病院の地図記号は?そのルーツを追い求めると軍隊に辿り着く!
病院は私たちの生活に欠かせない施設であり、地図にもその位置が明示されています。
しかし、その地図記号がどのようにして誕生し、なぜ現在の形が採用されたのかはあまり知られていません。
実は、この記号のルーツをたどると、軍隊との関わりが浮かび上がります。
特に戦場での救護活動や軍事医療の発展が、現在の病院記号の原型となっているのです。
本記事では、病院の地図記号が生まれた経緯や、そのデザインに込められた意味を深く探求します。
そして、そのルーツが軍隊にまでさかのぼるという興味深い背景を紐解きます。
病院の記号に隠された歴史を知ることで、地図記号が持つ新たな一面を発見できるでしょう。
病院の地図記号とは
始めに、地図記号と何なのかを理解しましょう。
これは、以下の記事から抜き出した内容です。
冒頭で述べたように、病院は、いざというとき欠かせない施設で、地図記号が明確に規定されております。
この地図記号が救急病院や救急診療所を表わします。
現時点(2024/10)で、しっかりと存在しています。
⇒ 地図記号一覧|国土地理院
⇒ こんなにいっぱい!地図記号|国土地理院
つぶやきを見ると、外国人向けの地図記号がありました。
病院の地図記号の由来
ここからは、病院の地図記号の由来を見ていきます。
地形図に病院の記号が、いつ出てきたのかをみていきましょう。
病院の地図記号は、いろいろと変遷していますよ!
- 明治17年仮製地形図
- 明治17年(1884年)関西地方で着手された2万分の1仮製地形図に、図で示す病院の記号が登場しました。
博愛者(日本赤十字社の前身)の標章(日章の下に赤線一本)が由来だそうです。
- 明治24年図式
- 輪郭による十字形に変更。
赤十字社が赤十字マークを使い始めた影響と思われます。
- 明治28年図式
- 現在と同じ病院の地図記号が登場。
- 明治33年図式
- 避病院及び隔離病院(現在の感染症指定医療機関)の地図記号が新たに登場。
通常の病院は、上記の「ワッペン+十字」のまま。
- 明治42年図式
- 避病院及び隔離病院(現在の感染症指定医療機関)に従来の地図記号(「ワッペン+十字」)に指定。
通常の病院を、右の地図記号に改訂。
ここで指定された、二重線の新しい病院記号ですが、大正3年(1914年)発行の「地形図之読方」で「陸軍野戦病院符号」に由来すると明記されているんですって!
上記の記号は、昭和17年図式まで続いたので、戦前の地図では、「現在の病院の地図記号」は、従来の病院を表していないことに注意すべきです。
参考:地図記号の秘密|中公新書ラクレ
「民間の地図会社や出版社」の病院の地図記号
国土地理院では、病院の地図記号は上記で示した「ワッペンの中に十字」でした。
民間の地図記号での病院はどうなっているか確認してみましょう。
民間の会社は、いつも見ている次の6社です。
それぞれの公園の地図記号を順に紹介します。
ゼンリン
ゼンリンの工場の地図記号です。
国土地理院の地図記号と同じです。
マピオン
次はマピオンです。
こちらもゼンリンと同様で、国土地理院の地図記号と同じモノです。
トヨタ
トヨタは、「ナビの地図」の地図記号がお馴染みです。HARRIERの取扱説明書です。
ナビ色によって地図記号が変わります。
panasonic
こちらpanasonicもカーナビの取扱説明書でした。
こちらも、国土地理院の地図記号と同じモノです。
kenwood
こちらkenwoodも、カーナビの説明書に入っている地図記号です。
十字はついていますが、独自の地図記号ですね。
pasco
地図を販売している会社の病院の地図記号です。
こちらも、国土地理院の地図記号と同じ地図記号でした。
病院の地図記号は、ゼンリン、マピオン、panasonic、pascoの4社が国土地理院と同じ地図記号でした!
最後に
病院の地図記号をみてきました。
ワッペンに十字の病院の地図記号は、皆さんも何度も目にしているはずです。
長い歴史を持っており、既に明治42年度版で登場した地図記号ですが、時代の変遷により、表す意味が何度か代わっていたことが分かりました。
また、そのルーツは旧陸軍にあったこともわかりましたね。
※「地図記号」は2024年に登場したカテゴリです
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