5月の別名は67とまあまあの数に!由来も含めてビシッとご紹介
〇月の別名シリーズも、ついに最終回になりました。6月から始まった「月の別名」も12ヶ月目の「5月の別名」で終了となります。
ついに最終回、感慨深いですな。
さて、この記事を書いているのは、今年2023年もあと1週間となったクリスマスイブの日ですが、5月は春本番となります。
さて、今回の記事でも、今までと同様、異名のご紹介の後に様々な別名(5月は異名の他に67)の由来等を探してご紹介します。
どうか、ご一緒にご覧になってください。
5月の異名は
毎回お馴染みですが、別名の前に、「5月の異名」と呼ばれる「和風月名(旧暦の月の和風の呼び名)」を確認していきましょうか。
この「和風月名」をご存知の方だと、「5月の別名」というと、こちらの名称を思い浮かべるでしょう。
5月の異名(和風月名)は?
皐月 さつき
この「5月の異名」は聞いたことがあるのでは?そうです。競馬に「皐月賞」というレースが毎年行われますよね。
それでは、この「さつき」の由来を見てみます。
- 早苗を植える月であることから。「早苗月」と称したのを略して「さつき」になったとされる
4月「うづき」は3つの説がありましたが、「さつき」には一つしかありませんでした。
早苗、稲を植える月「早苗月」(さなえつき)が略されて、この「さつき」となったんですな。
参考:月の異名を一覧で確認する!それらの由来・別名・覚え方などを大特集
元来、「皐月」という表記は漢籍に現れる陰暦五月の別名でした。
「日本書紀」等は「五月」と書いて「さつき」と読ませています。「皐月」という文字で表現するようになったのは、その後のことであることがわかります。
5月の別名は?
5月の異名が「皐月」と分かったところで、それ以外の5月の別名を見ていきましょう。
5月の別名は?
冒頭でいったように、異名の「皐月」を除いた別名の数は67でした!
悪月、菖蒲月、畏景、五色月、稲苗月、鶉月、雨月、午の月、梅月、梅色月、炎夏、炎景、炎節、炎天、開明、夏五、夏半、啓月、景風、啓明、建午月、皐、姤月、午月、早稲月、狭雲月、五月、早月、早苗月、早苗取月、早女房、五月雨月、賤男染月、賤間月、写月、授雲月、鶉首、小刑、条景、小巧、蕤賓、盛夏、生夏、星火、星花、星月、そうばいの月、田草月、多草月、橘月、仲夏・中夏、仲暑、超夏、長至、月不見月、東井、仲の夏・中の夏、梅夏、南訛、梅天、鳧鐘、吹雪月、芒積、鳴蜩、茂林、浴蘭月、厲皐
4月は65でしたから2つ増加しました。
参考:五月 皐月(さつき)
1月87、2月64、3月71、4月65、5月67と凸凹感があります。2月、4月とほとんど同じ数です。それでも、別名が67もあるのは凄いですよね。
それでは、この67の別名について、由来や辞書等にあるかの調査結果をご紹介します。
「5月の別名」の由来等が判明したモノ
5月の別名で、何らかの確認が取れた内容を一覧にしました。ご覧ください。
5月別名 | 読み | 意味 |
---|---|---|
悪月 | あくげつ | 中国で、陰暦5月の異称。五月を忌むことの多い月とすることから |
菖蒲月 | あやめづき | 5月の異称。菖蒲の花が咲く月という意味です。 |
畏景 | いけい | 陰暦5月の異名。陰暦の真夏に当たり、畏景は夏の太陽を意味することから |
五色月 | いついろづき | 陰暦5月の異名。端午の節句で行われる、災厄を退けて病魔を祓う五色の絹糸が語源か。 |
稲苗月 | いななえづき | 旧暦5月の異称。稲の苗を植える月を示します。 |
鶉月 | うずらづき・じゅんげつ | 陰暦5月の異名。鶉が繫殖期に入り、人に好まれた鳴き声をさかんに聞かせるようになる時期の意味か。 |
雨月 | うげつ・うづき | 陰暦5月の異称。旧暦の梅雨にあたることから、雨の月。 |
午の月 | うまのつき | 陰暦5月の異名。北斗七星を基準とした呼び名。 |
梅月 | うめづき・ばいげつ | うめづき【梅月】:① 陰暦五月の異称。② 陰暦四月の異称。 うめ‐つ‐つき【梅つ月】:陰暦2月の異称。 ばい‐げつ【梅月】:陰暦5月の異称。 |
梅色月 | うめのいろづき | 陰暦5月の異称。 |
炎夏 | えんか | 燃えるように暑い夏。真夏。陰暦では4~6月を夏としており、そこから、5月の異名になった? |
炎景 | えんけい | 夏のような景色。陰暦では4~6月を夏としており、そこから、5月の異名になった? |
炎節 | えんせつ | 夏の異称。陰暦では4~6月を夏としており、そこから、5月の意になったか? |
炎天 | えんてん | 夏のやけつくような暑い空。また、その天気。炎日。陰暦では4~6月を夏としており、そこから、5月の異名になった? |
開明 | かいめい | 旧暦の5月 |
夏五 | かご | 五は半(半分)の意。陰暦では4~6月を夏としており、半ばの位置に当たる月の意では? |
夏半 | かはん | 陰暦4月の異称とも言われるが、陰暦では4~6月を夏としており、半ばの位置に当たる月の意では? |
啓月 | けいげつ | 陰暦5月の異称。二月とする文献もある。 |
景風 | けいふう | 陰暦2月の異称。 |
啓明 | けいめい | 明けの明星。金星。皐月になると比較的天候が安定して金星がよく見えたことから? |
建午月 | けんごげつ | 陰暦5月の異名。北斗七星を基準とした呼び名。 |
皐 | こう・さつき | 陰暦5月の異称。 |
姤月 | こうげつ | 陰暦五月の異名。 |
午月 | ごげつ | 陰暦5月の異名。北斗七星を基準とした呼び名。 |
早稲月 | さいねづき | 陰暦5月の異名。 |
狭雲月 | さくもづき | 陰暦5月の異称。雲の多い月。 |
五月 | さつき | 陰暦5月の異称。 |
早月 | さつき | 陰暦5月の異称。早苗(さなえ)を植える月。 |
早苗月 | さなえづき・さつき | 陰暦5月の異称。早苗(さなえ)を植える月。 |
早苗取月 | さなえとりづき | 陰暦5月の異称。 |
五月雨月 | さみだれづき | 旧暦5月の異称。旧暦の梅雨にあたることから、雨の月。 |
賤男染月 | しずおそめづき | 旧暦5月の異称。 |
賤間月 | しずまづき・しずまつき | 陰暦5月の異称。 |
写月 | しゃげつ | 陰暦5月の異称。 |
授雲月 | じゅうんづき | 旧暦5月の異称。 |
鶉首 | じゅんしゅ | 陰暦5月の異名。 |
条景 | じょうけい | 陰暦5月の異名。 |
蕤賓 | すいひん・ずいひん・ぜいひん | 陰暦5月の異称。 |
盛夏 | せいか | 夏の暑さのさかり。真夏。陰暦では4~6月を夏としており、真ん中の5月を交渉したか? |
星花 | せいか | 陰暦五月の異称。 |
星月 | せいげつ | 陰暦5月の異称。 |
そうばいの月 | そう‐ばい | 【送梅】. 〘名〙 陰暦五月に降る雨。夏の季語「日照雨(そばえ・お天気雨のこと)」の月。 |
田草月 | たぐさづき | 陰暦5月の異称。田んぼの中に草が生える月 |
多草月 | たぐさづき | 陰暦5月の異称。草が勢いよく生い茂る月。 |
橘月 | たちばなづき | 陰暦5月の異称。それぞれの植物が開花する月。 |
仲夏・中夏 | ちゅうか・なかのなつ | 陰暦五月の異称。夏の真ん中の月。 |
仲暑 | ちゅうしょ | 5月の異称。 |
超夏 | ちょうか | 陰暦5月の異称。 |
長至 | ちょうし | 陰暦5月の異称。 |
月不見月 | つきみずづき・つきみぬつき | 陰暦五月の異称。雨で月が見えない月。 |
東井 | とうせい | 5月の異称。 |
仲の夏・中の夏 | なかのなつ | 陰暦5月の異称。 |
梅夏 | ばいか | つゆの季節。陰暦五月は6~7月に当たる |
南訛 | なんか | 旧暦5月の異称。 |
梅天 | ばいてん | 梅雨時の空。つゆぞら。陰暦五月は6~7月に当たる |
鳧鐘 | ふしょう | 陰暦五月の異称。 |
吹雪月 | ふぶきづき | 陰暦5月の異称。真っ白な卯の花が咲き乱れて吹雪のように見える月の意味。 |
芒積 | ぼうせき | 旧暦5月の異称。 |
鳴蜩 | めいちょう | 5月の異称。 |
茂林 | もりん | 5月の異称。 |
浴蘭月 | よくらんづき | 5月の異称。端午の節句で行われた、蘭の葉を入れてわかした風呂に入る月。 |
厲皐 | れいこう | 5月の異称。 |
5月は、なんと62もの内容を確認できました!92%もわかったなんて久しぶり。
今回も、いくつかの別名については60爺が仮説を挙げていますよ~!
由来も不明、辞書にもない別名
残念ながら、由来も何らかの情報も取れなかった別名は5つ。かなり減りましたね。
早女房(さにょうぼう)、小刑(しょうけい)、小巧(しょうこう)、生夏(せいか)、星火(せいか)
この数は、1月16、2月21、3月23、4月20に比べると、凄く少ないですよ。
月の異名について
5月皐月(さつき)の別名をご紹介しました。
67という、少なくない数字でした。2月、4月とほぼ同数でしたよ。
昔の方は、これだけの別名をどうやって生み出したのでしょうか?
この章では、毎回やっているように、「和風月名(月の異名)」1年分をご紹介します。
月 | 異名 | 読み方 | 由来 |
---|---|---|---|
1月 | 睦月 | むつき | ■正月に一家がなごやかに「むつみあう」日を送るところから。 ■「生む月」の説もある。 |
2月 | 如月 | きさらぎ | ■寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので、「衣更着(きさらぎ)」。 ■「草木張月(くさきはりづき)」が転じたなども。 |
3月 | 弥生 | やよい | ■春の暖かい陽気に恵まれて、全ての草木が「彌生(いやお)い」茂る月の意で、これが詰まって「やよい」になったとされる。 |
4月 | 卯月 | うづき | ■旧暦四月頃に卯の花が盛りになることから。 ■稲種を植える月から、「植月(うづき)」 ■十二支の4番目の卯の説 |
5月 | 皐月 | さつき | ■早苗を植える月であることから。「早苗月」と称したのを略して「さつき」になったとされる |
6月 | 水無月 | みなづき | ■酷暑で日照りが続き、深山の水まで枯れ尽くすことから。 ■水を田に注ぐ月の意から「水張り月」「水月(みなづき)」が転じた。 |
7月 | 文月 | ふみづき | ■七夕の織姫に書文(ふみ)を供えることから。 ■稲穂のふくらむ月ということで、「ふくみ月」が転訛したという説 |
8月 | 葉月 | はづき | ■葉の落ちる月、「葉落月」から。 ■初めて雁が飛来するので、「初来月(はつきづき)」から ■稲の穂の張る月で「稲張月(ほはりづき)」を略した説。 |
9月 | 長月 | ながつき | ■「夜長月」の略が一般的。 ■「稲刈り月」の転訛。 ■九月は長雨の季節なので「長雨月」を略した。 |
10月 | 神無月 | かんなづき | ■諸神が出雲大社に集まり、諸国の神々が留守になることから「神なき月」が転訛したもの。 ■「神嘗月」や「神の月」が転訛した。 |
11月 | 霜月 | しもつき | ■『奥義抄』にある「霜しきりにふるゆえに、霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」が定説となっている。 |
12月 | 師走 | しわす | ■12月は僧(師)を迎えて経を読ませるため、「師が走る」ことからが定説。 ■「歳極(としはつ)月」または「成し終わる月」が転訛した。 |
上記の一覧、異名の別名、さらに、60爺が考案した「月の異名の覚え方」などを紹介しているのが次の記事です。是非、ご覧くださいませ。
「月の異名」の覚え方に特化したのが、こちらの記事でよ。様々な覚え方を集めてみましたので、皆さんに合う覚え方が見つかると思います。
是非、ポチッと内容をご覧ください。
最後に
最後に残った月の別名「皐月」を書き終えました。
漸くコンプリートしました!
5月の別名は、2月、4月とほぼ同数の67でしたが、。その意味が分かったものが62と9割を越えるものでした。
別名の数々は、その季節をよく見て名付けたんだろうと思いますが、次々とたくさんの数を編み出すのは大したものですね。
さて、月の別名シリーズは終了で、次は何かを見つけたいと思います。
■思えば月の別名も増えたものです。
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