将棋の達人戦立川立飛杯とは?新たに創設されたシニア棋士の棋戦だよ

2024年12月27日

将棋界に新たな棋戦が誕生しました。
その名も「達人戦立川立飛杯」、「たつじんせん たちかわたちひはい」と読みます。

この棋戦は、シニアとなった棋士たちに焦点を当てたユニークな棋戦です。
本大会では、50歳以上の棋士を対象に、対局の形式やルールも特別仕様となっています。

また、立川立飛エリアを舞台に、地元の将棋文化の発展も期待されています。
将棋ファンだけでなく、地元の人々や新たに将棋に興味を持つ人々にも楽しめる内容が満載です。

本記事では、この棋戦の概要、優勝賞金、優勝者などについて詳しく紹介します。
将棋界における新たな試みとして、ぜひ注目してみてください。

スポンサーリンク

達人戦立川立飛杯とは?

達人戦立川立飛杯は、2023年に創設された、日本将棋連盟が主催、立飛ホールディングスが特別協賛し、トヨタS&D西東京の協賛で行われる将棋の公式棋戦です。

特別協賛の株式会社立飛ホールディングス代表取締役社長である村山正道氏は、「この大会は、将棋界を牽引してきた50歳以上の棋士による公式戦という文化事業です。」と語っています。
棋戦公式戦 「 第 1 回達人戦立川立飛杯 」 特別協賛 のお知らせ

また、立川立飛という地域を舞台にした点も特徴的です。

このエリアは将棋の普及活動が盛んであり、大会を通じて地域の活性化にも貢献しています。
大会名に冠された「立川立飛」は、東京都立川市の再開発地域であり、駅周辺には商業施設やイベントスペースが広がっています。

この地で開催されることで、将棋の大会としての格式を保ちながら、一般の人々にも気軽に観戦できる雰囲気を作り出しています。

さらに、立川立飛地域と協力した将棋教室やイベントも企画されており、地元住民との交流が期待されています。

※将棋の棋戦については、こちらで紹介しています。

棋戦の形式

参加定員・資格ですが、上述していますが、満50歳以上の棋士です。
ここにある、出場条件が下限年齢のみである将棋の公式棋戦は史上初です。

棋戦の形式は、予選、本戦共にトーナメント制を採用し、次のように持ち時間の短い早指しルールで行われます。

  • 予選:各1時間(チェスクロック)切れたら一手60秒未満
  • 本戦:各30分(チェスクロック)切れたら一手30秒未満

本戦の方が予選よりも時間が少ないのは、タイトル戦や他の棋戦に比べて特異ですね。

本戦トーナメントは8人で行われ、立川市「TACHIKAWA STAGE GARDEN」での公開対局として2日間実します。

優勝者には称号「達人」が与えられます。


賞金

なお、優勝賞金ですが、将棋界に多い非公開となっています。

ただ、当時将棋連盟会長の佐藤康光九段が「協賛いただいているトヨタS&D西東京さんの車は…買えるのと買えないのがある…んですかね(笑い)基本的には買えると思います」と言っています。(将棋で参加資格50歳以上の新棋戦創設 公式戦「達人戦」

トヨタS&D西東京のカーラインナップから勝手に判断すると、500万円(39台中30台買える)かなと想像します。

タイトル戦の賞金については、こちらにアップしています。竜王戦の賞金は高額ですよ!

優勝者

2023年に創設されて、まだ2回しか開催されていませんが、優勝者を見てみましょう。

第1回 羽生善治九段

タイトル獲得99期の大棋士が第1回達人戦を制しました。
表彰式では、自分自身を表彰しました。

羽生善治九段は現職の日本将棋連盟会長であるため、表彰式において会長として総評を述べ、一旦降壇しましたた。
そして、すぐに優勝者として再度登壇し、今度は、自ら受け取りをする一人二役をしました。
この年の参加棋士は54名でした。

羽生九段について掘り下げた記事です。是非、ご覧ください。

第2回 丸山忠久九段

第2回も、名人獲得経験のある棋士が優勝しました。
昨年は決勝戦で敗れた丸山忠久九段でしたが、2年連続決勝にコマを進めました。
対するは、行方尚史九段で本戦1回戦で昨年優勝の羽生善治九段を破りました。
決勝は、先手の丸山九段が97手で行方九段を破り、見事優勝です。
この年の参加棋士は3名増えて57名でした。

もうひとつの達人戦

達人戦と言うと、実は、過去にもう一つあったのです。

それが、1993年から2014年まで行われた将棋の非公式戦「富士通杯達人戦」です。

こちらは、日本将棋連盟と週刊朝日編集部が主催、富士通の協賛で行われる将棋の棋戦でした。

40歳・八段以上から規定によって選抜された棋士によるプロ将棋界最初のシニア棋戦でした。

決勝戦は早指しの公開対局で行なわれました。

出場人数と規定は開催年により異なっていました。出場棋士は多いときは12人、最少人数は6人でした。
全22回の棋戦のうち、優勝者は次の10名(数字は優勝回数)です。

  • 谷川浩司十七世名人 5
  • 米長邦夫永世棋聖(故人) 4
  • 中原誠十六世名人(引退) 4
  • 青野照一九段(引退) 2
  • 羽生善治九段 2
  • 内藤國雄九段(故人) 1
  • 島朗九段 1
  • 南芳一九段 1
  • 佐藤康光九段 1
  • 森内俊之九段 1

最後に

「達人戦立川立飛杯」は、50歳以上の棋士を対象とした新たな棋戦として、将棋界に特別な意義をもたらしました。

また、大会の開催地である立川立飛地域は、文化や地域活性化に注力しており、地元との連携がこの棋戦の実現を支えました。

さらに、インターネット中継などで多くの将棋ファンが観戦できる工夫も取り入れられ、ファン層の拡大や地域との結びつきが期待されています。

この棋戦は、単なる高齢棋士の対局にとどまらず、将棋文化の発展や新たな可能性を示すプロジェクトとして、大きな注目を集めています。

スポンサーリンク
この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

将棋

Posted by 60爺