さんずいに零と書いて澪!読み方から意味・名前の使われ方まで総特集
浮世絵の景色画が好きなんですが、南粋亭芳雪『浪花百景』「天保山」中の澪標というモノに出会いました。
Utagawa Yoshiyuki, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons
私が気が付いたのは、最後の「澪標」の最初の漢字です。
さんずいに零と書く漢字ですね。
この漢字は、「さんずいの漢字」シリーズには未だ取り込んでいない文字ですね。
前回、さんずいの漢字である「沙」で記事を書いてから数日ですが捨てがたいものがあります。
さんずいに少ないで沙!読み方から意味・名前の使われ方まで総特集
そこで、さんずいに零と書く澪について、読み方から意味・名前での使い方まで総特集したいと思います。
どうか、ご一緒に内容をご覧ください。
さんずいに零と書いて澪!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、澪の意味と読み方を明確にしましょう。
澪の読み方と意味
澪
画数 :16画
音訓:レイ(日本語のみ)みお
意味
①{形容詞}雨や水滴が落ちる。
日本語だけの意味・用法
①「澪標(レイヒョウ)」とは、水路を示すために水中に立てた木の杭。みおつくし。②みお(みを)。海や川で舟が航行する道筋。水脈。
(名付)みお
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「澪」の音読みは「れい」、訓読みは日本語だけに「みお」があります。
訓読みは日本語だけなんですな。
意味はひとつだけで、「雨や水滴が落ちる」という形容詞です。
日本語だけの意味が2つあります。ひとつは、冒頭に出た「澪標」ですね。水中に立てた杭で、水路を示すものです。
1894年(明治27年)制定された大阪市市章・市旗等で使用されています。
ふたつめが、海や川で舟が航行する道筋。水脈を指す言葉「みお」ですね。
昔、NHK連続テレビ小説で「澪つくし」という作品がありました。調べたら、沢口靖子主演で1985年(今年2024年ですから39年前のことです)に放送されました。
姓の一つの意はないので、澪さんはいないんですね。
さて、次は、沙の書き順を見てみましょうか。
この漢字は、さんずい+雨+令です。16画ありますが、分解すると簡単な漢字ばかりです。書き順は大丈夫ですね。
もっと詳しく知ろう!澪の漢字としての由来や成り立ち
澪の字源です。
「澪=零(〇・〇・〇・の形に並ぶ)+水(みず)」(形声)。
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
零は雨粒が点々と落ちる情景を表しています。
ここから、澪は、雨粒や水滴が点々と落ちる様を示しているんですね。
参考:上級漢和辞典 漢字源
他にも、澪=「氵(さんずい)」+「雨」+「令」と分解して、「神様への願いが通じて、降り始めた雨が流れる様子」と解釈する方もいます。
いろんな解釈をする人がいるんですな。ただ、ちょっと気になるのは、出展がはっきりしない点です。
次の章では、澪のつく言葉を挙げてみます。
澪のつく言葉
澪のつく言葉を並べてみようと思ったんですが、中国古典、日本の古典にも、見つからないんですよ。
そこで、国語辞典に当たってみました。
澪のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
澪引き | みおびき | 水先案内をすること。 |
澪筋 | みおすじ | みおの道筋。みお。 |
澪杭 | みおぐい | 「澪標(ミオツクシ)」に同じ。 |
澪標 | みおつくし | 港や河岸などで「みお(澪)」を示すために立てられた杭。 |
4つ出て来ましたが、よく知らない言葉ばかりですね。
澪って漢字自体も、あまり見たことがないモノで…^^;
次の章では、「澪」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べておきます。
名前に使われる際のポイントは
さんずいに零と書く「澪」は人名漢字ですので、赤ちゃんへ名付けることが可能です。
音読みの「レイ」の他、名付けで「みお」の読みがあります。
どちらかというと、女の子の名づけに合った漢字ではないでしょうか。
「澪」は「沙」と同様、さんずいが部首なので水を連想できます。そこから、「若々しい」「清らか」「威厳のある」イメージにつながります。
ここから、次のような願いを込めることが出来るでしょう。
- いつまでも若々しく新しいことに挑戦し続けられる人になってほしい
- 清らかで優しい人になってほしい
- 堂々として威厳のある人に育ってほしい
男の子の名前60爺ベスト3
- 澪人(みおと)
- 澪一(れいいち)
- 澪哉(れいや)
読みは、1が「みお」、2,3は「れい」にしました。
一文字の「澪(れい)」も考えましたが、「みお」と読まれてしまう可能性が高く、不採用としました。
女の子の名前60爺ベスト3
- 澪(みお)
- 未澪(みれい)
- 澪樺(れいか)
男の子と同様に、読みは、1が「みお」、2,3は「れい」にしました。
なお、「澪」を「れ」ないし「み」と読ませた名前(「澪央(れお)」「澪音(みおん)」)や「しずく」なんていう漢字の読みにない名付けはキラキラネームになる可能性があるので止めましょう。
さんずいに登るの「澄」も女の子にあった漢字でしたね。
「澪を名前に使うと良くない」なんて噂があったので追いかけてみました。澪に対する懸念がいくつか出てきたので、それに対する60爺の見解を述べています。
最後に
さんずいに零と書く澪について述べてきました。
この漢字「澪」の意味は「雨や水滴が落ちる」という形容詞です。
日本語だけの意に、「澪標(レイヒョウ):水路を示すために水中に立てた木の杭」「みお(みを)。海や川で舟が航行する道筋。水脈」の2つがあります。
この漢字を使用した言葉は国語辞典から引きましたが、残念、知っているモノは皆無でした。
名付けは、どちらかというと女の子向けでしたね。
※気づけばさんずいの記事も増えてきました
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