杜は名前に良くない?そんな杞憂を全身全霊で取っ払う大特集です
この世の中、次々と生まれる次代の担い手に対する名付けに悩む親御さんが尽きることはないでしょう。
一生付き合っていく名前だからこそ最良になるよう苦心しておるんですね。
名付けの漢字に対して心配する方々がたくさんおります。
名付けを始める際に、選択した文字が悪いモノでないようにチェックもなさるんですね。
名付けに対しては、父母や祖父母、はたまた、親戚やちょっとした知り合いなどにささやかれた言葉が気になってしまうんですな。
この記事では、「杜」という名付けには比較的目新しい漢字について、名前に良くないのかについて、皆さんの持つ杞憂を全身洗礼で取っ払う大特集にしたいと思います。
どうか、最後までお付き合いください。
「杜」は名前に良くない?
「杜」は名前に良くないのでしょうか?まずは、そこを確認します。
「杜」は名前に良くない?
「杜」は名前に良くないでしょうか?
「杜」は名前に採用して問題はありません。
その理由は次のように複数あります。
- 「杜」は「神社(=神聖)のもり」の意を持ちますので、厳かさで清らか、おおらかで、優しいイメージを持っています。
- 止め字と「と」という読み方を持ち、キラキラネームになる要素がほとんどありません。
- 読みにくい部分はありますが、そこから会話が始まるなど、良い面が多いでしょう。
「杜」は、日本語の意味のなかで、上述の「もり。神社のもり」即ち神聖であることを示しますので、イメージがとても良いんです。
ですから、「杜」は名付けに使う上で問題はないんですが、やはり、否定的な意見が皆無ではありません。そんな意見も見ていただきますが、そのような杞憂を全身全霊で取っ払っていきましょう。
以下に、「杜」に対する否定的な意見と、その反証を述べていきます。
№ | 否定的意見 | 反論 |
---|---|---|
1 | 「杜」には、「と・ざす。と・じる。出入り口をしめて中にこもる」という意があるので良くない。 | これは、神社(=神様のおわす場所)と人が住む世界を分けるという意であり、全く見当違いの意見です。 |
2 | 「杜撰」「杜弊」「杜諌」「杜絶」などの悪い意味がある。 | 「杜撰」は「杜黙」という詩人がいい加減な詩を作る(撰)ことから付けられた言葉であり、「杜」の意ではありません! 「杜弊:弊害を絶やす」、「杜諌:諌め止める」、「杜絶:悪いことを断ち切る」というように良い意味です。 |
3 | 「杜」と組み合わせた名前は読めない場合が多い | 最近の名前は、その傾向が強いですので、気にしすぎは禁物です |
4 | キラキラネームになる | キラキラネームにならない使い方をすれば問題ありません |
5 | 見慣れないヘンな字で良くない | 「杜」が人名用漢字として使えるようになったのは1990年(平成2年)4月からです。親世代では見慣れないのを嫌う方がいるかもしれませんが、ヘンな字ではないです |
「杜」は良くない漢字である
「杜」の意味に「と・ざす。と・じる。出入り口をしめて中にこもる」があるので良くないという意見です。
単純に、「と・ざす。と・じる」を捕まえて良くないという薄っぺらい意見ですね。
この意味は、上述したように「神社(=神様のおわす場所)と人が住む世界を分ける」を表しており、全く見当違いの意見なんですよ。
ですから、「杜」がよくない漢字であるというのは全くのお門違いであります。
「杜」のつく言葉に良くないモノがある
こちらは、「杜」単体でなく、「杜」のつく言葉に良くないモノがあるんで、そのもとになる「杜」が悪いという意見ですな。その例として、次の言葉を挙げてます。
- 杜撰(ずさん):物事の仕方がぞんざいで、手落ちが多いこと。
- 杜弊:弊害を絶やす。
- 杜諌:諌め止める。
- 杜絶(とぜつ):悪いことを断ち切る
2,3は日本語にない言葉ですが、それも含めて、それぞれ「意味が良くない」じゃないかと言っているわけです。
しかし、これらの言葉の本来の意味を見てください。
1.杜撰:「杜]+「撰」で構成されます。「杜]は中国にいた「杜黙」という詩人のことです。この人が作る詩(撰)がいい加減(合わすべき律が合っていない)なモノだったことから付いた言葉なんです。「杜」の意ではありません!
2.杜弊:害となる悪いことを絶つこと
3.杜諌:誤りや良くない点を改めるよう忠告し止めること
4.杜絶(とぜつ):ふさがり絶えること。とだえること
以上で、「杜」のつく言葉には問題のないことが分かりました。
「杜」と組み合わせた名前は読めない
たとえば、「淳杜」「篤杜」「厚杜」ですが、読みは全て「あつと」です。止め字として「斗」、「人」などの代りに用います。
また、「杜秀」「杜英」のように、「もりひで」と読ませます。こちらは読めるかな。
人名漢字としては比較的新しい感じのため、市民権を得るのに時間がいりますが、全く読めない漢字ではないでしょう。
時代に合わせて、考え方を変えられるようになりましょう。
キラキラネームになる
まあ、現在では、どの漢字を使ってもキラキラネームになる可能性がありますが、最近は役所でも余りにひどい場合は拒否するようになってきています。
寿杜子(すずこ)、珠杜葉(すずは)など女の子の名前も、ぱっと見わかりにくいですが、杜(ず)と読みますのでキラキラネームにはなりえません。
要は、漢字の持つ読みに沿っていれば問題ないのです。
自分の思い込みで命名せず、「杜」の読みを辞書で確認すれば完璧ですね。
見慣れないヘンな字で良くない
上述していますが、「杜」は1990年4月に人名漢字として登場したものですから、少し、歳の行っている方には見慣れない漢字でしょう。
そのため、「変な字」と言う方がいてもおかしくありませんが、「いいがかり」かなと考えます。
1990年即ち平成2年に登場した人名漢字が他にもありますが、それらについても同様、慣れない方はたくさんいらっしゃると思います。
ですので、全く問題ないとい漢字だと説明してあげましょう。是非、この記事を紹介してください。
こちらも、時代に合わせて、柔軟な思考を持ちたいですね。
杜を名前に使う時のポイント
この章では、杜を名前に使う時のポイントを述べておきましょう。その前に、漢字「杜」について細かく見ていきます。
杜の読みと主な意味
杜
画数 :7画
音訓:ト ズ と・ざす と・じる (日本語だけ)もり
主な意味
①木の名。マンシュウマメナシ。ホクシマメナシ。別名、棠(トウ) ②と・ざす。と・じる。
日本語だけの意味
もり。神社のもり。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
この「杜」の字から受ける印象は、上述していますが、「鎮守の杜」から来る「神聖でおごそか」「清らか」などがあります。
ここから、名付けとして、次のような願いを込めることができます。
- 清く美しい人になってほしい
- 自然体で優しさ溢れる子になるように
- 健やかに成長するように
あと、「杜」が読みにくいと気になる場合ですが、視点を変えると、珍しい名前なので一発で覚えてもらえたり、そこから話題が進んだりするするメリットがあります!
ただ、名前をきちんと呼んでもらえないとストレスになる可能性がありますので、お子様に、命名時の気持ちや願いなどを伝えておくなどの十分なフォローを実施しておきましょう。
なお、「杜」については、「木へんに土」で既に記事をアップしています。前述した読み方から、詳細な意味、書き順なども解説していますので、ご覧になってください。
最後に
今回は、「杜」が名前に良くないと聞いて、その真偽を確かめてみました。
パソコンをやっている人は、「窓の杜」でおなじみの漢字ではないでしょうか。
名前ランキングで検索してみましたが、ランキング入りはしていませんでした。
ただ、上述したとおり、「と」と読めますので、止め字として「杜」を使う人が増えているとは聞いております。
名前に良くない理由を5つほど挙げて反論しましたが、理由の中身をみても「いいがかり」のような意見が多かったように思います。
似たような意見がある漢字を救っていければと思います。
※気づけば「〇名前良くない」の記事も増えてきました
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません