口に巴で邑!この漢字の読み方から意味・名前のつけ方まで総特集
口に巴で「邑」という独特な漢字の組み合わせは、私たちの日常生活に余り馴染みのないモノです。
しかし、この漢字は、漢字自体の持つ意味だけではなく、他にも特別な意味を持っているんです。
他の漢字もそうですが、邑を構成する口と巴という、それぞれの漢字がどのように結びつくのかを探求することで、新たな視点が得られます。
この意味を知ることで、漢字の世界の奥深さを知ることができるでしょう。
本記事では、この漢字の読み方や意味(上述した他の特別な意味も解説します)、さらに、名前のつけ方など詳しく紹介していきます。
それでは、一緒にこの魅力的な漢字の世界を旅していきましょう!
口に巴で邑!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、邑の意味と読み方を明確にしましょう。
邑の読み方と意味
邑
画数 :7画
音訓:ユウ くに むら(日本語だけ)おおざと
意味
①くに。殷代には、王の直轄のみやこの地。周代には、天子・諸侯および豪族の治める領地のこと。②むら。国の中心のみやこを都というのに対して地方の町やむらのこと。③「邑邑(ユウユウ)」とは、気がふさがってうっとうしいさま。④姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(訓読み)おおざと
(名付け)くに・さと・さとし・すみ・むら
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
上記のとおり、「邑」の音読みは「ゆう」で、訓読みは「くに」「むら」です。
日本語だけの訓読みに「おおざと」があります。
意味は4つ。最初の3つの意味を持つ言葉を紹介します。
①:「大邑商:商、つまり殷代の都」、「采邑(サイユウ):領地」
②:「都邑(トユウ):みやことむら」「同邑(ドウユウ):同郷の人」
③:「於邑(オユウ):悲しみのため気持ちがふさがるさま」
最後に「姓の一つ」があり、中国に「邑」さんがいることを示しています。
邑の書き順を見てみましょうか。
邑は、口、巴の順に書いていけばOKです。それぞれ簡単な漢字ですので、問題ないでしょう。
もっと詳しく知ろう!邑の漢字としての由来や成り立ち
邑の字源です。
邑=「口(領地)+卩(ひざまずく人)巴は変形」(会意)で構成されます。
二つ以上の漢字を組み合わせ、その意味を合成して独立した文字とするもの。例えば「人」と「言」を合わせて「信」、「木」を三つ合わせて「森」
会意(かいい) とは?|goo辞書
ここから、邑は「人民を服従させて囲い込む領地」を表しているんですね。
そして、部首として「邑」「阝」を含む漢字や、町や村、地名に関する漢字が集められます。
「阝」が右側に来ると「おおざと」(3画)と呼び、大きな村里の意を持ちます。
邑は「中に閉じ込める」「中にふさぎ込める」というイメージがあります。
邑は「中に閉じ込める」「中にふさぎ込める」というイメージがあります。
楷書では「阝」と変形し、村・町・都市など比較的大きな地域と関係があることを示す限定符号となります。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
邑を使った言葉
この章では、邑を使った様々な言葉を一覧にしました。
- 邑居(ゆうきょ):①むらざと②むらざとに住むこと。さとずまい
- 邑宰(ゆうさい):①むらざとを治めている長。村長②県令のこと
- 邑頌(ゆうしょう):神々をほめたたえる内容をもった、いなかの祭りの歌
- 邑人(ゆうじん):=邑子(ゆうし)。むらの人。むらびと。村民
- 邑入(ゆうにゅう):領地からはいる税の収入
- 邑邑(ゆうゆう):①多くの村々②気がふさがってうっとうしいさま③いじけて微弱なさま
- 邑里(ゆうり):=邑落(ゆうらく)。むらざと
いずれの言葉も、国語辞典(広辞苑、三省堂国語辞典)には載っておりません。
いくつか雑学を。
- 邑居(ゆうきょ)ですが、この言葉で調べると島原の和食の店がヒットします。
- 邑宰(ゆうさい)は、中国の辞典にあるようなので、あちらの言葉のようです。
- 邑頌(ゆうしょう)は影も形もなし。
- 邑人(ゆうじん)ですが、この名前の梅酒、梅干しがあるようです。
- 邑入(ゆうにゅう)、この言葉は孟嘗君に「邑入を以て賓客に奉ずるに不足ず」というのがあるようです。
- 邑邑(ゆうゆう)も中国の辞典にあるようなので、あちらの言葉のようです。
- 邑里(ゆうり)ですが、「旧邑里(クウムリ、クウムニ)」で朝鮮半島の各地にある地名があります。
この中のいくつかの言葉は、コトバンクに載っているようです。
名前に使われる際のポイントは
「邑」は人名漢字ですので名前に使うことが出来ます。
しかも、音読みの「ユウ」だけでなく、名付けとして「くに」「さと」「さとし」「すみ」「むら」が使えるので、幅が広がります。
字形が素朴であたたかいイメージがあることから、次の願いを込められると思います。
- 故郷や両親を大切に出来る心根をもった人に
- 素直で素朴な心優しいに
- 良い中身が詰まった素晴らしい性格を持った人に
男の子の名前(例)
例として次のような名前が考えられます。
- 幸邑(ゆきむら)
- 邑眞(ゆうま)
- 邑斗(すみと)
それぞれ「むら」「ゆう」「すみ」と異なる読みの名付けを挙げました。
女の子の名前(例)
女の子では次のような名前はどうでしょう。
- 邑(ゆう)
- 邑佳(ゆうか)
- 美邑(みゆう)
女の子は男の子と違って、全て「ゆう」と読む名前にしました。一文字の「邑」も、なかなか良いと思います。
邑の入った名字
次に、「邑」を使った苗字があるか見ていきましょう。
この漢字は、中国では「姓」として存在しないので、日本でもない可能性も高いです。
一文字の「稔」という名字を見つけることは出来ませんでしたが、「東稔」という名字が見つかりました。
【名字】邑
【読み】むら
【全国順位】 63,559位
【全国人数】 およそ20人
読みは「むら」で、順位が、63,000番台、人数は20人程度ですので少数民族ですね。
都道府県別にみると、石川県、大阪府、兵庫県に散らばっています。
珍しく、由来が載っていました。
関連姓は村氏。村君、村公、嵯峨天皇の皇子で源姓を賜った氏(嵯峨源氏)(富山藩家老)、宇多天皇の皇子敦実親王を祖とする源氏(宇多源氏)佐々木氏流などにもみられる。
邑さんの名字の由来|名字由来net
村という関連した姓があるようで、由緒ある名字のようです。
邑に他の漢字を合わせた名字を、「なまえさち」から拾ってみました。
奠邑(さだむら)、財邑(ざいむら)、邑樂(おうら、おおら)、三ツ邑(みつむら)邑十(むらもと)、将邑(まさむら)、東邑(とうむら)、邑林(むらばやし)、紅邑(べにむら)、邑尾(むらお)、尾邑(おむら)
読みは、「むら」が圧倒的に多かったですね。
邑樂(おうら、おおら)のみ「おう」「おお」でした。
最後に
口に巴と書く「邑」という漢字を追いかけました。
この「邑」という漢字は、日常生活ではほぼ見かけない漢字だと思いますが、実は部首として「邑」「阝」であったんですよ。驚きですね。
ただ、この漢字として言葉などをみても、国語辞典には載っていないモノばかりでした。
ただ人名漢字なので、願いや名前の候補を挙げています。名字としても複数存在しています。
※気づけば「漢字」の記事も増えてきました
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません