「おおさま」と「おうさま」どちらが正しい?その理由を詳しく探った
誰もが一度は目にしたことのある「王様」。
でも、いざ声に出そうとすると「おおさま」?それとも「おうさま」?と迷ってしまうことはありませんか?
これ、読み方で言うと、一方は大間違いなんですよ。
当然のことながら、日本語として「王様」の読み方は、きちんと規定されているんです。
ですから、その読み方は明確になっており、この際、この記事を読んでいただいて理解しちゃいましょう。
ということで、この記事では、「王様」を「おおさま」「おうさま」のうち、どちらが正しいのか、なぜそうなのか理由を詳しく探った結果をご報告します。
ご一緒に、最後までご覧になっていって下さい。
王様の読み方
この王様の読み方ですが、発音を考えると混乱しちゃいます。
「おおさま」「おうさま」、どちらが正しいのか考えると眠れなくなっちゃうかもしれません。
「おーさま」と伸ばして言う人もいそうです。
まずは、「王様」の読み方です。
おうさま
「おうさま」が正解です。
「おおさま」「おーさま」は間違いです。
goo辞書で「王様」を確認します。
おう‐さま〔ワウ‐〕【王様】 の解説
王様(おうさま) とは|goo辞書
1 王を尊敬、または敬愛していう語。
2
㋐同類の中で第一のもの、最高のもののたとえ。「ドリアンは果物の—だ」
㋑絶対的な権力・勢力をもつもののたとえ。「消費者は—だ」
読みは、ここにあるように「おう-さま」です。
「おお-さま」も「おー-さま」も読みにはありませんね。
また、パソコンで「おおさま」「おーさま」と入力して変換しても、変換候補に「王様」は出てきません。
スマホでは、「おーさま」に対して、変換候補に「王様」は出てきません。
ですが、「おおさま」に対しては、oppo A73では変換候補の第3位に「王様」がありました。
「おうさま」と書く理由
なぜ、「おうさま」となるのか、その理由は、文化庁による「現代仮名遣い」によります。
オ列の仮名に「う」を添える。
5(5) オ列の長音|現代仮名遣い 本文 第1(原則に基づくきまり)
例 おとうさん とうだい(灯台)
わこうど(若人) おうむ
このように、オ列の長音は「おう」となると、現代仮名遣いにおいて規定されています。
オ列の長音は「おうさま」「とうげ」のように,オ列の仮名に「う」をつけて書くのが「現代かなづかい」の原則
林主査|仮名遣い委員会の審議状況について
・・・
備考の第五に「オ列のかなにうをつけて書くことを本則とする。」とあるので,これについては,先ほど申したように「おおさま」「とおげ」というふうに「お」をつけて書くことも許容される形になっていると解釈されるわけであるが,この許容は残しておかなくてよい。これは「おうさま」「とうげ」と決めるというふうにした方がよかろうと考えている。
上記の報告で、今回の主題である「おうさま」を例に挙げて、『オ列の仮名に「う」をつけて書くのが「現代かなづかい」の原則』と述べています。
また、「おうさま」の読み方に対して、「おおさま」の許容は外すと明確に述べています。
ですから、上述したように、「王様」の読み方は「おうさま」が正しいんですよ!
オ列の仮名に「う」
先程、オ列の仮名に「う」を添えて長音を表すと書きましたが、他にも例があります。
これらの言葉は、オ列の仮名(お、こ、そ、と、の、ほ、も、よ、ろ)に「う」を添えて長音を表します。
「王様」のローマ字表記
最後に、「王様」のローマ字表記を見ておきましょう。
既に述べたように、は、「王様」は「おうさま」と読むのが正しいです。
ですから、ローマ字表記は次のようになります。
- 訓令式:osama
- ヘボン式:osama、ohsama
オ列でも「お」がつく特例
「王様」の正しい読み方は「おうさま」でした。
上述したように、オ列の仮名に「う」を添える言葉は、例として挙げたように、「おとうさん」「とうだい(灯台)」「わこうど(若人)」「おうむ」・・・とたくさんありましたね。
一方で、「こおり(氷)」、「こおろぎ(蟋蟀)」「ほおずき」という言葉では、オ列でありながら「お」がつく言葉が存在します。
この理由は、「王様」でも出てきた文化庁による「現代仮名遣い」によるんです。
歴史的仮名遣いでオ列の仮名に「ほ」又は「を」が続くものであって,オ列の長音として発音されるか,オ・オ,コ・オのように発音されるかにかかわらず,オ列の仮名に「お」を添えて書くものである。
6 次のような語は,オ列の仮名に「お」を添えて書く。|現代仮名遣い 本文 第2(表記の慣習による特例)
これ、何を言っているかというと、歴史的仮名遣い(旧仮名づかい)で「ほ」と表記していたものは、「お」になることを述べています。
たとえば「こおり」「こおろぎ」「ほおずき」を辞書で引くと次のようになっています。
ご覧のように、「こおり」の後に、歴史的仮名遣い(旧仮名づかい)で「こほり」とあります。
このような場合に、オ列におを付けるのです。
その例として、次のように、たくさんの言葉が挙げられています。
ちなみに、いくつかgoo辞書を引いてみました。
- おおき・い〔おほきい〕
- いとおし・い〔いとほしい〕
- ほ‐の‐お〔‐ほ〕
ご覧のように、それぞれ、歴史的仮名遣い(旧仮名づかい)で「ほ」があることがわかります。
とはいうものの、歴史的仮名遣いを知らないと、「おう」「おお」の使い分けができないのは、ちょっと問題ですよね。
そう悲観しなくともいいと思います、難しいのですから…。
最後に
「おおさま」と「おうさま」どちらが正しいのか、その理由を含めて総特集しました。
「おうさま」が正しいとわかりました。
またまた、登場の「現代仮名遣い」が、そう規定しているからなんですが、特例が入って来るのでややこしくなります。
しかも、歴史的仮名遣いを知らないと、「おおきい」「こおろぎ」「ほおずき」なんかが分からなくなるのは問題ですな。
※気づけば「どっちが正しい言い回し?」の記事も増えてきました
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