年10月11日の八冠達成で、まず一つの峠を越えました。
タイトル戦以外の一般棋戦も無敵状態です。
これからは、タイトル獲得は当たり前として、連続タイトル獲得がどこまで続くか、プラス永世タイトル獲得がどうなっていくかですね。
メチャクチャ強い藤井竜王・名人ですが、この記事では、「藤井聡太の棋聖戦」に注目して、棋聖のタイトル取得までの軌跡と現在の状況を確認していきます。
興味のある方もない方も、目を通していってください。
棋聖戦!タイトル取得までの軌跡
始めに、藤井竜王・名人が、棋聖のタイトルを取得までの軌跡を遡ってみていきましょうか。
棋聖戦!タイトル取得までの軌跡
藤井竜王・名人は、第91期棋聖戦5番勝負で、2020年7月16日3勝1敗(〇〇●〇)で渡辺明棋聖を破り、タイトル奪取初戴冠となりました。
藤井竜王・名人にとって棋聖のタイトルは、タイトル戦初挑戦、かつ、初めて獲得した縁起の良いタイトルです!
しかも、タイトル戦挑戦、タイトル獲得は両方とも将棋界最年少記録です。
記録 | 年齢 | 旧記録 |
---|---|---|
タイトル戦挑戦 | 藤井聡太 17歳10ヶ月20日 | 屋敷伸之 17歳10ヶ月24日 |
タイトル獲得 | 藤井聡太 17歳11ヶ月 | 屋敷伸之 18歳6ヶ月 |
藤井竜王・名人は、2016年10月1日棋士となったので、わずか3年9ヶ月ほどでタイトルを手中にしたことになります。
この棋聖戦、当時棋聖だった渡辺明九段が完敗だったことを認めています。
第1局は▲13角成から一気にスピードアップで「えっ、それで寄ってるの」とか思ってる間に負け、第2局は△31銀で手がありません、と。そして今回は中盤でピタッと追走されて△86桂で抜き去られる。と、負け方がどれも想像を超えてるので、もうなんなんだろうね、という感じです。
引用 渡辺明ブログ
藤井竜王・名人が棋聖を取得するまでの軌跡を見ていきましょう。
- 第87期棋聖戦(2016年)
- 前述の通り、藤井竜王・名人は、2016年10月1日棋士となりました。
この年の第87期棋聖戦は既に終了しており、羽生善治棋聖が3勝2敗(●〇●〇〇)で永瀬拓矢六段を破って9連覇を果たしています。
- 第88期棋聖戦(2017年)
藤井竜王・名人が、昨年(2016年)、棋士になった時点で、既に予選が終了しており参加できませんでした。
- 第89期棋聖戦(2018年)
藤井竜王・名人が棋聖戦デビューした戦いです。
ここでは、1次予選[ハ](イ、ロ…チまで8つの山がある)で3連勝して決勝までいったんですが、決勝で大橋貴四段に敗れました。
- 第91期棋聖戦(2020年)
1次予選[ヘ]を4連勝で勝ち抜き、2次予選に進出します。
2次予選[6]でも、阿部隆八段、北浜八段、澤田八段を連破して決勝トーナメントに進出しました。
決勝トーナメントでは、斎藤慎太郎八段、菅井竜也八段、佐藤天彦九段、永瀬拓矢二冠という錚々たる棋士を破って挑戦権を獲得しました。
そして、上述のように、第91期棋聖戦5番勝負を3勝1敗でタイトル奪取につなげました。
以上が、タイトル獲得までの軌跡ですが、この間の勝敗数を見ておきます。
期 | 1次予選 | 2次予選 | 決勝トーナメント | 棋聖戦5番勝負 |
---|---|---|---|---|
第89期 | 4勝 | 1勝1敗 | – | – |
第90期 | 3勝1敗 | – | – | – |
第91期 | 4勝 | 3勝 | 4勝 | 3勝1敗 |
1次予選11勝1敗、2次予選4勝1敗、決勝トーナメント4勝0敗、タイトル戦棋聖戦5番勝負3勝1敗で、トータル22勝3敗という驚異的な勝率8割8分を挙げています。
しかも、これ以降はタイトル保持者なんですから、予選、決勝トーナメントは戦っていません!
恐れ入ります。
タイトル取得までの軌跡をみていただいたので、次の章では現在(2023年)までの状況を見ていただきましょう。
現在(2023年)まで状況を確認
圧巻の勝率で棋聖奪取を果たした後の、藤井竜王・名人の棋聖戦での状況を確認していきます。
皆さん、ご存知かと思いますが、藤井竜王・名人は、2021年第92期~2024年第95期と連続して棋聖を防衛しました。
棋聖5連覇で、初の永世位である「永世棋聖」の資格を獲得しました。
それぞれの5番勝負の挑戦者と勝敗を見ておきます。
期 | 年 | 棋聖 | スコア | 挑戦者 |
---|---|---|---|---|
第95期 | 2024 | 藤井聡太 | 3-0(〇〇〇) | 山崎隆之八段 |
第94期 | 2023 | 藤井聡太 | 3-1(〇●〇〇) | 佐々木大地七段 |
第93期 | 2022 | 藤井聡太 | 3-1(●〇〇〇) | 永瀬拓矢王座 |
第92期 | 2021 | 藤井聡太 | 3-0(〇〇〇) | 渡辺明名人 |
ご覧のように、4期連続で勝敗だけをみれば危なげなく勝っています。
タイトル奪取の第91期5番勝負も含めると、5番勝負の勝敗は15勝3敗で8割3分3厘の高勝率です。
そして、上述したように2024年の棋聖戦を防衛して棋聖5連覇となり、自身初の永世位である永世棋聖の資格を獲得しました。
「永世称号というのは、いまの段階では意識するわけではないですけれど。やはり、積み重ねていった先にそういったものが見えてくるのかな、と思いますし。今後はより一層精進して、そういうところを目指していけたらとは思っています」(藤井)引用 藤井聡太、棋聖戦3連覇 羽生のペース上回る10代でタイ…
将棋の永世位とは、それぞれのタイトル戦について決まった回数を獲得すると、その棋士は永世XXと呼ばれる権利を獲得するものです。
上記で、永世棋聖獲得(棋聖獲得通算5期)といっていますが、棋聖位を通算5期獲得すると「永世棋聖」と名乗れる権利を手にするというモノです。
永世位については次の記事が詳しいです。
上述の通り、藤井竜王・名人は、2024年の棋聖戦を防衛すると棋聖5連覇で通算5期に達するので初の永世位獲得となる訳です。
藤井竜王・名人の永世位の獲得条件および獲得時期についても、別途、記事を書いております。
順調にいけば2031年に永世八冠達成なんですから驚きですね。
棋聖戦について
棋聖戦は1962年に開始された将棋のタイトル戦で、前身は「早指し王位決定戦」です。
初代棋聖は大山康晴で、その後、七連覇します。
大山も強かった!
この棋聖戦、タイトル戦には珍しく、1994年の65期まで年2回春・秋にタイトル戦が行われました。
タイトルの序列は将棋八大タイトルの第八位となります。
現時点(2023年)における棋聖戦は、予選として一次予選と二次予選があります。二次予選の突破者とシード棋士が決勝トーナメントで挑戦権を争います。
決勝トーナメントの優勝者が挑戦者となって前期の棋聖と五番勝負を行います。
詳細は次の記事をご覧ください。
最後に
「藤井聡太の棋聖戦!タイトル取得までの軌跡と現在の状況を確認」というタイトルで記事を書きました。
藤井聡太竜王・名人が初タイトルとなる棋聖戦でのタイトル取得までの軌跡と、タイトルを取得後、現在までの状況を追いかけてみました。
改めて、藤井一強時代の強さを見た気がします。
棋聖戦は、一次予選から参加しているんですが、3年間で11章1敗、2次予選4勝1敗、決勝ト-ナメント4勝0敗と圧倒的な成績です。
しかも、タイトル奪取の後、3年間は9勝2敗でタイトル堅持です。参った!
他の棋戦も、同様に「タイトル取得までの軌跡と現在の状況を確認」を追いかけてみたくなりました。
■思えば、将棋の記事も増えてきましたね!
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