サッカーを漢字で書くと?表記の由来や歴史を徹底的に追いかけてみた
サッカーという言葉は誰もが知っているスポーツ用語ですが、「サッカー」を漢字で表すとどうなるかご存じですか?
実は、漢字表記には歴史や文化的背景が深く関わっています。
本記事では、サッカーの漢字表記やその由来、さらに日本での普及に伴う言葉の変遷について詳しく紹介します。
また、漢字が使われた時代のエピソードや他の国々での呼び名にも触れ、サッカーという言葉がどのようにして私たちの生活に根付いてきたのかを探ります。
普段何気なく使っている「サッカー」という言葉の奥深さを一緒に楽しみながら学んでみませんか?
サッカーの漢字表記とは?
サッカーは、現在ではカタカナで「サッカー」と書くのが一般的です。
しかし、サッカーには漢字で書くこともできるのです。
サッカーの漢字表記は「蹴球(しゅうきゅう)」です。
この表現は、日本にサッカーが導入された明治時代に、西洋のスポーツ文化を理解しやすくするために考案されました。
「蹴る」という動作と「球(ボール)」を組み合わせたシンプルで分かりやすい言葉であり、サッカーの本質を見事に表しています。
日本にサッカーが伝来したのは、1900年代初頭から1940年代ですが、漢字表記である「蹴球」もこの頃から存在しました。
「蹴球」という漢字表記が誕生した背景には、明治維新以降の日本の急速な西洋化があります。
当時、西洋から伝来した新しい文化や技術、スポーツを日本語として定着させるため、多くの翻訳が行われました。
サッカーはその過程で「蹴球」という名称が採用され、学校教育や軍隊の訓練の一環として普及していきました。
このような翻訳は、ただ直訳するだけではなく、漢字の持つ象形的な意味や日本人の感性に合わせて工夫されました。
たとえば、「蹴球」の「蹴る」は動きやエネルギーを表し、「球」はボールという具体的な道具を指します。
このように、単なるスポーツ名以上に、動作や特徴を伝える役割も担っていたのです。
昔から日本にあった「蹴鞠」をヒントにして「蹴球」という漢字が生まれたそうです。
なんと、サッカーが日本にはいった当初は、このスポーツは西洋人が行う蹴鞠の一種であるとみなされていたそうです。
さらに、「蹴球」という言葉が使われだした当初は、概念としての「蹴球」と「蹴鞠」を切り分けられる段階ではなかったため、「蹴球」と「蹴鞠」が混同されていたようです。
ちなみに、ほかのスポーツも同様に漢字表記がなされ、野球は「野球」、テニスは「庭球」、バスケットボールは「籠球」とされています。
こうした漢字表記には、当時の日本人の工夫と外国文化を日本語に適応させる創意工夫が垣間見えます。
なぜカタカナ表記に?
上述しましたが、1900年代初頭から1940年代に日本にサッカーが伝来しました。
この頃の呼び名は、「Football」をカタカナにした「フートボール」や、「Association Football」をカタカナにした「アソシエーションフットボール」、「Association」をカタカナにした「アソシエーション」などでした。
漢字表記の「蹴球」と「アソシエーションフットボール」を合わせて「ア式蹴球」という呼び方もなされました。
そして、漢字表記の「蹴球」は、1946年(昭和21年)に「蹴」が当用漢字外となり、公に使用できなくなりました。
この時期、日本はアメリカの占領下にあり、アメリカでは「アソシエーション・フットボール」を「サッカー」と呼んでいたことから、日本でも「サッカー」が使用されるようになるんです。
この「Soccer」は、「Association」の「soc」 に「er」を 加えたものです。
戦後、日本では外来語がそのままカタカナで使われるようになり、「サッカー」という表記が主流となりました。
一方で、「蹴球」は公式な場面や文学的な表現で今でも使われることがあります。
特に歴史を感じさせる文章や記録では、「蹴球」という表現が好まれることがあります。
- 慶應義塾サッカー部の名称は「ソッカー部」(ラグビー部の名称が「蹴球部(ラグビー部)」のため)
- 早稲田サッカー部の名称は「ア式蹴球部」
- 東京大学サッカー部の名称は「ア式蹴球部」
- 一橋大学サッカー部の名称は「ア式蹴球部」
世界での表記
世界でのサッカーの表記と発音は次の通りです。
外国語 | スペル | 発音 |
---|---|---|
英語 | soccer | サッカー |
ドイツ語 | Fußball | フースバル |
オランダ語 | voetbal | フッボウル |
フランス語 | football | フットボール |
イタリア語 | calcio | カルシオ |
スペイン語 | fútbol | フットボール |
ポルトガル語 | futebol | フッシボー |
スウェーデン語 | fotboll | フットボール |
ノルウェー語 | fotball | フットボール |
中国語(繁体) | 足球 | ズーチョー |
中国語(簡体) | 足球 | ズーチオ |
ロシア語 | футбольный | フッボールニエ |
英語の「soccer」は、ここに挙げた国々では特異な語なんですね。
ヨーロッパの、ここに挙げた国々では「フットボール」系がほとんどです。唯一、イタリアが「calcio(カルシオ)」と言う全く違う言い方になっています。
ロシア語は、表記がヨーロッパと全く違いますが、発音は「フットボール」に近いモノでした。後ろに余計な何かがついてましたけど。
中国語ですが、表記は共に「足球」ですが、読みは、中国語(簡体)は「ズーチオ」、中国語(繁体)は「ズーチョー」と聞こえました。
最後に
「サッカー」を漢字で表すと「蹴球」でした。
なぜ、そう名付けられたか興味深い歴史があることが分かりました。
現代ではあまり使われない表記ですが、その背景には日本語と外来語の融合や文化的変遷が垣間見えます。
普段の生活で意識する機会は少ないかもしれませんが、これを機に「蹴球」という言葉の魅力を感じてみてはいかがでしょうか?
※気づけばスポーツの記事も増えてきました
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