「れっきとした」は漢字で書ける?その意味・由来・類語まで総特集
「れっきとした」という言葉は、私たちの日常会話やビジネスの場面でも頻繁に耳にする表現ですが、漢字で書くことができるのでしょうか?
また「れっきとした」の表記がどのような意味・ニュアンスと結びついているのでしょうか。
さらに、ちょっと変わった響きを持つ、この言葉は、どのような由来を持つのでしょうか?
この記事では、以上述べたような「れっきとした」の持つ多彩な側面に光を当て、その内容を深堀していくものです。
普段何気なく使っているこの言葉の奥深さに触れ、より正確に、そして効果的に使いこなすためのヒントをお届けしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
「れっきとした」は漢字で書けるのか?
「れっきとした」という表現は、日常的によく耳にする言葉ですが、漢字表記があるのかどうか疑問に思ったことはありませんか?
実際に、「れっきとした」には公式な漢字表記は存在しないとされています。
この言葉は、一般的にはひらがなで表記されるのが通例です。
ここで、辞書を確認しておきましょう。
但し、辞書には「れっきとした」はなく、「れっきと」しか載っていません。
goo辞書では、「れっき‐と【▽歴と】[副]《「れきと」の音変化。多く「れっきとした」の形で用いる》」と出ています。
「れきと」の音変化で『多く「れっきとした」の形で用いる』と出ていますね。
これを見る限り、「歴」を当てることができるようです。
ただ、ひらがなで表記することで、親しみやすさや柔らかさが強調され、その意味合いがより自然に伝わると考えられています。
「れっき」には「列記」という漢字があるのですが、その意味は全く違いますので、今回の候補にはなりえません。
「れっきとした」に一般的にはひらがな表記が推奨されるのは、パソコンで変換してみると一目瞭然です。
「れっきとした」変換では、「列記とした」が表示されるだけで、「歴とした」は出てこないんですよ!
スマホでも同様です。変換候補に「歴とした」は現れませんね。
現代日本語において、言葉の正確さやわかりやすさを重視するためには、ひらがなで書く方が適切だという意識が広まっています。
このため、文章や会話の中では、あえて漢字にする必要はなく、ひらがなで「れっきとした」と書くことが推奨されます。
「れっきとした」の意味とは?
この章では、「れっきとした」の意味について見ていきます。
一般的な意味と使われる場面
「れっきとした」という言葉は、日常会話からビジネスシーンまで、さまざまな場面で使われる日本語の一つです。
この表現は、何かが確実である、立派である、または疑いの余地がないという意味を持ちます。
たとえば、「彼はれっきとした弁護士だ」という文では、その人が正式な資格を持ち、認められた弁護士であることを強調しています。
また、「れっきとした」は「堂々としている」「はっきりしている」というニュアンスでも使われます。
たとえば、「彼女のれっきとした態度には感心した」という場合、その人の態度が堂々としていて、立派だという意味が込められています。
このように、「れっきとした」は、何かの本物さや確かさ、あるいは明白であることを強調するための言葉として、幅広い文脈で用いられます。
辞書による定義の解説
「れっきとした」の辞書的な定義を確認すると、いくつかの異なるニュアンスが含まれています。
例えば、『広辞苑』では「(歴然としたの意)明白で確かであるさま。正式で、資格などが明確であるさま」と説明されています。
ここでの「歴然とした」という言葉が示す通り、「れっきとした」は何かが明白で疑う余地がない、しっかりした状態を指します。
れっき‐と【▽歴と】
れっきと|goo辞書
[副]《「れきと」の音変化。多く「れっきとした」の形で用いる》
1 確かなものとして世間から認められているさま。「—した私の妻だ」「—したプロだ」
2 すきがなく整っているさま。「奥には—刀剣を飾ってある」〈蘆花・思出の記〉出典:デジタル大辞泉(小学館)
さらに、『大辞林』では「明確で、はっきりしているさま。また、堂々としていること」とされています。
この定義からも、「れっきとした」が単に「明白である」という意味だけでなく、「堂々とした」という積極的な意味合いを持っていることがわかります。
言い換えれば、「れっきとした」は単なる事実の提示ではなく、ある種の肯定的な評価や称賛のニュアンスを含むことが多いのです。
以上のように、辞書の定義を通して見ると、「れっきとした」は単なる言葉以上の豊かな意味を持つ表現であることが理解できます。
「れっきとした」の語源・由来
「れっきとした」は、「歴(れき)とした」を促音化して強めたものです。
「歴」には「歴々」「歴然」などのように「明らか」の意があり、「れっきとした」は、「歴」をもとに作られた語なのです。
「歴とした」の「と」は「堂々と」「凛と」などの「と」と同じで、副詞を作る語尾になるそうです。
意味としてみると「明らかな」ということから、「素性の確かな」「間違いのない」などという意味に変わっていったと考えるべきでしょう。
例文として、洒落本・古今三通伝には「あげくのはてには列(れっ)きとしたるもののふも扶持方棒に見はなされ」という文章があります。
参考:新明解語源辞典
「れっきとした」の類語
先程まで確認してきた「れっきとした」という言葉の類語をみておきましょう。
それなりの類語が紹介されていますが、60爺なりに4つ抜き出してみました。
- 正真正銘の
- 正式な
- 由緒正しい
- まぎれもなく
これらの言葉は、「れっきとした」に似た意味を有しております。
それぞれの意味を簡単に解説します。
正真正銘の
正真正銘は、「まちがいなく本物であること、まったくうそ偽りがないこと。偽りのない本物であること。うそ偽りのないことを強調する語」の意味です。
「確かなものとして世間から認められている」意味を持つ「れっきとした」に替る言葉として使えるでしょう。
【例文】それは正真正銘のダイアモンドの埋め込まれたペンダントだった
正式な
「正式」とは、「定められた正しい方式や、簡略化しない本来の形式に従っていること。また、そのさま。」の意を持ちます。
ちょっとニュアンスは変わりますが、「れっきとした」の類語として使えると思います。
【例文】彼は正式な教育は受けていなが、少なくとも、とてもすばらしい作家であることは間違いない
由緒正しい
「由緒正しい」には、「正当な来歴がある。正しいいわれを持っている。由緒がある。」という意味があります。
この言葉も、「れっきとした」の持つ意味と似た言葉として使えるでしょう。
【例文】その美術品は、誰もが認める由緒正しい逸品ですよ。
まぎれもなく
「(まぎれもなく)」は、「ものごとや事象が明らかで間違いがない」という意味です。
これも、「れっきとした」の持つ意味とそん色のない言葉として用いることができます。
【例文】紛れもない事実であるのに、なぜ誰も信じてくれないのか?
最後に
「れっきとした」という言葉は漢字で書けるのかを確認しました。
辞書には、「歴とした」という漢字表記が示されていますが、ひらがなが無難のようです。
また、「れっきとした」の表記がどのような意味・ニュアンスと結びついているのかもあきらかにしました。
由来を追いかけ、その類語まで網羅してみましたが、皆様のお役に立てば幸いです。
※思えば、「ある言葉を漢字で書くと?」の記事も増えてきましたよ
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