山葵の読み方を知ってる?正しい読み方と名前の由来を徹底的に紹介
「山葵」という漢字を見て、すぐに読み方が浮かびますか?
日本人の食卓や寿司屋でおなじみの存在ですが、意外と「山葵」の読み方を分からない方が多いかもしれません。
この漢字、言われてみると、私たちがよく知っているモノを指しているんですよ。
では、なぜ「山葵」と書くのか、その由来は何なのでしょうか?
古くから日本の食文化に根付いてきたモノなのですが、その表記に謎が隠されているのでしょうか。
本記事では、「山葵」という言葉の正しい読み方と、その背景にある由来や名前に込められた意味を徹底的に追いかけています。
この記事を読めば、普段何気なく目にする「山葵」という漢字が、もっと身近で奥深い存在に感じられるはずです。
さっそく、その秘密を紐解いていきましょう!
「山葵」の読み方とは?
「山葵」という漢字の読み方は次の通りです。
「わさび」と読みます。
「山葵」=「わさび」ですが、「山」「葵」をどう解析しても「わさび」にはなりません。
これは「熟字訓※」だからです。
※
熟字訓(じゅくじくん) とは?|goo辞書
2字以上の漢字からなる熟字を訓読みすること。
※熟字訓では、他に、次の漢字で記事を書いています。
では、なぜ「山葵」と書いて「わさび」と読むのでしょうか?
山葵という漢字が当てられている理由ですが、実は、詳しい事はわかっていません。
ただ、「山葵」という漢字には、「わさび」という植物の特徴がそのまま表現されているという説があります。
- 「山」:わさびが山間部の渓流沿いなど、清らかな水が流れる環境で育つ植物であることから
- 「葵」:わさびの葉の形が「フタバアオイ」(ゼニアオイという説もある)という植物の葉に似ていることから
ここから、「山葵」には、漢字を通じて自然の特徴や植物の姿が巧みに表現されているといえます。
それからすると、「山葵」と聞くと難しく感じますが、こうした背景を知ると、親しみやすさとともに日本語の奥深さを感じられますけど……。
過去の文献では、次の記載があるそうです。
わさびの語源
実は、「山葵」の漢字の由来と同様に、「わさび」の語源も不詳ということです。
節は次のように、いくつか存在します。
- 名言通:悪障響(わるさはりひびく)から
- 大言海:悪障疼(わるさはひびく)の略、辛き意
- 食べ物語源辞典:ワサは早いことで、ビはひびくこと。辛さが早くひびくことから
『名言通』や『大言海』では、それぞれ「悪(わる)障(さはり)響(ひびく)」、「悪(わる)障(さはり)疼(ひびく)」の先頭の文字を取って「わさひ」となるんですなあ。
なかなか面白い説です。
食べ物語源辞典説は、ビ=「響くこと」は無理があるなんて一掃されちゃってます。
他にも以下のような節があるようです。
- わさびの辛さが鼻を走る⇒「走る」の古語「わしる」⇒「わさ」+実を表す「び」⇒「わさび」という説
- 沢葵(さわあおい)が短くなって「さわひ」となり、「わさび」に変化したという説
何か、何でもアリの世界になっていますね。
「辛さが鼻を走る」の「走る」を古語と結びつける辺りはすばらしい感覚です。
「さわあおい」⇒「さわひ」⇒「わさび」も無理やり感があるものの60爺には考えられない所が凄いです。
なお、過去の文献では以下のように記されています。
- 延喜式:わさびが「山薑」
- 倭名類聚抄:「山葵」の記載あり
- 本草和名:「山葵」の和名を和佐比としている
- 和名類聚抄:和佐比と記されている
延喜式のみ、「山薑」で他の記載と異なっていますね。
「山薑」を調べてみると、「わさび」とは違う植物が示されます。
外国語では何というか?
英語では「wasabi」で、そのまんまですね。また、「Japanese horseradish」ともいうようです。
「山葵」は「wasabi」で英語だけでなく、世界に通ずる単語みたいです。
「海外でそのまま通じる日本語100選を作ったら誇りに思えた」の中では、№23に「wasabi」がランクインしています。
「英語訳」で検索するとトップに出る日本語から多言語への翻訳機能では、次の言語で「wasabi」となります。
英語、イタリア語、オランダ語、スペイン語、
スウェーデン語、ドイツ語、フランス語、
フィンランド語、ポルトガル語
ロシア語は「Васаби」でしたが、発音は「ワサビ」でしたよ。
最後に
「山葵」という漢字には、日本の自然や文化が色濃く反映されています。
本記事では、その正しい読み方を明らかにし、名前に込められた由来や背景を解説しました。
「山葵」は、山間部に自生する植物を表す言葉であり、漢字には植物の特徴や日本人の感性が宿っています。
この言葉を通じて、日本の伝統や自然とのつながりを感じられたのではないでしょうか。
普段見過ごしている漢字も、その意味や歴史を知ることで新たな魅力が発見できます。
日常の中に潜むこうした言葉の奥深さを、これからも楽しんでいきましょう!
※気づけば「言い方・呼び方・読み方」の漢字の記事も増えてきました
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