慶は名前に良くない?7つの理由に辛口の見解をぶつけてみた

2024年11月3日

「慶」という漢字は、「慶び」「慶賀」「慶祝」といったお祝いごとに用いられるポジティブな意味合いを持ちますが、一部、名前に使うことに懸念を示す意見がちらほら聞きます。

果たして「慶」という漢字に名前としての不適切さがあるのでしょうか?

また、その理由は単なる迷信なのか、あるいは、皆さんの納得する内容であるのでしょうか?

そこで、長年の経験と知識を持つ「60爺」が、こうした考えに対する自身の見解を述べ、「慶」という漢字が名前に良くないかを検証して参ります。

少々、辛口の見解となりました!

どうか、ご一緒に内容をご覧になってください。

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「慶」の持つ意味と歴史

まずは、「慶」の基本情報を見ておきましょう。

項目内容
画数15
部首こころ
音読みケイ
訓読みよろこ・ぶ、よころこ・び
意味①明るく力強い気持ちになる。めでたいと祝う
②めでたいこと。めでたい③幸い
由来鹿の皮を持ってお祝いの気持ちを述べに行く情景を表しています

「慶」とは、明るい気持ちで喜びを表明することを表しています。

由来にある「鹿の皮」は、古代ではプレゼントの定番だったのです。

「慶」を使用した言葉は、「慶雲(ケイウン)」「慶賀(ケイガ)」「慶事(ケイジ)」「慶祝(ケイシュク)」等、目出たいときに使われるモノが非常に多いです。

以上、「慶」について見ていただきましたが、ご覧のように悪い意味はありません。

「慶」の旧字について追及した記事があります。
慶の旧字

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「慶」が名前に良くないとされる理由

次に、「慶」が名前に良くないとされる理由を、ネット上の意見を参考にしながら一覧にしてみます。

「慶」が名前に良くないとされる理由60爺の見解
縁起の良い漢字は不幸を招く根拠のないこじつけに過ぎません。
「慶」は格式が高いので名付けに向かない漢字に込められた本質を理解していない浅はかな評価です
「慶」の漢字に名前負けしないか子どもの成長力を信じない後ろ向きな発想です
子供が書くには難しい漢字である名前は一生の財産であり、多少の画数や難しさはむしろ価値を高める要素です
字画が多くて書くのが大変簡単さばかりを求めて豊かな意味や由緒ある字を捨てる発想こそ貧相であり、子に託す願いを軽視する態度です
この漢字は男の子向けだと思われる「慶」を男児専用と決めつけるのは、祝福や幸福が男女で異なると言うに等しい暴論です
古風すぎて現代の生活様式にそぐわない古風とは、むしろ格式と歴史に裏付けられた品格の証です

7つの理由が出てきました。

見解に述べたように、万人が納得するような理由は一つもないのではないでしょうか。

では、その内容をもう少し細かくご覧ください。

縁起の良い漢字は不幸を招く

この意見は、根拠のないこじつけに過ぎません。

本来「慶」は祝い・喜びを意味し、古来より吉兆を示す最上級の漢字として重用されてきました。

それを「縁起が良すぎるから逆に不幸」などと結びつけるのは、まるで幸運のお守りを持てば不幸になると言うような倒錯した論理です。

名前に込める願いは「幸福を授けたい」「人生に喜びが多くあれ」という真っ直ぐな親心であり、これを否定する発想こそ不幸を招く思考停止です。

「慶」は格式が高いので名付けに向かない

この意見は、漢字に込められた本質を理解していない浅はかな評価です。

そもそも「慶」は慶賀・慶事など、人生の喜びや祝福を表す漢字であり、格調の高さはむしろ名前としての格を引き上げます。

「高貴だから不向き」というのは、良質な素材を「高級すぎて料理に使えない」と言うのと同じ愚論です。

大切なのは親が子に託す想いであり、品位ある字を避けることこそ不自然です。

「慶」の漢字に名前負けしないか

これは、偉人の名前がついたり、その他にも漢字に込めた強い思いで名前負けすることを心配しています。

偉人については、「運慶」、「快慶」、「筒井順慶」、「徳川慶喜」などがおりますが、日本人全てが知っているほど有名でもないし、ましてや、名前負けなどしないと思います。

また、強い思いに負けてしまうという考えに対しては、「もっと我が子を信じようよ」と言いたいですね。

この意見は、子どもの成長力を信じない後ろ向きな発想です。

慶は喜びや祝いを意味し、人生に明るさを添える力強い字。

その重みを「背負えない」と決めつけるのは、子どもの可能性を最初から否定するのと同じです。

大人の偏見で「名前負け」を恐れるより、むしろ子がその名にふさわしい人へと育っていくよう支えることこそ親の務めです。

字の格調を恐れるのは、親自身が名前に負けている証拠でしょう。

※この意見は、「陽」でも出てきました。

子供が書くには難しい漢字である

うん。言っていることは間違っていませんが、学びの過程を否定する短絡的な意見です。

子供は成長とともに複雑な漢字も習得していき、難しさはむしろ挑戦と誇りの源になります。

美しい意味を持つ字を「書きにくいから」と避けるのは、便利さばかり求めて中身を軽んじる浅はかな姿勢です。

名前は一生の財産であり、多少の画数や難しさはむしろ価値を高める要素です。

努力で克服できる課題を理由に否定するのは、怠惰を正当化しているに過ぎません。

字画が多くて書くのが大変

こちらも、怠慢を美徳と勘違いした浅はかな言い分です。

確かに画数は多めですが、それは一時的な手間にすぎず、人生において名前を書く機会が子どもの成長や意味を超えて重荷になることはありません。

むしろ、丁寧に書くほどに誇りが宿り、他人からも記憶されやすい利点となります。

簡単さばかりを求めて豊かな意味や由緒ある字を捨てる発想こそ貧相であり、子に託す願いを軽視する態度です。

女の子に用いると男の子だと思われる

この漢字は、男の子の名前として使われることが多いというのが、その理由です。

ですが、性別役割に縛られた時代錯誤な偏見にすぎません。

慶は「祝い」「喜び」を表す普遍的な漢字であり、誰に対してもふさわしい吉祥の意味を持っています。

これを男児専用と決めつけるのは、祝福や幸福が男女で異なると言うに等しい暴論です。

実際に「慶子」「慶乃」など女性名でも古くから用いられてきた実績があります。

性別にとらわれず、子に喜び多き人生を願う心こそ真の名付けの本質であり、この意見こそ不寛容で狭量です。

古風すぎて現代の生活様式にそぐわない

カジュアルなコミュニケーションが主流となっている現代において、この格式高い漢字は場面にそぐわない印象だという意見です。

これは、流行に流されることを正義と勘違いした浅慮な発想です。

慶は千年以上も「慶賀」「慶事」として使われ、時代を超えて人々の喜びを表してきた普遍的な漢字。

古風とはむしろ格式と歴史に裏付けられた品格の証です。

ファッションのように数年で色あせる軽薄な流行語と違い、慶の価値は不変であり、子の一生を支える名にふさわしい重みを持ちます。

古いから悪いと切り捨てるのは、浅い視野の象徴です。

※「名前 良くない」で複数の記事を書いています。いくつかを紹介します。

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「慶」を使った名前の事例

さて、この章では、「慶」を使った名前について見ていただきます。

「たまひよの赤ちゃんの名前ランキング」では、「慶(けい)」が、2015年74位、2016年76位、2017年60位、2018年47位、2019年96位、2020年70位、2023年96位と100位内にランキング入りしています。

「慶」には、意味や言葉から、さまざまなめでたいことを表す縁起の良い漢字であることが分かりました。

また、戦国時代に活躍した武将「前田慶次」(コミックにもなっています)や、上述した、江戸幕府最後の将軍「徳川慶喜」の名前にも入っていることから、「男らしさ」「たくましさ」「強さ」などのイメージも持てます。

また、「大慶至極:非常にめでたく、喜ばしい」「和風慶雲:温厚で徳の備わった人格者を形容した語」の四字熟語から、賢く、上品なイメージを持つ人もいます。

そんなところから、「慶」を名前に使う際は、我が子の誕生を心から祝う気持ちと共に、いろいろな前向きな意味を込めることができます。

  • 幸運に恵まれた人生に恵まれますよう
  • 明るく力強く人生を乗り切っていける人になりますよう
  • 温厚で徳の備わり、強くたくまし人になりますよう

それでは、男の子、女の子別に名前の例を掲げておきます。

  • 男の子:慶(けい)、慶太(けいた)、慶悟(けいご)
  • 女の子:慶子(けいこ)、慶花(けいか)、慶乃(よしの)

女の子は、二文字目に女の子らしい漢字を選んで命名しています。

これを見れば、男の子と間違えられるなんて心配は吹っ飛んでしまいます。

名前に慶の付いた有名人

名前に「慶」が付いた有名人を一覧にしました。

有名人読み職業
荒牧慶彦あらまきよしひこ俳優
川原慶久かわはらよしひさ声優
小島慶子こじまけいこタレント
小山慶一郎こやまけいいちろう歌手
斉藤慶子さいとうけいこ女優
橘慶太たちばなけいた歌手
中尾明慶なかおあきよし俳優
前田慶次まえだけいじ戦国時代の武将
松坂慶子まつざかけいこ女優

9名の名前が挙がりました。

「けい」の読みが6名、「よし」が3名となっています。

前田慶次は、100万石の前田家につながる武将で、コミックにもなりました。

あとは、現代の方達です。

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最後に

慶は名前に良くないと言われる理由を見つけて60爺の見解をぶつけてみたした。

6つの理由が出てきましたが、見解でも述べたように、個人の考えというか浅はかな意見が多かったように思えます。

そのため、少々辛口の論評になってしまいました。

「慶」は祝い事に関わるめでたい漢字であり、採用を拒む理由はありません。

世迷言に惑わされず、自信を持って名付けてください。

※気づけば「〇名前良くない」の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら