無花果という漢字は何と読むのか?その意味や由来までまとめて総特集
「無花果」という漢字、一見すると何を指しているのかわかりにくいですが、見かけることはあるものの、余り目立たない果物の名前です。
この独特な漢字には、深い意味や歴史的な背景が隠されています。
「花がない果実」とも取れる表記に、どのような由来や意図が込められているのでしょうか?
この記事では、この漢字の成り立ちや意味を詳しく掘り下げるとともに、果物そのものが持つ特徴や歴史、文化的な位置づけについても紹介します。
さらに、名前の由来や他言語での表現、料理や健康における活用法など、幅広い視点からこの果物の魅力を総特集!
知識が増えることで、漢字や果物そのものに対する見方が一段と深まるはずです。
ぜひ、ご一緒に最後までお読みください。
無花果という漢字読み方
始めに、「無花果」という漢字の読み方を知っていただきましょうか。
いちじく
「無花果」と書いて「いちじく」と読むんです。
この「いちじく」は小アジア(アナトリア)原産で、わが国には江戸時代に入ってきています。
「無花果」と書かれる理由は、花弁が外から見えす、花をつけないように見える(実は、花嚢の中にいっぱい詰まっている小さな白い花が見えない)ことからです。
「書言字考節用集」では「花なくして、実枝間に出づるもの」と考えられたのです。
「無花果」は中国で名付けられた漢語ですが、日本語ではこれに「イチジク」という熟字訓を与えたのです。
※熟字訓:漢字の読みには関係なく,意味が似ていることなどから,1つの和語を2字以上の漢字で表記したもの
中国では「映日果」と漢字表記されることもありますが、これは「無花果」の別名です。
この「映日果」から「いちじく」となったとういう説もあります。
それらについては、次の由来で詳しく見ていきます。
※熟字訓が出てくる記事は複数書いています。
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※漢字自体は簡単でも読み方の難しい漢字は多々あります。「無花果」を含め、それらの漢字をクイズ形式にしてみました。
無花果の由来
「無花果」の由来には、上述した他に、いくつかの説があるようです。
- 一日に1果づつ熟すことから
- 中国名の「インジェクフォ」から
- 「イヌビワ」(別名コイチジク)から
3つの説を挙げました。
はてさて、一体どういういわれでしょうか?
一日に1果熟すことから
「いちじく」が少しずつ熟していく過程を「一熟(いちじゅく)」と捉えました。
この「一熟」、他にも、毎日1つしか実らないとか、1ヶ月ほど経って実が熟すからとの説もあるのます。
そして、「一熟」がなまって「イチジク」になったと言う説です。
中国名の「インジェクフォ」から
中国に渡った時、ペルシア語の「anjir」を「映日(イェンジェイ)」と音訳したそうです。
これに「果」(果実の意)を加えて「映日果」、読み方は「イェンジェイクォ」です。
「いちじく」は、この「映日果」の音(イェンジェイクォ⇒イチヂクヲ)に基づくと言われます。
「イヌビワ」(別名コイチジク)から
イヌビワと言う、「いちじく」によく似た植物があります。
この「イヌビワ」ですが、「いちじく」渡来前の日本では、本種は「イチジク」とよばれていたそうです。
ここから、「いちじく」の名称のもとになったと言いますが、上記二つに比べて、ちょっと根拠が弱いような気がします。
なお、この「イヌビワ」、果実がビワの実に似ていて食べられますが、ビワに比べて「まずい」ことから「劣る」と言う意味で「イヌ」を付けられました。
無花果の雑学
この章では、「無花果の雑学」を見ていただきます。
庭に植えてはいけないか?
無花果は、育てやすく家庭向きの果樹です。
但し、いくつか注意すべき点があります。
- カミキリムシの被害が多く、防除が必要
- 熟果は雨に弱い
- 耐寒性がやや弱いので、関東地方北部以北では栽培は難しい
- 鳥害を受けやすい
昔、隣の家に無花果の木がありましたが、大きなカミキリムシがいっぱいやってきていた記憶があります。
無花果は食べてはいけないか?
結論ですが、アレルギーがない場合や適切な量であれば、「無花果」は安全に楽しめる果物です。
ただ、食べ過ぎたりすると、次の心配はあります。
- 食物繊維が豊富に含まれているため、下痢や腹痛を引き起こす可能性
- 糖質が多いため、カロリーオーバーやお腹の調子が乱れる可能性
1日2~3個であれば、全く問題はないと思います。
「いちじく」を一文字で書いたら何?
最後にクイズです。
「いちじく」の漢字表記は「無花果」でしたが、一文字でも書けるんですよ。
その文字は何でしょうか?
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答え
九
一文字の「九」即ち、「いちじ」+「く」で「いちじく」です。
冗談ではないんです。次の名字があります。
【名字】九
【読み】いちじく,いちのく,く,くちのく,まる
【全国順位】 52,259位
【全国人数】 およそ30人
参考:九|名字由来net
ご覧のように名字があるんです。
その読みの中に、「いちじく」が含まれていることがわかりますね。
最後に
「無花果」という漢字について、その成り立ちや背景を解説しました。
この漢字には「花が見えない果実」という独特の由来があり、果実の成り方が名前に影響しています。
また、歴史的に世界中で親しまれてきた果物であり、栄養価が高く、健康にも役立つことがわかっています。
さらに、料理やデザートとしての活用法や他言語での表記も紹介しました。
「無花果」はその名前だけでなく、果実としても多くの魅力を持つ存在です。
この記事を通して、名前の由来や文化的な背景を知ることで、この果物への理解が深まったのではないでしょうか。
日常生活でさらに親しみを感じていただければ幸いです。
※気づけば「言い方・呼び方・読み方」の漢字の記事も増えてきました
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