金へんに寿で鋳!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
久しぶりに「○○に××で△」の記事を書いてみたいと思います。
○○は部首なんですが何にしましょうか。
テレビを見ていたら、金属を溶かして型に流し込んで器物を作っている映像にぶち当たりました。これ、「鋳型」というんですね。
「」で括った最初の漢字、金へんに寿の漢字を題材にしましょう。
ということで、久々に金へんの漢字を取り扱います。金へんに寿で「鋳」について、読み方から意味・書き順、そして、名前での使い方まで総特集していきます。
ご一緒に内容をご覧ください。
金へんに寿で鋳!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、鋳の意味と読み方や全体像をチェックしましょう。
鋳の読み方と意味
鋳
画数 :22画
音訓:チュウ シュ い・る(日本語だけ)のこ のほぎり
意味
①{動詞}い・る。金属を溶かして型に流しこみ、器物をつくる。転じて、思わしいタイプをつくりあげる。②姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(常用漢字表)(音訓)チュウ い・る
(名付)い
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「鋳」の音読みは「チュウ」「シュ」で、訓読みは「い・る」ですね。日本語では常用漢字です。
意味は2つです。
姓の一つがあるので、中国には鋳さんがいらっしゃいます。
もう一つの意味は、冒頭でも言った「金属を溶かして型に流しこみ、器物をつくる」ことです。
この意味の言葉で、次の2つが例として載っています。
- 鋳造(チュウゾウ):金属をとかして型に入れ、必要な形の器物をつくること
- 鋳型(チュウケイ・イガタ):①必要な形の鋳物をつくるための、もとになる型。②活字を鋳造するときに用いる鋼鉄製の型
この漢字の書き順を見てみましょうか。
「鋳」の画数は22画もあります。書き順は、金へんを書いてから寿を書けばいいんです!金も寿も単純ですので、書き順は簡単ですね。
もっと詳しく知ろう!鋳の漢字としての由来や成り立ち
鋳の字源です。この漢字の場合、旧字である「鑄」から見ていくことになります。
鑄=「壽(ジュ):長く伸びる」+「金(金属)」(形声)
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
壽は田のあぜ(疇)から発想された語で「うねうねと長く延びる」というイメージがあるそうです。
ここから、「鋳」は、溶かした金属をずるずると型に流し込む状況を示すことを表します。
鋳のつく言葉
この章では、鋳のつく言葉をみていきます。
鋳のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
鋳型 | チュウケイ・いがた | ①必要な形の鋳物をつくるための、もとになる型。《類義語》鋳笵(チュウハン)。②活字を鋳造するときに用いる鋼鉄製の型。 |
鋳山煮海 | チュウザンシャカイ・ヤマヲイウミヲニル | 《故事》山の銅から銭を鋳造し、海の水を煮て塩をつくる。領内にたくさんの産物を所有していること。▽「史記」呉王伝から。 |
鋳人 | チュウジン・ヒトヲイル | ①人の像を鋳てつくる。また、その像。②人材を養成すること。〔法言・学行〕 |
鋳銭 | チュウセン・セ゛ニヲイル | 鋳て銭をつくること。 |
鋳造 | チュウゾウ | 金属をとかして型に入れ、必要な形の器物をつくること。 |
鋳像 | チュウゾウ | 銅像など、金属で鋳造した像。 |
鋳物 | チュウブツ・モノヲイル・イモノ | ①(チュウフ゛ツ)・(モノヲイル)金属をとかして器物を鋳る。②(いもの)《日本語での特別な意味》金属をとかして型に入れ、器物をつくること。また、そうしてつくった器物。 |
鋳鎔 | チュウヨウ | ①金属をとかして、いがたに入れて器物をつくる。②転じて、物事をつくりだすこと。 |
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
鋳のつく言葉は8つあがりますした。
読みは、皆「チュウ」で「シュ」はありません。
鋳型、鋳造、鋳物は聞いたことがあります。その他に、鋳銭と鋳像が国語辞典に載っておりました。
それ以外の言葉は、国語辞典に載っていないモノです。
次の章では、「鋳」を使った名前・名字での使われ方をみておきます。
名前・名字での使われ方は
この漢字ですが、名付けにはちょっと難しい感じがしますが見に行きましょう。
名前での使われ方は
この「鋳」ですが常用漢字なので、名付けに使用できます。一方、旧字の「鑄」、難しい感じですが人名漢字なので、こちらも名付けに使用可能です。
ですが、ネットで探しても、この漢字を使った名付けがほとんどありません。
男の子で「鋳蕗(いぶき)」「琉鋳(るい)」の二つ、女の子で「鋳莉(しゅり)」位しか見つかりませんでした。
昔は、鋳之助(いのすけ)、鋳太郎(ちゅうたろう)などの名が残りますが、さすがに現代では躊躇するのではないでしょうか。
旧字の「鑄」では、全くというほど名前の候補が出ていないですなあ~。
そこで、ここで「鋳」での名付けについては終わりにしたいと思います。
名字での使われ方は
ここからは、「鋳」で名字を探してみましょう。
始めに、「鋳」一文字の名字からです。どうやら、「鋳」さんは存在するようです。
【名字】鋳
【読み】い
【全国順位】 71,979位
【全国人数】 およそ10人
参考資料 名字由来net
「鋳」の読みは「い」一択です。全国で人数が、たったの、およそ10人、順位は約72,000位ですね。
この名字、現大阪府北部と兵庫県の一部である摂津発祥ともいわれるが、伝統的な名字だそうです。
愛知、群馬、山口の3県に少数の「鋳」さんがいらっしゃるようです。
「鋳」に他の漢字をつけた苗字は、次のように10ありました。
鋳山(いかけやま,いやま)、鋳方(いかた)、鋳久田(いくた)、鋳谷(いだに,いたに)、鋳鍋(いなべ)、鋳延(いのべ)、鋳場崎(いばさき)、鋳物(いもの)、鐘鋳(かねい)、正鋳(まさい)
読みは、「い」がほとんどですが、「いかけ」と読ませる名字「鋳山」が一つだけありました。
最後に
「金へん」に寿の「鋳」をみてきました。
この漢字には寿が付いているので、何か「めでたい」ことに関係あるかと思ったんですが、旧字は「鑄」であり、つくりは「寿」ではないんですよ。
意味に、「金属を溶かして型に流しこみ、器物をつくる」ことでした。そのため、この漢字の入る言葉には「鋳銭」「鋳像」など何かを作るモノが多かったですね。
常用漢字でしたが、ちょっと難しい感じのためか、候補となる名前がほとんどなかったです。
※気づけば金へんの記事も増えてきました
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