会の旧字とは?歴史や意味・異体字の打ち方まで全部まとめて総特集
「会」という漢字は、私たちの日常生活でよく使われる文字の一つです。
しかし、その旧字や異体字について詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。
旧字とは、現代の常用漢字が制定される前に使われていた漢字の形のことで、漢字の歴史や変遷を知るうえで非常に興味深い存在です。
本記事では、「会」の旧字について歴史や意味・異体字の打ち方まで全部まとめて総特集します。
旧字がどのような歴史的背景を持ち、どのようにして現代の形になったのか、詳しく紐解いていきます。
さらに、パソコンやスマホでこれらの文字を入力する方法もご紹介します。
漢字の奥深い世界を一緒に探求してみましょう!
それでは、ご一緒に最後までご覧ください。
「会」の旧字「會」
「会」という漢字は、「カイ」という音読み、主に「あ・う」という訓読みで知られています。
意味は、「出会う」「出くわす」です。
「会見(かいけん):(公式に)会い、物事を談じあうこと」なんて言葉があります。
「会」には「あつ・まる」なんて訓読みもあります。「ひと所にまとまる」意で、「会合(かいごう):あつまり。集会」という言葉がありますね。
主題に入りますが、「会」には、旧字の「會」があります。
会は6画、會は13画の漢字です。
その書き順を見てください。
旧字の「會」は、新字の「会」に比べ、はるかに難しいですね。
新字体の「会」は、旧字の「會」の草書体のくずし字を採用したものです。
「会」の構成は、「亼」+「云」となります。
「会(會)」の字源1
ここでは、「会(會)」の字源を見ていきますが、二つの考え方があるようです。
「會」は、「亼」 + 「曾の略体」で構成される会意文字です。
それぞれの構成される漢字の意味を見ていきましょう。
- 亼:三方から中心に寄り集まることを示す
- 曾:段々と重なった蒸し器 ⇒ 「重なって増える」イメージ
ここから、「會」とは、多くの人や物が一点(一か所)に寄って来て、重なるようにモノが増える状況を表しています。
即ち、二つ以上のものが一点で集まるので、二人(以上)の人が一点で会う、即ち、出会う意となったのです。
参考:上級漢和辞典 漢字源
「会(會)」の字源2
ただ、もう一つ、別の説もあるようです。
「會」は、「亼」 + 「曾の略体」で構成される会意文字です。
それぞれの漢字の解釈が異なっている説です。
- 亼:「ふた」を表す
- 曾:「こしき(甑)」という鍋に蒸籠を乗せて穀物などを蒸す調理器を表す
ここから、「會」とは、「ふた」が「こしき」にピッタリあうところから「会う」の意味になったそうです。
参考:旧字源
その他の雑学
「會」には、先程述べた意味がありますが、音符となって「繪(絵)」「膾(なます)」「獪(わるがしこい)」「檜(桧)(ひのき)」等の字を作ります。
この中では、「木へんに会」で記事を書いています。標準字体が「木へんに會」なんです。
また、「會」には、呉音「エ」があり、この音は、以下の仏教語に残っています。
・会釈(えしゃく):混乱した内容を、前後照合して意味が通じるようにする
・会式(えしき):法会の儀式
・会者定離(えしゃじょうり):会う者は必ず離れる定めにあるということ
「会」には、異体字として「㑹」という字があります。
この字は環境依存文字ですが、Unicode「3479」で入力が可能です。
※「カテゴリ:漢字の旧字」に収録した漢字の中で、旧字の存在するのは「真」「恵」「広」に続き4例目です。
上記「真」「恵」「広」が載っている「新・旧字対照表|立命館大学」には、「会」もありました。
さて、次の章からは、旧字「會」を様々な機器(パソコン・スマホ及びTEPRA)でどう入力するか、その打ち方を紹介します。
パソコンでの「會」の打ち方
文字変換とUnicodeによる打ち方の2つをご紹介します。
文字変換による「會」の打ち方
それでは、文字変換による「會」の打ち方を紹介します。
変換をかける文字は、新字と同じ読みの「かい」です。
手順は次の通りです。
- 「かい」入力
- 日本語で「かい」と入力します。
- 変換候補から「會」を探す
- 変換キーを数度押すと変換候補が現れます。
目指す「會」を探します。
見つけたら、クリックしましょう。
- 「會」入力完了
- 「會」が入力されました。
簡単に打てました。
「ひろ」の他に「こう」変換でも出すことができます。
Unicodeによる「會」の打ち方
Unicode4桁を打ち込んで変換をかける打ち方です。
手軽ですが、Unicodeを覚えるのが面倒です。
- 「會」入力
- 日本語で「6703」と入力します。
ご覧のように「5ええ3」となりますが気にしないでください。
F5キーを押します。
- 変換候補から「會」を探す
- 変換候補が現れますので、目指す「會」を探します。
見つけたら、クリックしましょう。
- 「會」入力完了
- 「會」が入力されました。
日本語でUnicodeを入力してF5キーを押すだけです。
ここでの注意点は「日本語で」という部分!
これだけで、望む漢字を入力できます。
上述したように、Unicodeを覚えるのが面倒ですね!
スマホでの「會」の打ち方
スマホででも「會」を出すのに、文字変換による打ち方が出来ます。
変換をかける文字は、パソコンと同じく「ひろ」ですね。
- 「かい」入力
- 日本語で「かい」と入力します。
- 変換候補をタップ
- 変換候補を表示するため、「ⅴ」をタップしましょう。
- 変換候補から「會」を探す
- 変換候補が表示され、「廣」が見つかったらクリックします。
今回は4行目に発見しました。
- 「會」入力完了
- 「會」が入力されました。
以上、スマホでも問題なく「會」を表示できました。
テプラでの「會」の打ち方
ここでは、テプラ(TEPRA PRO SR300)における「會」の打ち方を紹介します。
次の2つの打ち方があります。
- 文字変換による打ち方
- JISコードを指定する打ち方
これらの打ち方を手順に従って、ご紹介します。
文字変換による打ち方
パソコン・スマホと同じく、文字変換によって「會」を表示する方法です。
入力する文字は、パソコン、スマホと同じ「ひろ」です。
- 「かい」入力
- 日本語で「かい」と入力します。
- 「変換」ボタン押下
- 「変換」ボタンを押して候補を表示します。
- 「會」で「選択」ボタン押下
- 「↓」ボタンを押していくと「廣」が候補に表れますので、「選択」ボタンを押すことで表示できます。
- 「會」入力完了
- 「會」が入力できました。
今回は、「會」を見つけるのに、随分と時間がかかりました。
JISコードを指定する打ち方
次は、JISコードを指定する打ち方です。
パソコンでのUnicodeを指定する打ち方と似ていますが、テプラ独自のコードを使った打ち方です。
- 「シフト」+「あ・ア」キー押下
- 「シフト」を押しながら、「あ・ア」キーを押します。
コード入力画面が表示されます。
- 「4882」入力
- コードに「4882」を入力します。
SR300の取扱説明書から「會」を検索します。
もし、見つからない場合、そのTEPRAで「會」を入力することは出来ません!
- 「會」押下
- 「會」が候補に表れますので、「選択」ボタンを押します。
- 「會」入力完了
- 「會」が入力できました。
コードさえわかっていたら、こちらの方がはるかに簡単ですね。
この方法を紹介した記事があります。
以下の記事では、「慶」の旧字について紹介しています。合わせて、ご覧ください。
最後に
本記事では、「会」の旧字について詳しく追いかけてみました。
旧字は漢字の歴史を知る手がかりであり、その多様性を示しています。
現代の「会」へと変化した理由や背景、旧字がどのように使用されていたかを学ぶことで、漢字文化の奥深さを感じられたのではないでしょうか。
また、パソコンやスマートフォンで旧字を簡単に入力する方法も紹介しました。
これを機に、普段何気なく使っている漢字の成り立ちや歴史に目を向けてみると、新たな発見があるかもしれません。
漢字の世界を楽しみましょう!
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。
参考資料
・上級漢和辞典 漢字源
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