「ゑ」とは何?読み方から意味・打ち方・「え」との違いを総特集
「ゑ」という文字は、現代日本語ではほとんど見かけることがなくなりましたが、古典文学や歴史的な文献ではおなじみの文字です。
この「ゑ」は何なのか、即ち、その読み方や、意味、どこから生まれたか、現時点での立ち位置はどうなっているかなどの謎に満ちています。
以前、記事にした「ゐ」と似た字形です。
本記事では、そんな「ゑ」の読み方から意味、元の漢字やパソコン・スマホでの打ち方、現代の「え」との違いについて詳しく紹介します。
ですから、実際にレトロな文字を使ってみたい方にもおすすめの内容です。「ゑ」の魅力を再発見し、古き良き日本語の一端に触れてみましょう。
それでは、どうか最後まで、ご一緒して下さるように……。
「ゑ」の読み方と意味
まず、「ゑ」の読み方と意味を明らかにしましょう。
「ゑ」の読み方と意味
「ゑ」の読み方と意味を以下に示します。
読み方 | 「え」と発音 |
意味 | 平仮名の一つ。五十音図ワ行の第4の仮名のことです。 カタカナは「ヱ」です。 |
現在では、五十音図ア行第4の仮名(並びに五十音図ヤ行第4の仮名)である「え」と発音上の区別がありません。
そのため、現代仮名遣いではこの仮名は用いられていないのです。
しかし、歴史的仮名遣いでは「え」と区別して用いています。
発音も、平安中期までは「う」に近い半母音〔w〕と母音〔e〕との結合した音節〔we〕(現代の表記「ウェ」に相当)でした。
また、カタカナも同様で、ア行の「エ」とワ行の「ヱ」は区別されていたようです。
発音が[e]となり、「え」との区別がなくなったのは、どうやら、鎌倉時代以降のようですね。
さて、次に、「ゑ」と「ヱ」の元になった漢字を示しておきます。
- ゑ:「惠」の草書体から
- ヱ:「惠」の草書体から変形したもの
次の章では、「ゑ」をパソコン・スマホ・TEPRAでの打ち方を紹介します。
「ゑ」の打ち方について
「ゑ」をパソコン、スマホ及びTEPRAで入力するにはどうしたらいいでしょうか?
今まで、ひらがなの旧字の入力について考えたこともなかったので面食らいましたが、実はすごく簡単なんですよ。
パソコン、スマホ、TEPRAの順に、「ゑ」の入力手順を示しますね。
パソコンでの「ゑ」の入力方法
日本語(ローマ字)入力で行います。
- 「うぇ(we)」と入力
- 日本語で「うぃ(wi)」と入力します。
- 「変換」押下
- 「変換」キーを押下します。
「ゑ」をクリックします。
- 「ゑ」入力完了
- 「ゑ」が表示されました。
あっさりと、「ゑ」を入力できました。
他にも、「え」と入力した変換候補にも「ゑ」があります。
スマホでの「ゑ」の入力方法
スマホでの「ゑ」の入力方法もパソコンと同じです。
日本語で「うぇ(we)」と入力し、変換候補のマーク(ⅴ)をタップすると、候補の中に「ゑ」が表示されるので、それをタップすれば終了です。
こちらも簡単ですよ~!
スマホでもパソコンと同様、「え」の変換候補に「ゑ」があります。
TEPRAでの「ゑ」の入力方法
TEPRAでの「ゑ」の入力方法もパソコン・スマホと同じです。
日本語で「うぇ(we)」と入力すると、候補の中に「ゑ」が表示されるので、「選択」ボタンを押して終了です。
パソコンとスマホと同様、「え」を入力して変換ボタンを押すと、変換候補に「ゑ」があります。
最後に、「ゑ」と「え」はどのように使い分けされていたのか見ておきましょう。
「ゑ」と「え」の違い
「え」と「ゑ」の違いですが、「い」と「ゐ」であった「イル」「ゐる」の違いのようなモノは見つかりません。
⇒ 「ゐ」とは何?読み方から意味・打ち方・「い」との違いを総特集
次に「ゑ」のつく単語をウィキペディアから拾ってみました。
礎(いしずゑ)、植え(うゑ)、飢え(うゑ)、蹴え(くゑ)、声(こゑ)、梢(こずゑ)、楚(すはゑ)、末(すゑ)、据え(すゑ)、杖(つゑ)、巴(ともゑ)、微笑む(ほほゑむ)、故(ゆゑ)、所以(ゆゑん)、描く(ゑがく)、えぐい(ゑぐい)、抉る(ゑぐる)、餌(ゑさ)、酔ふ(ゑふ)、笑み(ゑみ)、笑む(ゑむ)、彫る(ゑる)、鐫る(ゑる)、槐(ゑにす・ゑんじゅ)
ゑ|ウィキペディア
「礎(いしずゑ)」、「植え(うゑ)」、「声(こゑ)」、「末(すゑ)」等の言葉も、昔は「ゑ」と発音していたんですね!
昔の人は、いろいろな言葉を「ゑ」で話していたんですね。
現在の人間では、そういうことは出来なくなっているんですね。ある意味、退化しているのでしょうか……。
最後に
今回は「ゐ」に引き続き「ゑ」について読み方から意味・カタカナ・打ち方までをご紹介しました。
現在の読み方は「え」なんですね。その意味は、「五十音図ワ行の第4の仮名のこと」でした。
歴史的仮名遣いでは「え」と区別して「ゑ」を用いており、発音も違っていたようです。
現代では、使うことは少ないと思いますが、最後に、パソコンとスマホ及びTEPRAで「ゑ」の打ち方を紹介しきました。
※思えば「打ち方・出し方」の記事も増えてきました
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