木へんの漢字は植物だけじゃない! 知っておくと楽しい豆知識
漢字の中でも「木へん」を持つものは、一般的に樹木や植物を連想させます。
例えば「桜(さくら)」「杉(すぎ)」「楓(かえで)」など、樹木の名前を表すものが多いですよね。
しかし、実は木へんの漢字すべてが植物を指すわけではありません。
例えば「札(ふだ)」「枕(まくら)」「橋(はし)」など、日常生活で使う道具や建築物にも木へんの漢字が使われています。
では、なぜ木へんがついているのに植物とは関係がないのでしょうか?
その理由の一つは、古代の生活において「木」が非常に身近で、多くの道具や建築物に木材が使われていたことにあります。
本記事では、植物とは無関係な木へんの漢字を紹介しながら、その由来や意味を掘り下げていきます。
知っておくと、日常の漢字がより面白く見えてくるかもしれませんよ!
植物を指さない木へんの漢字
まずは、植物を指さない木へんの漢字を一覧でご覧ください。
随分と出てきました。
それぞれについて、簡単な意味を添えておきます。
中には記事にしている漢字も多くあるので、その場合は、記事のご案内もしますので、是非、ご覧ください。
札(ふだ / さつ)
「お札(ふだ)」や「千円札(さつ)」のように、木の板や紙幣を意味します。
杖(つえ)
木へんに丈と書く漢字ですね。
歩行補助や儀礼用に使われる「つえ」のことを指します。
析(せき)
木へんに「斤」(食パンの数え方に使う助数詞)と書きます。
「分析(ぶんせき)」のように、物事を分けて考える意味で使われます。
枢(くるる / すう)
木へんに区で「枢」ですが、この「くるる」って、ちゃんと辞書にもある言葉なんですよ。
「枢」は、「枢要(すうよう)」や「中枢(ちゅうすう)」のように、重要な部分を指す言葉で使用されます。
「木へんに区」で記事をアップしています。
柵(さく / しがらみ)
木へんに「冊」(本の数え方に使う助数詞)と書きます。
「柵(さく)」は囲いを意味し、「しがらみ」は水流をせき止める仕切りを指します。
栓(せん)
木へんに全で「栓」となります。
「栓抜き(せんぬき)」のように、瓶や管の開口部をふさぐものを指します。
桁(けた)
木へんに行で「桁」です。
建築の横木や、数値の位を表す言葉(例:二桁の数字)として使われます。
棟(むね / とう)
建物の屋根の一番高い部分(棟瓦)や、「別棟(べつとう)」のように建物の区画を表します。
ご覧のように、木へんに東と書きます。記事はアップ済です。
楯(たて)
木へんに盾と書いて「楯」です。
「盾(たて)」と同じ意味で、防御に使う道具を指します。
「楯突く(たてつく)」という表現もあります。
樽(たる)
「酒樽(さかだる)」のように、液体などを貯蔵する大きな容器を指します。
棒(ぼう)
長くまっすぐな木材や道具を指し、「鉄棒」「棒読み」などにも使われます。
枕(まくら)
「枕(まくら)」は寝るときに頭を支える道具のことを指します。
框(かまち)
建築用語で、ドアや窓の枠を指します。
棺(かん)
「棺桶(かんおけ)」のように、亡くなった人を納める箱を指します。
栖(すみか)
「棲(す)」と同じく、動物や人の住処を指します。
「栖(すみか)」と読む場合、詩的な表現として使われることが多いです。
木へんに方角の「西」で構成される漢字で、次の記事があります。
梯(はしご / てい)
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「梯子(はしご)」や「階梯(かいてい)」のように、高いところへ登る道具や段階を指します。
木へんに弟と書く漢字です。次の記事をご覧ください。
橋(はし)
川や道を渡るための構造物。「歩道橋」「鉄橋」などにも使われます。
木へんに喬と書きますが、「橋」では球児に関する記事を書いていますね。
枷(かせ)
「足枷(あしかせ)」のように、自由を制限する道具を指します。
木へんに加えるで記事を書いています。
樋(とい / ひ)
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「雨樋(あまどい)」のように、水を流すための管を指します。
「樋」になると「通」の「しんにょう」が点2つになります。
これは、「木へんに通る」で記事を書いていますね。
楔(くさび)
物を固定するために打ち込む三角形の道具を指します。「楔形文字(くさびがたもじ)」にも使われます。
「木へんに契」で記事を書きました。
ただ、漢字源では、意味の中に「木の名。バラ科サクラ属の落葉高木。シロハナミザクラ。果実はサクランボ。桜桃。」があります。
棲(すむ)
「棲息(せいそく)」のように、動物や人が住むことを意味します。
「鳥が木に棲む」といった表現で使われます。
こちらは、「木へんに妻」で記事にしました。
槌(つち)
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「木槌(きづち)」のように、物を叩く道具を指します。
「樋」でも言ったように、「槌」になると「追」の「しんにょう」が点2つになるんですよ。
木へんに追うで記事を書いています。
柩(ひつぎ)
「棺(かん)」と同じ意味で、亡くなった人を納める箱を指します。
樽(たる)
お酒などを入れる木製の容器を指します。
「酒樽(さかだる)」などがあります。
橇(そり)
雪上を滑る乗り物を指し、「犬橇(いぬぞり)」のように使われます。
「木へんに毛3つ」で記事を書きました。
櫛(くし)
髪を整えるために使う道具。
「櫛の歯」のように、細かく並んだものの比喩表現にも使われます。
こちらも次の記事を書いています。
梮(きょく/かんじき)
意味は、「①食事をする台。②山を行くときすべらないように、はきものの下につける金具。かねかんじき。③土をかついで運ぶ道具」の4つがあります。
この漢字は環境依存文字なので、機器によっては漢字が出ないなんて事態があるかもしれません。
「木へんに局」と書く、見慣れない漢字でございます。
下記に記事があるので覗いてください。
杣(そま)
簡単な漢字ですが、読もうとすると読めない難読漢字だと思っています。
60爺の木へんの難読漢字ランキングトップに登場します。
「杣山(そまやま)」のように、木を伐採するための森林や木こりを指します。
木へんに山で記事を書いています。
梱(こん / こう)
「梱包(こんぽう)」の「梱」で、物を箱や布などで包むことを意味します。
木へんに困るで記事を書いています。
枉(おう / まげる)
「枉駕(おうが)」は、目上の人がわざわざ訪れることを意味します。
また、「枉げる(まげる)」は曲げるという意味があります。
木へんに王で記事を書いています。
杵(きね)
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「臼(うす)」と一緒に使われる道具で、餅をつくときなどに使用します。
「杵柄(きねづか)」という表現もあります。
木へんに午で記事を書いています。
槎(さ / いかだ)
木を組んで作った「いかだ」のことを指します。
「槎浮(さふ)」という表現で、いかだが水に浮かぶ様子を表すこともあります。
木へんに差で記事を書いています。
棹(さお)
物をかけたり、操作したりするための長い棒。
「竿(さお)」と同じで、洗濯物を干す「物干し竿」や、船を操る「櫂(かい)」のような役割もあります。
木へんに卓で記事を書いています。
この棹は羊羹を数える際にも使う助数詞なんですよ。
※木へんに○という漢字を多数紹介してきましたが、まさに、その「木へんに○」を集めた記事があるんです。
そちらも、是非、ご覧ください。
⇒ 木へんに〇で構成される漢字一覧!36の漢字をクイズ形式でご紹介
最後に
木へんの漢字といえば植物を思い浮かべがちですが、実は道具や建築物、動作を表すものも多く存在します。
「札(ふだ)」「枕(まくら)」「橋(はし)」「棺(かん)」など、私たちの生活に密接に関わる言葉にも木へんの漢字が使われていました。
これは、昔の人々が木を材料として多くのものを作っていた名残ともいえます。
漢字はその成り立ちを知ることで、より深く理解し、興味を持つことができます。
木へんの漢字に隠された歴史や意味を知ることで、日常の言葉がより豊かに感じられるでしょう。
これを機に、ほかの偏(へん)についても調べてみると、新たな発見があるかもしれません!
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