「階段をのぼる」を漢字で書くと?複数の候補のどれが正解かお披露目
「階段をのぼる」を漢字で書く場合、「のぼる」の表記に何なのでしょうか。
「のぼる」には、「登る」「上る」「昇る」と複数の候補があります。
それぞれの表現には独自のニュアンスや使われ方があります。
日本語の表現には、漢字を使うことでより豊かな意味を伝えることができますが、間違った使い方をすると意味が変わってしまうこともあります。
この記事では、「階段をのぼる」の漢字表記に関して、何が正しい表記なのかを明確にし、複数の候補の使い方や正しい書き方について詳しく解説します。
どの表記が最も適切なのかを一緒に確認していきましょう。
「階段をのぼる」を漢字で書くと?
「階段をのぼる」を漢字で書くとどうなるのでしょうか?その答えを見てください。
階段を上る
この「上る」には、「下から上へ、低い所から高い所へ移る」という意を表しています。
他にも、「坂道を上る」「石段を上る」のような使い方をします。
また、「さかのぼる」意もあり、「川を上る」という言い方もします。
「上がる」には、他にも、複数の意を持っています。
- 貴人の所へ行く
- (・・・に)とりあげられる
- (・・・にも)なる
- 都へ行く
このように、かなり、広い範囲に用いられます。
上記の意味だけでは、ちょっとわかりづらいと思われますので、例文を出しておきましょう。
- 御前に人々所もなく居たるに、今のぼりたるは少し遠き柱もとなどに居たるを
- うわさに上る・話題に上る
- 損害は三千万円にも上る・利益が多額に上る
- 京の都へ上る
1.は昔々使われていた意味です。現代では、余り、用いない意ですね。
ですから、例文も古典・枕草子(二七六)となります。
現代語に訳すと「御前に、女房たちが居場所もない位大勢待っている時に、今参上した私が、少し離れた柱のそばなどに座っているのを」となるそうです。
2.は「あるところで、取りたてて問題とされる」場合で、例文に挙げた使い方をします。
「うわさに上る」は、余り良くないニュアンスがありますが、「話題に上る」は前向きなニュアンスの場合もあります。
3.は「数量が無視できない相当の程度に達する」場合と言っていいでしょうか。
例文に挙げたように、損害・損失のような悪い面や、利益など良い面の数量にも使われます。
4.は、「昔、地方からら中央へ行ったり、都へ向かう」場合に使用しました。
例文の他にも、「江戸へ上る」などがあります。
現代でも、「上り列車」「お上りさん」等の言い方をしますね。
「昇る」「登る」の使い方
さて、「階段をのぼる」では「上る」が正解でしたが、「のぼる」には冒頭でいったように、「昇る」「登る」という表記があります。
この章では、この「昇る」「登る」の使い方を解説します。
表記 | 意味 |
---|---|
昇る | 太陽・月などが空高く現れる。高い地位につく。 |
登る | 他より一段と高い所へ移り進む |
それぞれの表記について細かく見て参りましょう。
昇る
「一気に上がっていく様子を表す」と考えてよいでしょう。
「昇」という漢字は、「升(ショウ・上に高くあがる)+日(太陽)」で構成されており、太陽が高くあがる情景を表しています。
このため、空中以外に高い所にあがる意味(昇進)にも使われるようになりました。
「登」「上」は足場を踏まえて上にのぼることを示しますが、昇は足場より高い所にあがる所に焦点があります。
そのため、「昇る」を使った例文は次のようになります。
- エレベーターで30回もあっという間に昇ることができる
- 月が天高く昇った
- もくもくと黒煙が天に昇る
- 大臣の位に昇る
1.は、エレベーターで一気に高い所柄行く様子を表しています。
2.、3.は、月及び黒煙が高くあがっていることを言っているので、この「昇る」を使用するんですね。
3.は大臣という地位にあがることを示しています。
登る
「自らの力で高い所へ移動する」「急坂や山道などを一歩一歩確実に上がっていく様子」を表します。
この「登」のもとの字体は「豆(たかつき)+廾(両手)+癶(開く両足)」(会意)です。
たかつきを両手で捧げて祭壇にのぼる情景を示しています。
古典に「登は升なり」とあり、上に上がるというイメージがあり、「登」は足を使って高い所に上がっていく行為を表します。
例文を挙げます。
- 山に登る
- 木に登る
- 演壇に登る
- 崖をよじ登る
ご覧のように、山、木、演壇及び崖など、全て「自分の足を使って高い所にあがる」モノですね。
うん、これはわかりやすいですな。
最後に
「階段をのぼる」を漢字で書く場合、「のぼる」の表記に何になるのか見てきました。
この場合、「のぼる」には「上る」を当てるのが正しいとわかりました。
そして、この「上る」には、他にもいろいろな意味があって、どのような場合に使えるのか例文を合わせ確認しました。
そのあと、昇る、登るという候補についても、使い方のルールと例文を確認しました。
■思えば、「ある言葉を漢字で書くと」の記事も増えてきました
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