ハシビロコウが動かない理由を徹底解説!その生態や能力にぐっと迫る
動物園の人気者にハシビロコウがいます。
大きな体でじっと佇む姿は、どこか風格すら漂いますよね。
その独特な姿勢と動きの少なさから、多くの人々が「なぜ彼らはそんなに動かないのか?」と疑問を抱きます。
実はそこには、ハシビロコウの驚くべき生態と深い戦略が隠されているのです。
この記事では、謎多き鳥、ハシビロコウが動かない理由を、その生態や能力に迫りながら徹底解説!知られざるハシビロコウの魅力を、とことんお伝えします。
進化の過程で獲得した、彼らの生き残り戦略とは?
どうか最後までお付き合いいただき、ハシビロコウの奥深さを体感してみてください。
ハシビロコウが動かない理由
Tetsuru at Japanese Wikipedia, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
ハシビロコウは、大きく立派なくちばしを持つ鳥ですが、動物園でもほとんど動かず「動かない鳥」として有名です。
一体なぜ、彼らはあんなにも動かないのでしょうか?
その理由は、彼らの食性と深く関係していました。
狩りのために動かない戦略
ハシビロコウは肉食で、特にハイギョという魚を好みます。
ハイギョは水辺に生息していますが、ハシビロコウは水中で狩りをするのが得意ではありません。
そこで、彼らは水面からじっと獲物を待ち伏せ、チャンスが来たら一気に襲いかかるのです。
そのため、無駄な動きをせずエネルギーを温存していると考えられています。
さらに、ハシビロコウの生息地であるアフリカの湿地帯は、気温が高くエネルギー消費を抑えることが重要です。
また、長時間動かないことで、周囲の環境に溶け込み、捕食者から見つかりにくくなります。
動かないことは、彼らが過酷な環境で生き抜くための戦略と言えるでしょう。
狩りの瞬間に見せる驚異のスピード
動物園ではほとんど動かず、置物と間違えられることさえあるハシビロコウですが、獲物を捕らえるスピードは半端ありません。
いざ獲物を発見した時、ハシビロコウは瞬時に飛びかかり、想像を絶する速さで動きます。
そのスピードは一瞬で、まるで置物から猛獣に豹変したかのようです。
その瞬間は、水面に倒れ込むように飛びかかっていくことも多いようです。
狩りの成功率は、野生動物では高い部類の60%程度と言われています。
狩りに最適のくちばし
ハシビロコウは漢字で書くと「嘴広鸛」で「くちばしの広いコウノトリ」です。
名前に表わされるハシビロコウのトレードマークである巨大なくちばしと、くちばしの先が曲がってフックになっている部分は、確実にハイギョを捕らえるためのモノです。
ハイギョは40cmはある大型の魚で、ヌメヌメして滑りやすい体をしています。
ハシビロコウは、そんなハイギョを一発で仕留めるための、暴れる魚をしっかりと挟むことのできる、パワーが出る幅広のくちばしを持っているです。
ハシビロコウのユニークな特徴
frank wouters from antwerpen, belgium , België , Belgique, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons
ハシビロコウには、上述した「動かないこと」「特徴的なくちばし」の他にも、複数の特徴があります。
- クチバシを鳴らしてコミュニケーション
- 鳥類最長の足の指
- 孤独を好む性格
- 目の色が変わる?その秘密
クチバシを鳴らしてコミュニケーション
ハシビロコウのクチバシには、これを鳴らしてコミュニケーションを取る重要な役割があります。
このクチバシを叩き合わせるように激しく開閉して音を出す「クラッタリング」で仲間と意思疎通を図っています。
この音は、主に繁殖期において求愛行動の一環として用いられ、相手に自分の存在を知らせるためのものです。
また、ハシビロコウのクチバシの形状や構造は、ハイギョを捕らえる他にも、この音を効果的に鳴らすために進化していると考えられています。
鳥類最長の足の指
ハシビロコウは、特に「足の指」が非常に長く、これが「バランス」を保つために役立っています。
一番長い指は約18cmもあり、巨大なくちばしと同じくらいの長さなんですよ。
この特徴的な足の指は、ハシビロコウが「泥濘地」での移動を容易にし、獲物を捕らえる際の「安定性」を提供します。
孤独を好む性格
ハシビロコウは、基本的には単独行動を好む鳥です。
つがいでも別行動をとるので、飼育下での繁殖は世界でもたった2例しかない、繁殖が難しい動物です。
目の色が変わる?その秘密
ハシビロコウは、つぶらな瞳を持っていますが、この瞳の色は成長とともに変化します。
幼鳥の頃は茶色なのですが、少しずつ黄色っぽくなり、老齢になると青色になるんです。
そのため、瞳の色で、ハシビロコウが、どれくらいの年齢のなのか推測することが可能なんです。
また、ハシビロコウは、第三のまぶたとも言われる「瞬膜」というとても薄い瞼を持っています。
この瞼が下がると目が白色になります。
動物園では、どこかのタイミングで瞳を白くしているハシビロコウが見ることができるかもしれません。
ハシビロコウに会える動物園
例にもれず、ハシビロコウも絶滅種危惧種なのですが、日本の動物園で会うことができます。
2023年10月の情報では、次の6つの動物園に飼育されています。
動物園の名称 | 都道府県 | 飼育数 |
---|---|---|
東京都恩賜上野動物園 | 東京都 | 4羽 |
千葉市動物公園 | 千葉県 | 2羽 |
掛川花鳥園 | 静岡県 | 1羽 |
神戸どうぶつ王国 | 兵庫県 | 2羽 |
松江フォーゲルパーク | 島根県 | 1羽 |
高知県立のいち動物公園 | 高知県 | 2羽 |
機会があれば、是非、お近くの動物園に足を延ばしてハシビロコウを見学してください。
その際は、ここで得た情報を活かしていただければ幸いです。
ハシビロコウの分布
Wilhelm Klave, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
ハシビロコウの分布図です。
ご覧のように、アフリカ大陸東部から中部の熱帯にある淡水の沼に生息しています。
この分布は、植物のカミガヤツリ(パピルス)と、ハシビロコウの食料であるハイギョ(肺魚)の分布とほぼ一致するそうです。
やはり、食料のある所に存在しているんですな。
生き物であれば当然ですね。
ハシビロコウに関するグッズを集めてみました。
気に入ったものがあれば、手に入れてくださいネ。
最後に
ハシビロコウの動かない理由を探ってきました。
狩りのために動かない戦略がメインでしたが、その他にも、湿地帯でのエネルギー消費抑制や捕食者からの隠棲も含め、動かないことが、ハシビロコウが過酷な環境で生き抜くための戦略でした。
他の情報として、ハシビロコウのユニークな特徴を4つ挙げております。
ハシビロコウと言えば、棋士の渡辺明九段がぬいぐるみを持っていましたね。
※「動物の雑学」様々動物の知識をまとめています。
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