てへんに舌で括!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
括弧という言葉を聞いたことがありますよね。文章や数式で、ある部分をかこうことによって、その他の部分との区別を明らかにするための記号のことです。
( )「 」『 』など、いろいろな種類があります。
今回の対象は記号ではなく「括弧」という言葉の始めの漢字である「括」です。
てへんに舌で「括」です。てへんの漢字を取り上げるのは久しぶりですね。
それでは、てへんに舌と書いた「括」について、読み方から意味・書き順、名前での使われ方まで総特集していきます。
どうか最後まで、ご覧くださるよう、お願いします。
てへんに舌といえば括!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、括の意味と読み方や全体像をチェックしましょう。
括の読み方と意味
括
画数:9画
音訓:カツ くく・る(日本語だけ)くく・り くく・れる くび・る くび・れ くび・れる
意味
①{動詞}くく・る。袋などの口をしめくくる。②{動詞}くく・る。結んでたばねる。③{動詞}くく・る。物事を一つにまとめる。④{名詞}弦をかませるため、矢の端につけたくびれ。
日本語だけの意味・用法
(訓読み)くく・り くく・れる くび・る くび・れ くび・れる
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「括」の音読みは「カツ」で、訓読み「くく・る」です。日本語のみの訓読みに、「くく・り」「くく・れる」「くび・る」「くび・れ」「くび・れる」があります。
意味は4つで、動詞「くく・る」が3つと名詞が1つあります。
①の意の言葉に「括嚢(カツノウ・ノウヲククル)」があります。意味は次の3つです。
- 袋に入れて口をしめる。
- 発言をひかえて黙る。沈黙して知能を隠す。
- くくってまとめる。ひとまとめにする。
②の意の言葉に「括髪(カッハ゜ツ):喪中の人が髪を麻ひもでくくる」があります。
③の意では、「包括(ホウカツ):ひとまとめにしめくくる」という言葉を持っています。「一括(いっかつ):一つにくくること。まとめること。」なんかも。この中に入りそうですね。
名詞の④では、「筈(カツ):やはず。矢の末端の、弦を受けるくぼみ。」と同じ意味を表します。
「姓の一つ」という意味がないので、中国には「括」という姓はないのですね。
日本語の読みには、上記のように「くびれ」があります。「括れ」と書きますが、「くくれ」「くびれ」の2つの読みがある訳です。
即ち、ウエストが引き締まったことを「括れている」などと表現するのに使います。
では、この漢字の書き順を見てみましょうか。
書き順は、てへんを書いてから下を書きます。簡単です。
もっと詳しく知ろう!括の漢字としての由来や成り立ち
括の字源は、異体字の「𢬸」をベースに考えます。
括=「氏の下に口(カン):Y形やU形をなす」+「手(て)」(形声)。
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
次のようにイメージできます。
- 漢字「氏の下に口」
- 「氒(Y形やU形にくびれた彫刻刀)+口(穴)」で、Yの形やUの形に穴をえぐるさま。
- 漢字「氏の下に口」
- 「穴を開けてゆったりさせる」「スムーズに通す」のイメージ⇒「Y形やU形をなす」のイメージ。
- 漢字「括」
- 「括」は「筈」(矢の末端のY形の部分)を念頭において図形化。
弓の弦がくびれた矢筈にピッタリはまるよう、紐をY形のくびれた形にして、その間に物を入れるイメージ。
- 漢字「括」
- 最終的に、袋の口をYの形に結んでくくることを表すようになった。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
異体字「𢬸」のつくり「氏の下に口」が「Y形やU形をなす」のイメージとなり、それが同じイメージを持つ「筈」をベースに「括」が作られたわけです。
そして、最終的に、上記の意味にある「くくる」に変化したんですね。
括のつく言葉
括のつく言葉には、どんなのがあるのでしょうか。
括のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
括弧 | カッコ | 語・文・数式などの前後につけて他と区別するための記号。「 」( )〔 〕など。 |
括嚢 | カツノウ | ①袋に入れて口をしめる。②発言をひかえて黙る。沈黙して知能を隠す。③くくってまとめる。ひとまとめにする。 |
括苗 | カツビョウ | 稲が実る前の田のようすを調べて収穫量を予想し、それによって税をおさめさせること。 |
括約 | カツヤク | ひとまとめにする。 |
参考:広辞苑
括弧しか知りません。
国語辞典をみると、「括嚢」「括苗」は載っていません。
「括約」は、一部の国語辞典に載っていましたが、広辞苑には何故か載っていませんでした。
次の章では、「括」を使った名前での使われ方をみておきます。
名前及び名字での使われ方は
この「括」は常用漢字です。即ち、名づけに用いることができます。できますが、ウーン、意味にもよるのか、人気が全然ないんですよ!
ネットを探しても、候補が圧倒的に少ないですし、願いを込めよう的なことを書いているサイトもほとんど見つかりません。
そこで、いつもやっている名前のベスト3は取りやめ、名前の候補を上げるだけに留めます。
- 男の子:括(かつ)、喜括(よしかつ)、利括(としかつ)
- 女の子:括奈(くくな)、括美(かつみ)
これだけでは寂しいので、「括」のつく名字も見ておきます。
始めに、「括」一文字の名字があるか見ましたが、残念ながら存在しないようです。では、別の漢字を付けた名字があるでしょうか?
そうしたら、「矢括」さんがいましたよ。
【名字】矢括
【読み】やはず
【全国順位】 65,937位
【全国人数】 およそ20人
参考資料 名字由来net
読みが「かつ」ではなく、「矢筈」で用いられる方の「はず」でした。
順位も低く、人数も「およそ20名」の少なさです。
都道府県別にみると次のようになっています。
都道府県 | 人数 |
---|---|
宮崎県 | およそ10人 |
福岡県 | およそ10人 |
参考資料 名字由来net
宮崎県、福岡県という九州に「矢括」さんがおるんですな。
他にも、「括」の名字がないか探しましたが、「八括」の「やはず」さんがいるようでしたが、名字由来netでは情報がありませんでした。
最後に
てへんに舌の「括」をみてきました。
「くく・る」という動詞で意味を3つ持っていましたね。
①袋などの口をしめくくる。②結んでたばねる。③物事を一つにまとめる。というように、少し、意味合いが違っていました
もう一つは名詞で、「弦をかませるためのくびれ」でした。
括も余り馴染みのない漢字で、名付けには向かない漢字でしたね。
※気づけばてへんの記事も増えてきました
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