高の旧字はどんな形?有名な「はしご高」との関係はどうなっている
「高」という漢字には旧字体が存在するのでしょうか?
特に有名なのが「はしご高」と呼ばれる字体ですが、これは単なる異字体なのでしょうか?
それとも旧字体と何か関係があるのでしょうか?
実は、「高」は昔からあった漢字で、字体を決める際に色々と事情があったようです。
結局、その際の議論で、画数を減らす方向で議論が進んだことで、現在の「高」が常用漢字として登録されたようです。
本記事では、「高」の旧字の形はどんなものなのか、有名な「はしご高」との違い、そしてそれらがどのように使われてきたのかを詳しく紹介します。
普段、何気なく使う漢字の奥深い世界を一緒に探っていきましょう。
高の旧字はどんな形
まず、高に旧字があるのか確認しましょう。
有名な「髙」が旧字ではないかと思っていましたが、どうなのでしょうか?
そこで、「上級漢和辞典 漢字源」で確認した内容をお届けします。
漢字源によると、高に旧字は存在しません!
そうなんです。
高に旧字は存在しないんです。
カテゴリ「漢字の旧字」では、ここまで過去に9つの漢字を見てきましたが、旧字のない漢字は5つ目となります。
【旧字のない漢字】
それでは、高の基本情報を、以下に載せておきます。
画数 | 10画 |
音読み | コウ |
訓読み | やなぎ |
意味 | ①高い。建物や位・人柄、声・評判、値段など ②相手への敬意を表す言葉 ③高いとみなす。尊ぶ ④相手を見下す |
意味がいっぱいありますが、メインは①にある意です。
この「高」は高い建物を描いた象形文字なんです。
当初は空間的に高いイメージでしたが、階級・年齢・能力・価値などの程度が上の方にある(優れている、立派である)意味に展開します。
また、下からの目線で高いとみなす意や、上からの目線で見下すと意味を派生しました。
高の異体字
高には旧字がありませんが、漢字源には異体字として、有名な「髙」(はしご高)が載っていました。
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この異体字について少し、考察をしてみましょう。
始めに「高」と異体字である「髙」の違いです。
- 「高」は常用漢字なので、出生届に書くことができます。一方、「髙」は常用漢字でも人名用漢字でもないため、出生届には書くことができません。
- 「高」は10画、「髙」は11画で、「髙」の方が画数が多いです。
一番大きいのは、常用漢字であるか、そうでないかと言うことだと思います。
このために、上記にあるように「高」は名付けに使えますが、「髙」は使えないのです。
また、公文書の中では、「髙」は使用できない漢字となっているんです。
この「高」という漢字は、1945年以前から使われていた標準の字体で、当用漢字で採用されたときに字体の変更はなかったのです。
「髙」という漢字も手書きの場合には普通に使用されていたんです。
これを統一しようとの動きがあったんですが、右往左往の末、現在に至っても、上記のような「高」は常用漢字、「髙」は人名漢字にもなっていない状況のままなんです。
※このことは、土吉の「𠮷」や、はしご高の「髙」にもみられるものです。
高の異体字パソコンでの打ち方
この章では、先に紹介した「高」の異体字「髙」のスマホ・パソコンでの打ち方を紹介します。
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上記のやり方で簡単に、「髙」(はしご高)を打つことができます。
詳細は、次の記事をご覧ください。手順等を細かくしてしておりますので、上記の説明で不明な点も解消すると思います。
⇒ 梯子高(はしご高)とは?漢字変換をスマホ・パソコンで行う最適解伝授
最後に
「高」という漢字に旧字は存在しません。
有名な「はしご高」である「髙」は、「高」の異体字ですが、常用漢字でも人名漢字でもないのです。
ただ、この「髙」は、「髙島屋」など名字や屋号などで広まった表記です。
しかし、公的な文書や戸籍では「はしご高」が正式な字体として認められないことが多く、使用に制限がある点が特徴的です。
「高」という一文字にも多様な表現があり、それぞれに意味や役割があることを理解することで、日本語の奥深さを再認識できるでしょう。
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。
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