病院の数え方は何?正しい助数詞とその理由をわかりやすく紹介
日本語には、物や場所を数える際に使う「助数詞」というものがあります。
本なら「一冊」、車なら「一台」など、対象ごとに適切な数え方が決まっています。
では、「病院」を数えるとき、どのような助数詞を使うのが正しいのでしょうか?
病院の数って、普段数えることはないですし、いざ意識してみると「はて、どうやるんだろう」と迷ってしまうのではないでしょうか。
この記事では、そんな病院を数える際に使われる助数詞と、なぜそうなるのかをわかりやすく紹介していきます。
まあ、滅多に使わないと思いますが、雑学として持っていても邪魔にはなりません。
助数詞って、英語にはない日本特有の表現なので、知識としてため込むには最適です。
それでは、最後までご一緒に楽しんでくださいね。
病院の数え方
病院も家屋ですから、「一軒、二軒……」と数えると思っている方も多いのではないでしょうか?
それ正解なんです。病院は「軒」で数えます。
文語で、複数の病院を数える場合は「院」を用います!
これ、中央大学助教授の飯田朝子先生の「数え方の辞典」に載ってます。
ここに出てきた助数詞「院」ですが、上記の使い方の他に、寺院を数えるのにも使用します。
「軒」については、独立した家屋を数える……に当てはまるんですね。
ちなみに、「診療所」の数え方では、「軒」の他に「箇所」が出ていました。
※病院と診療所(クリニック)の違いは、主に病床の数(入院患者用のベッド)です。医療法では、20床以上の病床を有する施設を病院、19床以下の施設を診療所と定めています。
※数え方については一覧を用意しました。「病院」以外のモノの数え方をたくさん紹介していますのでご覧ください。
⇒ 物の数え方を一覧にした!面白い助数詞をたくさん知って博識になろう
厚生労働省
厚生労働省の出している「医療施設調査(2023年)」では、「軒」「院」ではなく、「施設」と言う表現を使っています。
yahoo!知恵袋にも、次のような回答がありました。
お役所的な数え方としては「施設」というものがありますが、
ID非表示さん|yahoo!知恵袋
(「全国の病院数は8862施設」という具合です)
ふつうの会話や文章では「軒」でじゅうぶんでしょう。
NHKことばのハンドブック
「NHKことばのハンドブック第2版」に「助数詞の使い方」があるんですが、「数える対象」に中に「病院」はありませんでした。
ただ、建物の家屋(一般)には、「棟」「戸」「軒」がありました。
X
正解の方いました!
「つ」で数えてる人もいました^^;本人も💦を出してますね~。
建物の数え方
ついでなので、建物の数え方に言及しておきましょう。
前章で、「NHKことばのハンドブック」で、建物の数え方に、「棟」「戸」「軒」があるといいました。
「数え方の辞典」の建物では、「棟(とう)」「棟(むね)」「軒」、ビルでは「軒」「本」が出ています。
ここに出てきた助数詞、「棟(とう)」「棟(むね)」「戸」「軒」「本」について簡単にみておきましょう。
助数詞 | 概要 |
---|---|
棟(とう) | 家の頂上を通す胸木を指し、建物や家屋を数える |
棟(むね) | 建物や家屋を数える |
戸 | 民家、マンションの各部屋などを数える |
軒 | 「のき」「ひさし」を表し、独立した家屋・民家を数える |
本 | 高層ビルやタワーなど、大きくて細長い建造物を数える |
棟(とう)は、他にも、建売住宅の販売・建築戸数を数えたり、鉄筋コンクリートなどで建てられたビルや集合住宅を数えます。
人が生活していない離れの小屋や車庫なども、この棟(とう)を使います。
棟(むね)は、棟(とう)に置き換えられます。
戸(こ)は、上記の説明にあるように、人の住む家を数えるときに使います。
戸は、集合住宅の各世帯が入居する住居単位を数えます。建物全体は、上記「棟」で数えるんです。
軒は、商店や飲食店、個人経営の農家や工場なども数えます。
変わったところでは、条件に該当する世帯や、宛名・宛先などにも使います。
人が住んでいない家屋も「軒」を使います。
本は、いろいろなものを数える助数詞ですが、なんと、建物に使う場合もあるのです。
最後に
病院を数える際には、「軒」や「院」などの助数詞が使われます。
「軒」は独立した家屋を数える場合に使われ、「院」は文語で、複数の病院を数える場合に用いられます。
どちらも一般的に使われる表現ですが、あまりなじみがないですね。
その他、建物に使われる助数詞を出しましたが、最近のタワマンなどは「本」葉が使われるのは面白いですよね。
※思えば、「数え方」の記事も増えてきています。
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