西の旧字は存在しない?異体字とそれに準じる表記をまとめて総特集

私たちが日常的に使う漢字「西」。
その簡潔で親しみやすい形から、旧字や異体字を意識することはほとんどないかもしれません。
しかし、歴史的な文献や古い書物をひも解くと、見慣れない形の「西」に遭遇することがあります。
「西」にも旧字が存在するのか、それとも異体字や準じる特別な表記が用いられているのか。
この疑問に迫ることで、漢字の進化や表記の多様性を理解する手がかりが得られるでしょう。

本記事では、「西」の旧字とされる形があるのかを調査するとともに、異体字や古代の書風による変化を詳しく紹介します。
普段は見過ごしがちな漢字一文字の奥深い世界に足を踏み入れてみましょう。
思いもよらない発見があるかもしれません!

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西の旧字はあるのか

さて、それでは、西に旧字はあるのかを確認しました。
いつも使用している「上級漢和辞典 漢字源」で、西に旧字はあるのか確認します。

漢字源で見る限り、西の旧字は存在しませんね。

旧字体の説明の画像

西の基本情報は次の通りです。

画数6画
部首にし・かなめのかしら・おおいかんむり
音読みセイ、サイ
訓読みにし、にし・する、にし・のかた
意味①日の沈む方角。秋、五色では白に当てる②東洋・中(中国)・和(日本)に対してヨーロッパのこと③仏のいる死後の世界④にし・する。にしの方へ行く⑤にしの方の。にしの方から⑥にし・のかた。にしの方で⑦姓の一つ
字源西は「ざる」を描いた図形(象形文字)。「ざる」は、細かい隙間があって水を通すことから「分散する」イメージにつながり、太陽の光が分散しながら没していく空の状況を捉えて「にし」の方位を「西」で示した

今まで、5つの漢字の旧字を見てきましたが、旧字のない漢字は「柳」「橋」「慶」について4つ目です。
過去の記事は、以下のモノです。

よろしければ、ご覧ください。

西の異体字

西には旧字がありませんが、「柳」・「橋」と同じく、漢字源には異体字の漢字が載っています。

西の異体字の画像

この漢字は、画数は8画です。
異体字ですので、読み、意味は「西」と全く同じです。
但し、この漢字は環境依存文字ですので、フォントにより正しく表示されない場合がありますので注意が必要です。

この異体字について少し、考察をしてみましょう。

厚生労働省にある「異体字検索漢字リスト」というサイトには「西」が出てきません。

ここにあるように、Unicodeは「5365」なんですが、60爺のwordpressでは、フォントの関係だと思いますが、「卥」(Unicode:209E7)が出てきてしまいます。
ところが、「卥」でGoogle検索してみると、面白い結果が出ました。

卥でGoogle検索の画像

漢字辞典ONLINEのページなんですが、赤枠と青枠の中身が混乱していますね。

漢字が混乱している画像

この赤枠で囲った漢字は、「MS明朝」等では出せますが、「遊明朝」などでは「卥」になってしまいます。


「覀」について

この「覀」ですが、Unicodeで出すことは出来るんですが、漢字ではないようです。
もちろん、「覀」は「西」の異体字ではありません。

画数6画
部首にし・かなめのかしら・おおいかんむり

「覀」は、「襾」の変形で、蓋をかぶせることを示します。
また、漢字の構成部分で、「賈」「價」は、これからなっています。

「覀」は上述のように、Unicode「8980」で表示できますが、部首としての記号なんでしょうか?

世の中には、この少し変わった文字を名字に持つ方もおられるようです。

変わり種の西の画像

この漢字、戸籍などではよく見られる漢字ですが、正確に言うと「西」の異体字には入りません。

この漢字をパソコンで出すには、いくつか方法がある(行書体のフォントに変える、有料のフォントを買う)ようです。

最後に

西の旧字があるかを確認しました。

結論を言うと、西の旧字は存在しませんでしたね。今まで5つの漢字の旧字を確認してきましたが、旧字のない漢字は4つ目でした。
合わせて、異体字も探してみましたが、これは存在しました。しかし、環境依存文字であるため、wordpress上では表示できない漢字でした!残念。

最後に、名字などで見かける「覀」に伝も一言触れました。Unicodeで出せるこの「覀」は実際の漢字で入事が分かりました。

※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

漢字の旧字

Posted by 60爺