さんずいに少ないで沙!読み方から意味・名前の使われ方まで総特集
つい先日、何かの関係で昔の西遊記のドラマを見ました。堺正章が孫悟空、夏目雅子が三蔵法師をやってるやつです。
カッパの妖怪沙悟浄は、たしか岸部シローが演じてたんですよね。
私のレーダーに、沙悟浄の「沙」が引っ掛かりました。
これは「さんずいに少」と書く漢字ですね。さんずいの漢字を対象にするのは久々な感じがしたんですが、2023年10月以降ですから3ヶ月半ぶりですな。
では、さんずいに少と書く沙について、読み方から意味・名前での使い方まで総特集したいと思います。
どうか最後までご覧ください。
さんずいに少と書いて沙!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、沙の意味と読み方を明確にしましょう。
沙の読み方と意味
沙
画数 :7画
音訓:サ すな まさご すなはら よな・げる(日本語のみ)いさご・す
意味
①{名詞}すな。まさご。細かくばらばらの石が集まったすな。非常に細かい石。いさご。また、すなはま。②{名詞}すなはら。水や草のないすな地の荒原。砂漠(サハ゛ク)。③{動詞}よな・げる(よなぐ)。細かい物を水に入れて洗い、悪い物を捨て去りよい物を選びとる。④{助辞}すなのようなきわめて細かい物に冠することば。⑤{形容詞・動詞}ざらざらしているさま。しわがれる。⑥姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(訓読み)いさご・す
(名付)いさ いさご す すな
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「沙」の音読みは「サ」、訓読みは「すな」「まさご」「すなはら」「よなげる」の4つです。「まさご」は「真砂」、「よなげる」は「淘げる」の漢字表記となるんですね。
日本語の読みは「いさご・す」は「沙す」になるようですが、国語辞典では確認できませんでした。
意味は6つあります。名詞が2つ、動詞、助辞、形容詞・動詞、姓が各1です。
①は、同義語にある通り「砂」です。「流沙(リュウサ):=流砂。水流によって運ばれる砂」という言葉があります。
②は「砂漠」を指します。「沙塞(ササイ):西北の砂漠の中にあるとりで」という言葉があります。
③の動詞は「悪い物を捨て去りよい物を選びとる」意ですね。類義語として汰(タ)があり、沙(サ)と合わせ「沙汰(サタ):善と悪とをえりわけること」という言葉になります。
この「沙汰」、現在では、警察沙汰などに使われ嫌われているようですが、本来は良い意味だったんです。こちらの記事を見てください。
④は、「沙糖(サトウ)(=砂糖)」のように使われます。
⑤は、斯(シ)・嘶(シ)に当てた用法となります。
姓の一つの意があるので、沙さんがいらっしゃるんですね。
さて、次は、沙の書き順を見てみましょうか。
この漢字は、さんずい+少です。書き順は大丈夫ですね。
もっと詳しく知ろう!沙の漢字としての由来や成り立ち
沙の字源です。
「沙=少(そぎ取って小さくする)+水(みず)」(会意)。
会意※
二つ以上の漢字を組み合わせて、もとの漢字とは別の意味を表した漢字。
水で洗われて小さく砕けた石、すなわち「すな=砂」ですね。
「すなはら」「すな」の意味では「砂」と書くのが普通ですな。
次の章では、沙のつく言葉を挙げてみます。
沙のつく言葉
沙のつく言葉を並べてみました。
沙のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
沙翁 | サオウ | 《日本語での特別な意味》イギリスの劇作家シェークスピアのこと。▽「沙」は、 |
沙鴎 | サオウ | すな浜にいるかもめ。 |
沙墟 | サキョ | 砂漠(サハ゛ク)の中にある部落。 |
沙塞 | ササイ・シャサイ | 西北の砂漠(サハ゛ク)の中にあるとりで。 |
沙渚 | サショ | 水べのすな地。 |
沙場 | サジョウ | ⇒砂場。砂漠(サハ゛ク)。特に戦いの場としての西北の砂漠。 |
沙磧 | サセキ | すなの原。砂漠(サハ゛ク)。 |
沙草 | サソウ | すな地に生えた草。 |
沙汰 | サタ | ①米を水ですすいですなをとること。転じて、善と悪とをえりわけること。②《日本語での特別な意味》さばき。裁断。③《日本語での特別な意味》たより。知らせ。「ご無沙汰」④《日本語での特別な意味》うわさ。評判。⑤《日本語での特別な意味》朝廷や役所などが出す命令。⑥《日本語での特別な意味》決まりをつけること。処置。 |
沙鳥 | サチョウ | {沙禽(サキン)}すな浜にいる水鳥。 |
沙汀 | サテイ | すな浜。 |
沙棠 | サトウ | 果樹の名。材は舟をつくるのに用いられる。 |
沙頭 | サトウ | 水のないすなの川原のほとり。 |
沙羅 | サラ・シャラ | 木の名。りゅうのうこう科の常緑樹。高さが三〇メートルにも達し、花は小さく淡黄色で、芳香がある。インド原産。 |
沙漏 | サロウ | すな時計。 |
沙弥 | シャミ | 《仏教》出家したての男。また、僧一般のこと。梵語(ホ゛ンコ゛)srāmaneraから。▽女子は、沙弥尼(シャミニ)という。梵語srāmanerikāから。 |
沙門 | シャモン・サモン | 《仏教》出家した者。僧。▽梵語(ホ゛ンコ゛)sramanaの音訳。善をなし、悪をなさぬ者の意。 |
沙のつく言葉がたくさんの出て来ましたが、知っているのは「沙汰」「沙門」位でしょうか。
シェークスピアを「沙翁」というんですね。知りませんでした。勉強になりました!
後の言葉は、全然です^^;
沙頭は国語辞典にありました。
次の章では、「沙」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べておきます。
名前に使われる際のポイントは
さんずいに沙と書く「沙」は常用漢字ですので、赤ちゃんへ名付けることが可能です。
音読みの「サ」の他、名付けで「いさ」「いさご」「す」「すな」の読みがあります。ちょっと、名付けづらい「読み」ではありますが…。
私からすると、女の子の名づけに合った漢字だと思います!
「沙」はさんずいが部首なので、海や水を連想できます。そこから、「清らか」「透明感」「洗練された」のイメージにつながります。
また、「水で洗って選り分ける」という意味がありますので、「物事を見極める」につなげられます。
ここから、次のような願いを込めることが出来るでしょう。
- 綺麗な水のように清らかな心を持つ人に育ってほしい
- 海のような広い心を持つ人に育ってほしい
- 物事をしっかりと見極められる人に育ってほしい
男の子の名前60爺ベスト3
- 亜沙飛(あさひ)
- 沙臣(いさおみ)
- 真沙緒(まさお)
1,3は「さ」、2は「いさ」という読みを持った名前です。
1と3は3文字の名前ですね。
女の子の名前60爺ベスト3
- 沙羅(さら)
- 沙織(さおり)
- 梨沙(りさ)
女の子は、読みを「さ」で統一しています。女の子の名づけにはピッタリの漢字だと思いますよ!
ところで、「沙」が名前に良くないなんて噂を聞きました。その内容について、追いかけてみましたので、是非、ご覧ください。
最後に
さんずいに少と書く沙について述べてきました。
この漢字「沙」は、「水」+「少」で、水で洗われて小さく砕けた石の意味、即ち「すな=砂」なんですね。そのため、「砂」にちなんだ意味を5つ持っていました。
この漢字を使用した言葉はたくさんありましたが、当然のごとく「砂」にかかわった意味が多いですが、シェークスピアには驚きでした。
名付けは、女の子向けでしたね。
※気づけばさんずいの記事も増えてきました
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