広の旧字「廣」を知ってる?まだれに黄と書く表記の打ち方をご紹介
「広」という漢字の旧字である「廣(まだれに黄)」をご存じですか?
この漢字は、現在ではあまり使われなくなりましたが、人名漢字なので名前に使うことも可能です。
旧字の「廣」は単なる過去の遺物ではなく、その形や成り立ちには深い歴史や文化が息づいています。
この記事では、まだれに黄と書く「廣」という漢字の書き順や、パソコンやスマートフォンでの具体的な入力方法を詳しく紹介します。
現代では簡略化された「広」が主流となっていますが、旧字を知ることで日本語や漢字への理解がさらに深まるでしょう。
漢字好きの方や、日常生活で特定の旧字を使いたい方に向け、わかりやすい情報をお届けします。
それでは、旧字の魅力を再発見する旅に出かけましょう!
「広」の旧字「廣」
「広」という漢字ですが、「コウ」という音読み、主に「ひろ・い」という訓読みで知られています。
意味は、いわゆる「面積の大きさ」が第一印象です。
「広域(コウイキ):広い区域。広い範囲」「広告(コウコク):世の中に広く知らせること」など、外に大きく知らせるイメージがあります。
そして、「広」は、旧字の「廣」が存在します。
このカテゴリ「漢字の旧字」に収録した漢字の中で、旧字の存在するのは「真」「恵」に続き3例目です。
「恵」も載っていた新・旧字対照表|立命館大学を確認したところ、「広」も載っていました。
広は5画、廣は15画の漢字です。
その書き順を見てください。
見てお分かりのように、旧字の「廣」は、新字の「広」に比べ、はるかに難しいですね。
「広(廣)」の字源
ここでは、「広(廣)」の字源、即ち、成立ちを見ていきます。
- 字源
- 「廣」は、「黄(四方に広がる)」+「广(建物)」で構成される形声文字です。
- 「黄」のイメージ
- 「黄」は火矢を描いた象形文字で、「光が縦横に広がる」イメージに展開します。
ここから、「黄」は「四方に広がる」イメージを持つことになります。
- 「廣」とは
- これを受けて、「廣」は建物の枠組みを四方に広げて作る情景を想定した図形となりました。
上記の意匠により、「廣」は空間的に外枠が広がっていることを暗示させる意(広い)となるんです。
「広」は、「黄」「光」と同源の漢字です。
どういうことかというと、これらの漢字は「四方に発散する」と言うイメージがあるのです。
「広」は中心の周りの外枠が四方に広がっているというイメージの言葉なのです。
廣の考察
さて、賢明な皆さまのことですから、「廣」の「广」の中は黄ではないと見抜いておられると思います。
その漢字表記を左に、右側に正規の「黄」を表示します。
黃 黄
画数は同じ11画です。
yahoo!知恵袋に『「廣」の中の漢字は「黄」の変形したもの……』なんて珍回答がありましたが、これ、実は、「黄」の旧字なんです。
- 旧字は「革」の上半分と「寅」からうかんむりを除いたモノを組み合わせた形となっています。
- 正規の「黄」は、「共」の上半分と「寅」からうかんむりを除いたモノの組み合わせです。
ですから、まだれに黄で「廣」は、旧字の「黄」を使用しているので、あながち誤りではないんです。
まだれに上記の「黃」でなく「黄」の漢字を出すには、次のように、特別なフォント(simsun)を使うことで表示できます。
さて、次の章からは、「恵」の旧字「惠」でやったように、「廣」に対して、様々な機器(パソコン・スマホ及びTEPRA)でどう入力するか、その打ち方を紹介します。
パソコンでの「廣」の打ち方
文字変換とUnicodeによる打ち方の2つをご紹介します。
文字変換による「廣」の打ち方
始めに文字変換による「廣」の打ち方です。
変換をかける文字は、新字と同じ読みの「ひろ」です。
それでは、「廣」の打ち方の手順を見てください。
- 「ひろ」入力
- 日本語で「ひろ」と入力します。
- 変換候補から「廣」を探す
- 変換キーを数度押すと変換候補が現れます。
目指す「廣」を探します。
見つけたら、クリックしましょう。
- 「廣」入力完了
- 「廣」が入力されました。
「廣」を入力するには、これが一番簡単な打ち方だと思います。
「ひろ」の他に「こう」変換でも出すことができます。
Unicodeによる「廣」の打ち方
4桁のUnicodeを打ち込んで変換をかける打ち方です。
手軽なんですが、Unicodeを覚えておかねばならないという記憶力に頼る欠点があります。
- 「5EE3」入力
- 日本語で「5EE3」と入力します。
ご覧のように「5ええ3」となりますが気にしないでください。
F5キーを押します。
- 変換候補から「廣」を探す
- 変換候補が現れますので、目指す「廣」を探します。
見つけたら、クリックしましょう。
- 「廣」入力完了
- 「廣」が入力されました。
日本語でUnicodeを入力してF5キーを押すだけです。
ここでの注意点も「日本語で」という部分!
これだけで、望む漢字を入力できます。
上述したように、Unicodeを覚えるのが最大の難関ですね!
先ほど言った「日本語」で!ということだけは覚えておいてくださいね。
スマホでの「廣」の打ち方
スマホででも「廣」を出すのに、文字変換による打ち方が出来ます。
変換をかける文字は、パソコンと同じく「ひろ」ですね。
- 「ひろ」入力
- 日本語で「ひろ」と入力します。
- 変換候補をタップ
- 変換候補を表示するため、「ⅴ」をタップしましょう。
- 変換候補から「廣」を探す
- 変換候補が表示され、「廣」が見つかったらクリックします。
今回は4行目に発見しました。
- 「廣」入力完了
- 「廣」が入力されました。
以上、スマホでも問題なく「廣」を表示できました。
テプラでの「廣」の打ち方
ここでは、テプラ(TEPRA PRO SR300)における「廣」の打ち方を紹介します。
次の2つの打ち方があります。
- 文字変換による打ち方
- JISコードを指定する打ち方
これらの打ち方を手順に従って、ご紹介します。
文字変換による打ち方
パソコン・スマホと同じく、文字変換によって「廣」を表示する方法です。
入力する文字は、パソコン、スマホと同じ「ひろ」です。
- 「ひろ」入力
- 日本語で「ひろ」と入力します。
- 「変換」ボタン押下
- 「変換」ボタンを押して候補を表示します。
- 「廣」で「選択」ボタン押下
- 「↓」ボタンを押していくと「廣」が候補に表れますので、「選択」ボタンを押すことで表示できます。
- 「廣」入力完了
- 「廣」が入力できました。
「こう」でも「廣」は候補に表れますが、「ひろ」に比べてかなりの労力が要りました。
JISコードを指定する打ち方
次は、JISコードを指定する打ち方です。
パソコンでのUnicodeを指定する打ち方と似ていますが、テプラ独自のコードを使った打ち方です。
- 「シフト」+「あ・ア」キー押下
- 「シフト」を押しながら、「あ・ア」キーを押します。
コード入力画面が表示されます。
- 「5502」入力
- コードに「5502」を入力します。
SR300の取扱説明書から「廣」を検索します。
もし、見つからない場合、そのTEPRAで「廣」を入力することは出来ません!
- 「廣」押下
- 「廣」が候補に表れますので、「選択」ボタンを押します。
- 「廣」入力完了
- 「廣」が入力できました。
コードさえわかっていたら、こちらの方が簡単ですね。
この方法を紹介した記事があります。
以下の記事では、「慶」の旧字について紹介しています。合わせて、ご覧ください。
最後に
「廣」は「広」の旧字として、歴史的な背景や漢字文化の奥深さを感じられる表記です。
この漢字は「まだれ」に「黄」を組み合わせた構造を持ち、特に日本では古い文献や名前に使われることがあります。
現代では簡略化された「広」が一般的ですが、「廣」を使用する場面も特定の意味や趣を持つことから残されています。
本記事で紹介したパソコンやスマホでの「廣」の入力方法を参考に、用途に応じて活用してみてください。漢字一つから広がる知識の深さを楽しみつつ、文字文化への理解をさらに深めていただければ幸いです。
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。
参考資料
・上級漢和辞典 漢字源
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