月へんに夜と書いて腋!読み方から意味・名前のつけ方まで総特集
日本語の漢字は全て部首を持っており、そこに、つくりがついて構成されています。
漢字マニアの60爺ですが、「木へん」から始め、色々な漢字を記事にしており、現在では、シリーズがたくさんできており、管理するのも一苦労です。
その中でも、いくつかの漢字はシリーズになっておらず、カテゴリはトップの「漢字」に属しています。
今回題材にする漢字も、初めての部首に当たる「月」です。
タイトルには「月へん」としていますが、実際は「にくづき」と呼ばれる部首のようです。
今回の記事は、この月へんに夜と書いた腋という漢字の読み方から意味、そして、名前の使われ方まで総特集していきます。
どうか、ご一緒に、最後まで見ていってください。
月へんに夜で腋!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、腋の意味と読み方を明確にしましょう。
腋の読み方と意味
腋
画数 :12画
音訓:エキ わき
意味
①わき。胸をはさんで、左と右にあるわきの下。②わきの下の柔らかい皮。③わきに手を入れてささえる。
日本語だけの意味・用法
「わき」は「脇」とも書く。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
上記のとおり、「腋」の音読みは「エキ」で、訓読みは「わき」です。
意味は3つ。
①の意味では、「腋臭(エキシュウ):わきが」、「肘腋(チュウエキ):ひじとわき。ごく近くにあることのたとえ」という言葉があります。
③の意味では、同義語として、てへんに夜の「掖(エキ)」、「扶腋(フエキ):助けること」なんて言葉があります。
この漢字には、「姓の一つ」がないため、中国に「腋」さんはいませんね!
腋の書き順を見てみましょうか。
腋は月⇒夜を順に書きます。
夜は8画の漢字ですが、普通に書けば間違えないと思います。
もっと詳しく知ろう!腋の漢字としての由来や成り立ち
腋の解字です。
腋=「夜(ヤ・両わきからはさむ)+肉(身体)」(形声)で構成されます。
ここから、「胸をはさんで左と右に同じくもうひとつあるわき」を表しているんですね。
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
同源の漢字に「掖」と「液」があります。
両脇を挟むという意の「夜」は「亦」と「夕」で構成されています。
そもそも、「亦」は両脇を示す図形で、腋の原字だったんです。
また、「夕」は、中心の時間帯である昼を、夕と夜で両側から挟む時間帯というイメージがります。
ここから、「腋」「掖」「液」とも、同じ意味を持った漢字になったんです。
腋を使った言葉
この章では、腋を使った様々な言葉を一覧にしました。
見知った言葉が余りありませんね。
「腋臭」は知ってます。嗅いだことはないんですが・・・、とても臭いそうですな。
葉の付け根に出来る芽や花についての言葉(腋花、腋芽、腋生等)が多く見えます。
衣服の両脇の下の縫製についても、この「腋」を使うんですね。
最後と、その前の「闕腋(けってき)」、「腋窩(えきか)」は、それぞれ難しい言葉ですね。
日常では、ほとんど出会わないでしょう。
雑学で、「闕腋」、「腋窩」の読み方や意味を覚えておくと、ハナタカになれるかもしれませんネ。
名字に使われる際のポイントは
「腋」は人名漢字ではないので名前に使うことは出来ません。
また、身体の一部を示す漢字なので、人名漢字だとしても使用されませんよね。
そこで、「腋」を使った苗字があるか見ていきましょう。
中国では「姓」として存在しないので、ひょっとしたら存在しない可能性も高いんですが…。
一文字の「腋」という名字はありませんでしたが、唯一「山腋」という名字が見つかりました。
【名字】山腋
【読み】やまわき
【全国順位】 32,933位
【全国人数】 およそ90人
参考:山腋|名字由来net
読みは、「やまわき」ですね。
順位が、ほぼ33,000番台、人数は90人程度ですので、圧倒的な少数民族ではないですな。
都道府県別にみてみます。
都道府県 | 人数 |
---|---|
北海道 | およそ60人 |
徳島県 | およそ10人 |
神奈川県 | およそ10人 |
埼玉県 | およそ10人 |
北海道に60人と、全体の2/3が住んでいますね。
あとは、徳島県、神奈川県、埼玉県に分かれました。
腋のつく名字は、これしかないようです。
おまけ:月の部首とか
漢字の部首にある「月」ですが、もともとは三日月を描いた形です。
この「月」には、複数の「月」が含まれます。
月の形 | 月の名称 | 概要 | 説明 | 漢字の例 |
---|---|---|---|---|
三日月の月 | 三日月が変化したもの | 月や時間に関わる漢字 | 朧 朦 | |
ふなづき | 「舟」の変形である「月」 | 舟から由来する・関する漢字 | 服 朕 | |
にくづき | 「肉」が偏になるとき | 身体各部の名称や状態に関する漢字 | 腿󠄀 脚 脳 臓 |
ご覧のように、3つの種類に分類できるようです。
本来は、「三日月の月」のみでしたが、そこに、舟月と肉月が加わりました。
豹にあるように月の形が違っていたんですが、現在では、肉月の形に統一されています。
月のつく漢字を見かけたら、どの種類なのか類推するのも面白いかもです。
それぞれの漢字を見てみる
さて、部首の「月」が3種類に分けられるので、それぞれに含まれる漢字をちょっと見ていきましょう。
三日月の月から「朧」、舟月から「服」、肉月から「腿󠄀」を代表にして解説します。
朧(おぼろ)
「月へんに龍」と書く漢字です。
意味は、「月の光のぼんやりしたさま」です。
龍は「得体が知れない、よく見えない」意を持つことから、月がとりとめなくかすんで見えることを表す漢字です。
服(ふく)
意味はいくつかありますが、代表的な意味は「きもの。着るもの。」です。
この漢字、舟を安定させるために、両脇に添え木をぴったりつける情景を示しています。
そこから、身につけるもの(着物)を表したわけです。
異体字は、月へんが上記に示した月の形にある「月に点々」となっています。
腿(もも)
「月へんに退」と書く漢字です。
意味は、「もも。脛(すね)と股(もも)の総称」です。
腿=「退」+「肉」で構成され、肉づきよく太いももを表す漢字です。
最後に
「櫆」きへんなしで魁という漢字を追いかけてみました。
魁という漢字ですが、「鬼」と「斗」で構成される、見た目難しい漢字ですね。
ただ、この鬼の意味は、「頭が丸く大きい」ですから、特に怖い意味ではなく、8つも意味のある漢字でした。
魁を使用した言葉、名付けのポイント、どんな名字があるかを確認しました。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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