百日紅の読み方知ってる?その名前の由来や意外な雑学をご紹介
「百日紅」という漢字を見たことはありますか?この言葉、この読み方を知っていますか、いったい何と読むのでしょうか。
これは、夏から秋にかけて鮮やかな花を咲かせることで知られる木の名前ですが、読み方に驚く方も多いかもしれません。
漢字と読みが大きく異なるため、どのような由来があるのか気になるところです。
また、その特徴的な名前の背景には、木肌の滑らかさや花の長い開花期間など、自然界に隠された面白いエピソードがたくさん詰まっています。
この記事では、「百日紅」の名前の由来やその特徴、さらに、あまり知られていない雑学までを詳しくご紹介します。
百日紅の持つ美しさや独特の魅力を通して、自然への興味をさらに深めていただければ幸いです。
百日紅の読み方とは?
「百日紅」ですが、この読み方はパッと見、わからないと思います。
「ひゃくひべに」「ひゃくにちべに」……等、いろいろと読んでも、正解には辿り着かないでしょう。
その読み方は・・・・・・。
サルスベリ
別名「ひゃくじつこう」もあります。
「ひゃくじつこう」なら、まだ分かりますが、「サルスベリ」となると、知らないと、まず、読めませんね。
サルスベリは中国原産で、日本では古くから百日紅(ひゃくじつこう)と呼ばれていました。この「百日紅(ひゃくじつこう)」は漢名です。
「百日紅」は、この3つの連なった熟字においてのみ「さるすべり」と読まれます。
これは、日本語における熟字訓です。たとえば、「百合(ゆり)」「長閑(のどか)」「東風(こち)」などが、それに当たります。
さる‐すべり【猿滑/百=日=紅】の解説
ミソハギ科の落葉高木。高さ3〜7メートル。幹は薄い紅紫色で皮ははげやすく、跡が白くなり、滑らか。葉は楕円形。夏から秋にかけて、しわの多い紅・淡紫・白などの6弁花をつける。中国の原産で、観賞用に栽培される。ひゃくじつこう。出典:デジタル大辞泉(小学館)
百日紅とは|goo辞書
今回のテーマである「百日紅」の他に、上記、デジタル大辞泉にも出てきた「猿滑」、そして「紫薇」があります。
上述したように、「ひゃくじつこう」と読むこともあります。
紫薇(シビ)は、唐(618〜907年)の時代、首都であった長安の紫薇宮廷に多く植えられたことからついた名前と言われます。
※漢字自体は簡単でも読み方の難しい漢字は多々あります。それらの漢字をクイズ形式にしてみました。
百日紅の由来
この百日紅の語源はいくつかあるようです。
- 木の肌がつるつるしていて木登りが上手な猿でさえ滑り落ちてしまう
- 百日もの間花が赤く咲いている
これらの由来について、少し詳しく覗いてみましょう。
木肌がつるつるしている
実際、百日紅の木は、樹皮がつるつるしているため、木に登りづらいことは確かなようです。
灰色がかった滑らかな幹は、触れるとまるで絹のような手触りで、「猿も滑る」と言われるほど。
そのため、観賞するだけでなく、触って楽しむこともできます。
こんなところから、「滑るので受験に落ちる」なんて言いがかりをつけられたこともあるようです。
ただ、猿は、滑るからと言って登れないなんてことはなく、どんどん登って行ってしまうようです。
百日も花が咲く
百日紅(さるすべり)は、その名前が示す通り、夏から秋にかけて、約100日間も花を咲かせることが名前の由来です。
実際は、一度咲いた枝先から再度芽が出てきて花をつけるので、そう見えるのですが……。
花はピンクや赤、白、紫など鮮やかな色合いで、青空に映える姿がとても美しいことで知られています。
花びらの細かいしわが独特の柔らかな印象を与え、見る人を魅了します。
また、百日紅は庭木や街路樹としても人気があります。
最近では、矮小種も流通するようになり、小さな庭に植えたり、鉢植えで育てるのことも可能です。
花が咲き続けるため、庭を明るく彩り、病害虫にも強いため育てやすい木として重宝されています。
百日紅の雑学
ここからは雑学として、以下の内容を見ていただきます。
- 百日紅の花言葉
- 百日紅は植えてはいけない
- 俳句や文学での登場
- 百日紅と風水の関係
気になる内容を覚えて、何かの折に披露して注目を集めちゃいましょう。
それでは、順に紹介していきますね。
百日紅の花言葉
百日紅の花言葉は次の通りです。
- 雄弁
- 愛嬌
- 不用意
「雄弁」と「愛嬌」は、夏季に長く花を咲かせることから来ていると思われます。
「不用意」は、猿でも滑ると言われるほど滑らかな幹の様子からでしょう。
これを見てわかる通り、百日紅の花言葉に怖い意味は含まれていません。
百日紅は植えてはいけない
「百日紅は庭に植えてはいけない」とよく言われています。
あんなにきれいな花なのに、なぜダメなのか、その理由がいくつかあるんです。
なにか怪しげな理由が多いですね。
調べてみると、その理由のほとんどが「こじつけ」に近いモノでした。
その詳細は次の記事で確かめてください。
俳句や文学での登場
百日紅は、夏を象徴する季語として俳句にも登場します。その鮮やかな花と滑らかな幹が詩情をかき立てる存在として描かれています。
- 「世の中やひとり花咲く百日紅(さるすべり)」正岡子規
- 「苔づける百日紅(ひゃくじつこう)や秋どなり」芥川龍之介
文学では次の作品にも登場します。
森鴎外 の「鶏」百日紅の花の上に、雨が降ったり止んだりしている。(98頁)
樹種「サルスベリの素敵な文章」
夏目漱石の「吾輩は猫である」この百日紅が散るまでに美学原論と云う著述をすると云うから、(147頁)
太宰治 の「彼は昔の彼ならず」百日紅の幹が夕日に赤くそまりはじめたころろ、ようやく帰って来た。(225頁)
百日紅と風水の関係
風水では、百日紅は家の運気を高める「吉木」とされています。
上述したように、サルスベリは、花が咲く期間が長いこともあり、家や家族に幸せも長く続くというポジティブな効果があると言われています。
その風水効果は次のようなモノです。
- 家そのものの幸福
- 家族間の幸福
また、「この100日間花が咲く、増え続けながら咲く」百日紅は、強いエネルギーを発していると言われます。
恋愛運・健康運などを筆頭に、全ての運気を増やしながら、長期間保てるように効果があるそうです。
最後に
「百日紅(さるすべり)」の名前には、木肌の滑らかさや花が百日間咲き続ける特性が由来していることを紹介しました。
鮮やかな花を長く楽しませてくれる百日紅は、その見た目の美しさだけでなく、名前や特徴に込められたエピソードにも魅力があふれています。
さらに、百日紅は庭木としても人気があり、日本各地で親しまれている木です。
この記事を通じて、身近な植物への理解が深まり、自然への関心がさらに高まるきっかけになれば幸いです。
ぜひ百日紅の花を見かけた際には、その名前に秘められた物語を思い浮かべてみてください。
※気づけば「言い方・呼び方・読み方」の記事も増えてきました
参考
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