老若男女とは?その読み方から意味・言い換えまで全部まとめて総特集
「老若男女」という言葉は、皆さん、何らかの形で目にしていると思いますが、その正確な読み方をご存知ですか?
この言葉の読み方は、ちょっと変わっていて戸惑うことがあると思います。
また、その意味や言い換えをしてほしいと言われたら、さっと答えを出すことができるでしょうか。
本記事では、「老若男女」の読み方から始めて、その意味や言い換えや類似表現など具体例を交えながら深堀していきたいと思います。
「老若男女」を知っている方もそうでない方も、どうか最後までご一緒に内容をご覧くださいますよう、お願い申し上げます。
「老若男女」の読み方
まずは、この「老若男女」の読み方をお知らせします。
ろうにゃくなんにょ
「なんじゃ、こりゃ!」と言われる方もいらっしゃるかと思いますが、正しい読み方はこれなんです!
なぜ、こんな変わった読み方なのでしょうか?
「老若男女」の読み方の理由
まずは、その理由を公開します。
「老若男女」を「ろうにゃくなんにょ」と読むのは呉音読みだから
呉音は、中国の六朝時代に用いられていた読み方で日本には、5~6世紀に入ってきたようです。
仏教も同じ時代に伝来しており、呉音によって経典類が読まれていました。
後に、唐から漢語が入ってきますが、仏教の経典は呉音から切替わることがなかったのです。
で、この「呉音読み」で「ろうにゃくなんにょ」となったわけです。
他にも、「若」を「にゃく」、「男」を「なん」、「女」を「にょ」という場合がありますね。
若:にゃく⇒若僧(にゃくそう)、若族(にゃくぞく)
男:なん⇒長男(ちょうなん)、次男(じなん)
女:にょ⇒女人(にょにん)、女官(にょかん)
「若(にゃく)」で出てきた言葉は、日常では見かけることが少ないような気がします。
「男(なん)」は、かなりの頻度で出会う読みですね。
「女(にょ)」に関しても、小説などでは、しばしば出会う読みですね。
おまけ:「老若男女」の考察
「老若男女」=「老若」+「男女」で構成されています。
それぞれの読みをみると次のようになっています。
- 老若:ろうにゃく、ろうじゃく
- 男女:だんじょ、なんにょ
「老若」の意味は、漢字そのままで「老人と若者」です。
「男女」の意味は、漢字そのままで「おとことおんな」を表します。「男女」には「おとこおんな」という読みがありますが、本題から外れるので割愛します。
※気になる方のために「おとこおんな」の意味を載せておきます。
男でありながら女のような、また、女でありながら男のような性徴や性質を持つ人。
さて、それぞれ、このような読みがあるなら、次の4つの読みがあってもいいじゃないかと思いませんか?
- ろうにゃくだんじょ
- ろうにゃくなんにょ
- ろうじゃくだんじょ
- ろうじゃくなんにょ
実際、上記の言葉をパソコンで変換すると、1~3までは「老若男女」と変換できます。
しかし、正解は、2の「ろうにゃくなんにょ」なんです。
なぜ、そうなるのかの理由は、既に前章で述べた通りです。
「老若男女」の意味
この章では「老若男女」の意味を確認します。
「老若男女」とは、それぞれの漢字の通りです。即ち、「老いも若きも男も女も」ということで、「あらゆる人々」とか「万人」を表します。
「老若男女」は、最後の表現(「あらゆる人々」・「万人」)にある通り、子供も含んだ、全ての年齢層を対象にする際に使われる四字熟語です。
一見、「若」という語は若者というイメージがあり、子供がカバーされない印象もあります。
しかし、「老若男女」という表現は、「あらゆる人々」・「万人」という意ですから、この表現にある「若」は子供も含んだ若年層全てを示しているんですね。
「老若男女」=「未成年者も高齢者も男も女も問わず、全ての人のこと」なんです!
例文をいくつか見てみましょう。
- このコミックは老若男女から愛される魅力的な内容です
- あの女優は老若男女問わず愛される素敵なキャラクターの持ち主だと思う
- そのイベントは、開始早々、老幼男女が集まっていました
「老若男女」の言い換え
この章では、「老若男女」の言い換えについて見ていきましょう。
次の表現があります。
- 貴賤上下(きせんじょうげ)
- 老若貴賤(ろうにゃくきせん)
- 老幼男女(ろうようなんにょ)
日常では、ほぼ、出会わない表現が出てきましたが、見たことがある方もいらっしゃると思います。
「貴賤上下」は「身分の高い人と低い人。また、転じて、ありとあらゆる人」を表します。
「老若貴賤」は、これも漢字通りで、「年齢や身分に関係なく、全ての人たち」を表します。
見てお分かりのように、「老若男女」と似た意味合いを持っています。
ただし、「老若男女」は、「老若貴賤」や「貴賤上下」のように身分に関して重要視していないのが分かるでしょう。
最後の「老幼男女」は、「老若男女」と同じ意味を持っています。即ち、「あらゆる人々」とか「万人」を表します。
その違いは、「老幼男女」は一般的に用いられますが、「老若男女」はそうではないということです。
実際、「老幼男女」は聞いたことがありますが、「老若男女」って聞いたことがないですよね。
それぞれの例文を挙げておきます。
- この地域には、老若貴賤の区別なく崇められている由緒ある寺社が複数存在します
- あの集まりは、貴賤上下、全ての会員が自身を高めていく雰囲気がある
- このコミックは老幼男女から愛される魅力的な内容です
「老幼男女」の例文は、「老若男女」の例文を、そのまま使用しました。
最後に
老若男女の読み方を見てきました。
「ろうにゃくなんにょ」という呪文みたいな読み方でしたね。仏典と同様、呉音の読みであるため、余り聞きなれない撥音になったようです。
但し、いくつかの読みが残っていて、男は長男、次男に「なん」という読みが残っていますね。
その他、意味、言い換えを見てきたので、これからは老若男女に出会っても何ら問題はありません。
※気づけば「言い方・呼び方・読み方」の記事も増えてきました
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません