「長閑」の読み方から意味・語源・使い方まで皆まとめて総特集
いろいろな感じを題材に記事を書いていますが、熟語の読み方も一つのシリーズになっています。
今までにも、相殺、老舗、句読点などをやってきました。
今回の対象は「長閑」です。
パッと見て、どの程度の方がよめるでしょうか?普段は、ひらがなで書く言葉かもしれません。
こういってる私も、実は読めなかったグループに属してるんです^^;
ただ、一度覚えてしまえば、特徴的な漢字ということもあるので、もう忘れないんですけどね。多分…。
今回は、この「長閑」は何と読むのか?その意味から語源・使い方までなどを総特集してお届けしたいと思います!
どうか、最後まで、ご覧になってくださいね。
「長閑」は何と読む?その意味は?
それでは、「長閑」は何と読むのかから始めていきます。
長閑の読み方
「長閑」を「ちょうかん」と読んではいけませんよ!
答えは「のどか」です。
この漢字、知らないと、まず読めないですよね。
いわゆる「熟字訓」と呼ばれる言葉ですね。
熟字訓
引用 wiki 熟字訓
日本語において漢字からなる単語に、単字単位ではなく熟字単位で訓読み(訓)を当てたものである。それ故に、単字に分解してもそれぞれに熟字訓の要素は現れず、その読み方でも分節不可能なものが多い。
長閑の意味
次に、長閑の意味を見ておきます。
広辞苑では、「のんびりと、おちついて静かなさま。ゆっくりと、あわてないさま」「天気がよくて穏やかなさま」と載っています。
「長閑な田園風景」や「長閑な小春日和」のように、穏やかな風景や天候を表す言葉として使われます。
その他の意味に「性質、態度、動作などがゆったりと落ち着いていて、静かで穏やかなさま」があるように、「長閑」は、人の性質や動作を表すこともあります。
上記の「熟字訓」において、「単字に分解しても文節不可能なものが多い」と言っていますが、この「長閑」については、それなりの意味が取れるような気がします。
「長閑」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。
・長:いつまでも
・閑:のんびりとしている。また、ゆったりとしていて静かに落ち着いている様子
ここから、「長閑」は、「いつまでも、のんびりとしている。また、ゆったりとしていて静かに落ち着いている」という意味と理解してもいいのかなと。
そんなところから、この漢字が生まれたと想像するのも楽しいではありませんか。
前述した「天気がよくて穏やかなさま」という意味を持つ「長閑」は、春の季語になっており、暖かい日差しに包まれている雰囲気を持っています。
長閑の読み方がわからない
長閑の読み方を知らない人、意外とたくさんいるようですね。
おー!おいくつの方かわかりませんが、知識が増えることは喜ばしいですよね!
こちらも初めて知った方ですね。
こういうドラマで漢字の読み方を知る方、多いですよね。
さっと調べることができる方は愚者ではないですよね。
閑について
なお、「長閑」の2文字目は、門構えに木で構成されています。
閑には、次の大きく分けて4つの意があるんです。
- 枠に関わる言葉
- ひま
- のんびり
- どうでもいい
これらの内容を次の記事で、細かく取り上げていますよ。
是非、ご覧ください。
「のどか(長閑)」の語源
どうやら、2つの説があります。
①「なだらか(平穏)」の母音交換型
「のど」は「なだらか(平穏)」の「なだ」と同源で、母音交換型と言われています。
「のどか」の「のど」は「のどに」「のどけし」「のどやか」「のどむ」などの形でも用いられます。
「のどか」の末尾の「か」は接尾語です。
②「和気(のどけ)」が転じたもの。
和気(のどけ)とは、のどかな陽気、おだやかな気候、なごやかな気分などの意味です。
これが転じて、「のどけ」⇒「のどか」になったものです。
なだらか(平穏)、和気(のどけ)共に、のどかの意味と同様の意を表しています。
参考:「新明解語源辞典」、「語源辞典 形容詞編」
「のどか(長閑)」の使い方
この「のどか(長閑)」なんですが、昔の小説に多々使用されているようです。
・・・顔を合わせたくない。長閑な日和だと祝し合いたい。そこで一つの迷信に満足せねばならなくなる。・・・
引用 有島武郎 「二つの道」
・・・梅雨晴の青い空を、流るる雲に乗るように、松並木の梢を縫って、すうすうと尾長鳥が飛んでいる。長閑に、静な景色であった。・・・
引用 泉鏡花 「瓜の涙」
・・・自分は持て来た小説を懐から出して心長閑に読んで居ると、日は暖かに照り空は高く晴れ此処よりは海も見えず、人声も聞えず、・・・
引用 国木田独歩 「運命論者」
・・・その時分は隅田川沿いの寺島や隅田の村でさえさほどに賑やかではなくて、長閑な別荘地的の光景を存していたのだから、・・・
引用 幸田露伴 「蘆声」
・・・されば火を見ては熱を思い、水を見ては冷を思い、梅が枝に囀ずる鶯の声を聞ときは長閑になり、秋の葉末に集く虫の音を聞ときは哀を催す。・・・
引用 二葉亭四迷 「小説総論」
有島武郎、泉鏡花、国木田独歩、幸田露伴、二葉亭四迷という錚々たるメンバーの小説に登場しています。
現代では、「長閑」は、あまり使用しないかもしれません。
というか、「長閑」は、ひらがなで書かれるのではないでしょうか。
長閑(のどか)という名前
この「長閑(のどか)」ですが名前、しかも女の子向けの名前として候補に挙がっています。
そのイメージは次のようなモノです。
長閑(のどか)の最初の音は「の」で、な行で始まる音は、なあなあ、ぬくぬくなど余裕を感じさせる表現が多く、「おおらか」「ナチュラル」などのイメージがあります。「の」のように母音が「お(o)」の音は、おおらかな包容力を表し、協調性があり堅実な印象を持ちます。
長閑(のどか)という女の子の名前・読み方や意味
また、長閑の長という漢字には「健康」「リーダー」のイメージがあります。
うーむ、ここで挙がった「おおらか」「ナチュラル」などのイメージ、協調性があり堅実な印象、「健康」「リーダー」のイメージは、それぞれ素晴らしいモノですね。
うーん、しかし、60爺の考えでは、女の子に「長閑」はちょっと固すぎる漢字ではないでしょうか?
むしろ、「のどか」と平仮名で名づけるのが良いと思いますね。
ちなみに、60爺の妹の名前が「のどか」(ちなみに、ひらがなです)なんです。
ただ、小さい頃、「のどか」という名前を嫌がっていた記憶がありますが・・・。
その他にも、「和」で「のどか」と読ませる名前があるようです。
「長閑」より「和」の方が和風な感じもしていいのですが、ちょっと読みにくいかな?
最後に
「長閑」という言葉にぶち当たりまして、これは何と読むだろうかというところから記事にしました。
まあ、読み方が特殊な漢字で、その意味から「のどか」の語源と使い方を洗い出してみました。
昔の小説には、まさにこの漢字が用いられておりますね。そうそうたるメンバーでしたが、逆に現代では、余り用いられない漢字なのかと思いました。
また、似たような難しい漢字に出会ったらご報告します。
※気づけば「言い方・呼び方・読み方」の漢字の記事も増えてきました
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