花と華の違いは何?字源に着目し他にはない情報をしっかりとお届け
「花」と「華」は、どちらも日本語で「はな」と読みますが、それぞれ異なる意味やニュアンスを持っています。
これらの漢字の意味ですが、一般的には「花」は植物の花を指し、「華」は華やかさや美しさを表すとされてい
ますが、それだけではこの二つの漢字の奥深さは語り尽くせません。
この記事では、「花」と「華」の違いを、その字源に着目することで、他にはない情報をしっかりとお届けします。
さあ、あなたもこの「花」と「華」の魅力を再発見してみましょう。
花と華の違い
花と華の違いは、下記にある「花と華の使い分け」にありますが、その大きな違いは、漢字の字源にあるのです。
まず、そこから見ていきます。
「花」は、『つぼみから姿が変わったモノ、つまり「はな」』を表しています。「姿が変わる」「別のモノに変わる」というイメージをもっています。
それに対して、「華」は、「植物体(葉や枝など)の中で、形に大きく彎曲する形をもったモノ」です。
中国には、大きく弓なりに曲がるような花を持つ植物があったのでしょうか?
それでは、花と華の字源の詳細を確認していきます。
花
字源を見ると、花の由来がよくわかります。
花=「化(カ・姿を変える)+艸(くさ)」(形声)
そして、化=「人(正常に立っている人)+匕(ひっくりかえっている人)」(会意)で、正常な姿が変な姿に変わる状況を示しているんです。
ここから、「化」は、「姿が変わる」「別のモノに変わる」というイメージを表す記号となりました。
そういえば、「化」は「ばける」につながるんだと聞いたことがあります。
「化粧(紅 (べに) やおしろいなどを使って、顔を美しく見えるようにすること)」にも、「化」が入ってます。
「女性の姿が変わる」⇒「女性がばける」という意味があるんですな。
閑話休題。
この意味から、「花」は、つぼみから姿が変わったモノ、つまり「はな」を表すわけです!
華
実は、華は「蕐」が本字なんです。
蕐=「𠌶(カ・形に大きく彎曲するはな)+艸(くさ)」(形声)
そして、「𠌶」は、その構成される字体から、植物体(葉や枝など)の中で、形に大きく彎曲する形をもったモノを暗示させる図形です。
この「𠌶」だけで既に「はな」の意を持っているんですが、艸を添えて「蕐」となり、変形して「華」になりました。
「花」はもともと「華」から分化した字です。
「華」は、形に大きく湾彎曲して開く特徴に着目して生まれた言葉ですが、「つぼみから姿を変えたモノ」という捉え方が生まれ、字体が「華」から「花」に変わったのです。
参考:上級漢和辞典 漢字源
「はな」の使い分け
この章では、「はな」の使い分けということで、「花」と「華」の使い分けを確認します。
花 | 植物の花(特に桜の花)。花のように人目を引くもの。 |
華 | きらびやかで美しい様子。本質を成す最も重要な部分。 |
そえぞれの漢字の簡単な例文です。
まずは、「花」を使用した例文ですね。
- 花が咲く
- 花を生ける
- 花も実もない:名実ともに劣っている
- 花道を飾る:引き際を華やかに飾ること
- 両手に花:二つのよいものを、同時に手にすること
- 花の都:都市を形容する語の一つ
- 花形:人気のある、はなやかな存在
頭二つに、植物の花に対する例文(「花が咲く」「花を生ける」)が出ました。
それ以降の5つの言葉は、植物の花そのものに対するモノではなく、比喩的な言葉ですね。
3.は、むしろ「花も実もある:名実ともに優れている」の方が有名でしょうか。
4,5については、よく聞く言葉だと思います。
6,7も、一度は耳にする言葉ではないでしょうか?
次に「華」を使ったモノです。
- 華やかに着飾る
- 華やかに笑う
- 華々しい生涯
- 国風文化の華
- 武士道の華
上記の使い分け(きらびやかで美しい様子)に沿った言葉です。
それぞれ、どんなイメージか、手に取るようにわかるのではありませんか。
難読漢字
この章では、「花」「華」の入った難読漢字を紹介します。
花
難読漢字 | 読み | 意味 |
---|---|---|
花鶏 | あとり | あとり.スズメ目アトリ科の鳥。スズメよりやや大きい。頭部と背は黒く、胸とわきは黄褐色、腹は白い。 |
花井 | けい | 三重県熊野市の地名。紀和町花井。 |
花見 | けみ | この地名はクエ(崩)・マ(間)の転じたもので、崖地を控えた地形を示すと考えられる。長野県松本市保福寺町花見(けみ)がある。 |
花水流 | はなずる | 宮崎県にある地名 |
花崗町 | みかげちょう | 愛知県岡崎市の町名。 |
花厳 | かざり | 日本の苗字。全国順位47,586位、全国人数およそ40人 |
「花」の難読漢字には地名が多いようですね。4/6が地名です。
トップにある「花鶏」は、「あとり」という鳥の名称でした。
最後の「花厳」は名字で「かざり」さんでした。60爺は、「けごん」と読むのかと思いましたが違いましたね。
華
難読漢字 | 読み | 意味 |
---|---|---|
華魁 | おいらん | 吉原遊廓の遊女で位の高い者のことをいう。現代の高級娼婦、高級愛人などにあたる。 |
華沙 | ワルシャワ | ポーランドの首都でかつ同国最大の都市。人口約180万人。マゾフシェ県の県都。 |
華盛頓 | ワシントン | アメリカ合衆国の首都。 |
華蔵閣 | けぞうかく,けずかく | 日本の苗字。全国順位 |
こちらの「はな」は4つの難読漢字があります。
華魁で「おいらん」ですが「花魁」の方が有名なような気がします。
あとは、地名が2つと名字が1つでした。
ワルシャワ、ワシントンは、漢字で書こうとすると、「ワ」に「華」を当てたようですね。
ワシントンはまだしも、ワルシャワはやり過ぎの感があるような気がします。
名字の 「華蔵閣( けぞうかく,けずかく)」は、ちょっと見かけないモノですよね。
いろいろな部首に、「花」「華」をつけた漢字の記事を書いています。
h2最後に
「花」と「華」の違いを、字源に着目することで、他にはない情報をしっかりお届けしました。
「花」は、『つぼみから姿が変わったモノ、つまり「はな」』を表していおり、「姿が変わる」「別のモノに変わる」というイメージをもっているんです。
一方、「華」は、「植物体(葉や枝など)の中で、形に大きく彎曲する形をもったモノ」、即ち、大きく弓なりに曲がるような花を持つ植物のイメージでした。
花は、植物の花(特に桜の花)、華は、きらびやかで美しい様子を示す意ですが、漢字本体にある意味も合わせて理解しましょう。
※気づけば「違い」の記事も増えてきました
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